2018年6月21日 (木)

「オンフルールの入り江」。安野光雅さんのグレートーンの絵にうっとり

安野光雅さんの原画展を見にいきました。

一番惹かれたのが、「オンフルールの入江」。

冬の夕暮れでしょうか。
グレー&黄色みを帯びた空は、少し紫色も混ざっています。

細長く並んだ建物。ブラウンからグレートーンがなんとも素敵。
水面にその色合いがにじむ様子も。
(この画像はクリックで拡大します)
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「オンフルールの入江」のポストカード。
右側はDAISOの100円の付箋紙。
紙ではなくてフィルムタイプのものです。

白、ペパーミントグリーンにグレーを混ぜたような色、グレー、モスグリーン
というとんでもなく私の好みの色合いに一目ぼれして即買いしました。


オンフルール。
実際はどんな風景なんでしょう。
ググってみました。

フランス語ではHonfleur。
フランスのノルマンディ地方の港町。

ネットではいろんな方が撮ったオンフルールの景色が見られます。
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flickerより by Betuli !さん

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flickerより by Patrick Chemouniさん
明るい空の下でも素敵ですね。

flickerでみつけた素敵な写真をもう1枚。
水面にもユラユラ建物群が映っています。
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flickerより by Katell Ar Gowさん


「ジムノペディ」でおなじみのエリック・サティの故郷でもあるそうです。
いつか、できたら冬。
訪ねてみたくなりました。lovely

カシワバアジサイ、レモン、ブラックベリー、スイカとあたたかいお心づかい

2018年春~初夏。
今年知った&注目した植物の2トップは
先日ご紹介したカルミアとテイカカズラですが、
3位はカシワバアジサイです。

葉が柏の葉のような形であることから名付けられたというカシワバアジサイ。

一度出会うと、目がロックオンを覚えるのか。
あら、ここにもカシワバアジサイ、あらここにも。と気づくから不思議です。

先日、お花屋さんでみかけたもの。
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白から淡い緑色へのグラデーションで花が重なっています。
誰かがペーパークラフトで作ったのかしらと思うほどの芸の細かさ!
十二単のよう。

明るい雨の日の今日、出先でみかけたカシワバアジサイ。
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美しいです~。

葉が柏葉に似ているというだけではなく、花つきが通常の紫陽花と違いますよね。
葡萄みたいに「成って」います。

花のアップを。
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白から淡いピンク色へのグラデーションが愛らしいです。

アジサイのそばにはベリーも。
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よそさまの垣根です。
道を歩いていて発見。
素敵だったので建物が写らないようにして
撮らせていただいていたのです。

そうしましたらちょうど車がこのおうちの前に止まり、
70代ぐらいのご夫婦が降りられました。

「すみません。アジサイが見事だったので撮らせていただいて。
よろしかったでしょうか」と申し上げると
お花が好きなのね、と喜んでくださり、
「ブラックベリー、すでに熟しているのもあるのよ」と。

車から降りられたあと、傘もささずにご自宅の敷地のフェンスのベリーをチェックされるお二人。
あわてて私は傘をお二人の頭の上にかざしたのですが、
お二人は濡れることも気にせず、フェンスを左右に動かれ、かがみ、
黒く熟したベリーを3つみつけて、私の手の平にのせてくださったのでした。

素敵なご夫婦でした。
「レモンもあるのよ~。まだ小さいけれど」
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見上げると、緑色の小さな実がたくさん成っていました。

雨に濡れながらも私のためにみつけてくださったブラックベリー。
ミルクレープと一緒に、おやつにいただきました。
プリプリで甘くてジューシー。
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おいしかったです。

そのほか、歩いてみつけたものは。
スイカの赤ちゃん。
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まだ、ピンポン玉にもならない大きさです。

花びらの形などからビヨウヤナギではなくて、
キンシバイかヒペリカムでしょうか。
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雨に濡れる赤い実がフォトジェニックでした。
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さて。
カシワバアジサイ。

2016年にみかけてびっくりした時の画像をご紹介します。
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なんじゃ、このモコモコは!
カリフラワーか? 葉もアジサイの葉ではないし!

と衝撃でした。
当時、カシワバアジサイなるものをまだ知らなかったのです。

花のアップ。
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私好みの、淡いグリーンがかった色をしています。
八重ではないですね。

モコモコ。↓この画像はクリックで拡大します。
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スヌーピーとか動物みたい。
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お花との出会い、お花を育てている方との出会い。
日常を潤わせてくれます。

2018年6月18日 (月)

月の備忘録 2018年6月14日~7月12日

月の備忘録。
(以下、画像はクリックで拡大します。はみでる場合は新しいタブで開く、を)

※スマホでは画像はクリックしても拡大しません。レイアウトも変わってしまっています。
ご興味いただけたらぜひ「PC版サイトを見る」モードで開いてくださいませ。
画像は小さくアップしています。クリックで画像が拡大します。
指で広げれば細部をご覧いただけましたら。
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6月17日(四日月)
左)今クール初めてみる月です。21:14頃の西(やや北寄り)の空低く。
月齢3.7、輝面率19%の月が。
右)少しアップで。
雲が多く、月の手前を大きな雲が横切っていきました。
中央やや上寄りの楕円状の大きなクレーターは危難の海。
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6月19日
左)16:03頃。南東(やや東寄り)の青空の高みにソーダブルーの月。
月齢5.5、輝面率38%。
右)21:17頃の西(やや南寄り)の空の雲越しの月。
月齢、5.7、輝面率39%。
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6月21~22日(21日が夏至)
左)日が長いですね。18:29でも空が明るいです。左上に月。
中左)南の空の月をアップで。月齢7.6、輝面率60%。
半月(上弦)の翌日ですが、もうこんなにふっくら。
中)19:04頃の南(やや西寄り)の夕焼け空の月。
輝面率は61%に。
中右)日の入りが19:02。まだ明るさが残る19:12の空の月。
バラ色に染まる空が綺麗でした。
右)19:44頃の南南西の空の月。
月齢7.6、輝面率61%。
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※月齢、輝面率はステラナビゲータ10で調べたものを記しています。
※月齢は正午月齢ではなく、撮影時刻のものです。

月の備忘録INDEXはこちら

2018年6月16日 (土)

2018年のツバメ。場所D(その3)5月26~6月5日巣立ち

(その2)の続きです。
画像はクリックで拡大します。
警戒させないように離れたところから撮っているので少し不鮮明です。

【5月26日】
モデルは夜8時以降は食べないといいますが、ツバメもモデルさんなんですかね~。
親がひっきりなしに餌を運んでいるところを見られると思ったのですが、
親は来ず。

ヒナたちも就寝タイムでしょうか。
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あくびかな?
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目を閉じています。
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黄色い矢印の所です。閉じているのではなくて瞬膜と呼ばれるものかもしれません。
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【5月28日】
モデルさんたち。やはり夜はエサは食べないのでしょうか。
親ツバメが来る様子がありません。
しゃがんだ(?)ままで、エサをねだるために立ち上がることがないので
身体がどのくらいの大きさになったか下からは見えません。
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全身は見えませんが、のどの下に茶色い毛がはえていますし、
右側のヒナはふわふわ毛がほとんどありません。
着実に大きくなっているのがわかります。

【5月29日】
やはり夜は動きません~
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つぶらな瞳。

【6月2日】
夜ではなくて、夕方だったからでしょうか。身体が見えました。
大きくなっていてびっくり!

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右のヒナの右目が白目っぽくなっているのは瞬膜でしょうか。

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頭の上のふわふわ毛もなくなって、全身、毛がむくむく。

眠いのカナ。右目は開いているけど左目が。
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左目、少し開きました。
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また、つむりました。
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【6月5日】
巣には誰もいませんでした。
巣の周りにも。
3~4日の間に飛び立ってしまったのですね。

ちょっとさみしさもありますが、無事巣立って、ほっ。

D場所のツバメシリーズはこの(その3)で終わりです。








2018年のツバメ。場所D(その2)5月25日フンする瞬間

(その1)の続きです。
画像はクリックで拡大します。
警戒させないように離れたところから撮っているので少し不鮮明です。

【5月25日】ヒナ5羽発見!

目を細めているヒナのモノウゲな表情がなんともかわいくてたまりません。
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兄弟げんか?
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ふわふわ毛。「鉄腕アトム」のお茶の水博士みたい。
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みんなが右方向に口を開けているけれど
こちらに親はいません。
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1羽が口を開けると条件反射のように周りもいっせいに口を開けるのです。

舌も見えました。
不鮮明ですがアップを。
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5羽。口を開けていないヒナたちは末っ子たちかしら。
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真ん中で口を開いている矢印のヒナに注目です。
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ん?とした顔をした後、
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兄弟の体の上をモゾモゾ
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お尻をこちらに向けました。
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フンをする瞬間を撮れました~
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落ちたてほやっほやのフンがここにあります。
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ヒナちゃんの肛門。マイナスのねじみたい。
ほやほやのフンをアップで。
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お食事中にご覧いただいている方、スミマセン。

その3に続きます。

2018年のツバメ。場所D(その1)5月7日~22日

2018年。今年もツバメのヒナが生まれ巣立つシーズン。

私が目撃したのは6か所。

A駅(2016年から観察中) B駅(2016年から観察中) 
D(今年から) E(今年から) F(今年から) G(今年から)です。

今回はDの場所のツバメを3回に分けてご紹介します。
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場所→D
巣の設置場所→防犯カメラの上
巣立ち日時→私の巣発見は5/7。6/4頃巣立ちか(推測)。

以下画像はクリックで拡大します。
ツバメを怖い思いをさせないため、ある程度離れたところから撮っています。
そのため画像は少し不鮮明です。

【5月7日】巣を発見。
親鳥がじっとしていました。
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お顔のアップ。
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【5月15日】ヒナの孵化は確認できず。
巣でじっとしています。
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ご主人でしょうか。すぐそばの電線に留まっていました。
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【5月18日】
巣にいる親鳥の下にヒナ発見。
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ヒナが孵化すると親はエサを与えるため、
巣と空(エサになる虫捕り)をひっきりなしに往復すると思っていました。

けれど、親鳥はヒナの上に覆いかぶさっているままでした。

まだ孵らない卵があるのか、
ヒナが小さいとまだそんなにエサの量が必要ないからか、
孵化したてのヒナをあたためる必要があるからか、
孵化したてのヒナを敵から守るためか・・・

意外でした。

黒い小さなものをくちばしにはさんでいます。
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4つの口が。
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【5月21日】
依然、親はヒナたちの上にいます。
ヒナのブサカワにキュン♥
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大きな口3つ。ヤマタノオロチのよう。
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親がエサをあげるから口を開いているのではないんです。
親のいない方向に一羽が口を開けるとみんなして開けます。
条件反射のように。

まだ目が見えていないのでしょうか。
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黄色い上あごの真ん中に亀裂みたいなものが見えますね。

【5月22日】
必死に口を開けるヒナ。耳も見えます。
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親の姿が後ろにあるように、ヒナたちは親がいない方向に口を開けています。
食べ物をもらうでもなく。
一羽が口を開けるとほかのヒナも一緒に開けます。

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↑右側にあるスポット照明の光を浴びてのどが透けています。
それだけ皮膚が薄いということなのでしょう。

ぶさかわ♥
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目が開いて。
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親は毛がむくむく。スターウォーズのチューバッカみたい。
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ヒナの山吹色の口の中とは違い
親は茶色っぽく。
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ツバメは成鳥も小さな鳥だけど、ヒナと比べると親の体がたくましく見えますね。
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眠いのかまぶしいのか親もヒナも目を細めて。
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鳥って目を閉じるとまぶたがわかりづらいといいますか。
親の目がモディリアーニの絵のよう。
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ヒナのふわふわ毛と白い口をアップで。
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その2に続きます。

2018年6月14日 (木)

2018年のツバメ。友達と友達のご主人が発見!

観察しているツバメたち。その一箇所D(私による分類)のツバメは無事巣立っています。

6月下旬にアップいたしますが、このD場所のツバメ。私が発見したのは2018年ですが、去年以前からこのD場所のツバメを見守っていた友達がいます。

その友達が別のエリアのツバメの写真を送ってくれました。

それがすっごくかわいいのです。
男子トイレに作られているということで友達ご自身は見られず、ご主人が撮影されたお写真。

ぜひブログでご紹介させていただけたら!と思いました。
心よく友達とご主人がOKくださいました。

ご主人が撮影された3枚をご紹介いたします。

じゃ~ん!!
画像はクリックで拡大します。

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伊豆の吊るし雛を想わせる飾り付けの上にツバメの巣が。

親戚一同で赤ちゃん(人間の)の誕生をよろこぶみたいな、「鳥」相手を越えた
愛情を感じます。

左上の折鶴の飾りつけに親ツバメが留まっているのですね。

アップで。
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鳥on鳥。
ツバメちゃん。乗っているのは「ツル」っていうんですよ~。
知っているかな~。

巣のヒナたち。大きな口を開けている子もいますね。
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転落防止受けに描かれた絵も、地元の方達がツバメちゃんを大切に想っているのが伝わってきます。

地元の方達のツバメ愛。
その愛情の中でリラックスして子育てしているツバメファミリーのほほえましさ。
ご主人が目に留めて撮られた時のツバメ愛。

3つが感じられて心がほっこりしました♪

来年私も見てみたい!
男子トイレだけにあるそうなので、一日おトイレ掃除スタッフにならせてもらって
男子トイレ潜入したい! な~んて。

2018年6月10日 (日)

2018年5月に気になった花、テイカカズラの情念

今年の5月に気になったもう一つの植物がテイカカズラです。

【発端は落ちている白い花】

発端は、よく通る道に白い花がぽとぽと落ちはじめたこと。

「シダレザクラとソメイヨシノはあるけれど、白い花をつける木があったかしら」
と見上げた時、
(以下、画像はクリックで拡大します)

桜の幹に緑の葉がウジャウジャと巻きついているのに気づきました!
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虫の死骸にむらがる蟻のよう。

そして、白い花がびっしり!
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花のアップ。
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【プロペラ型の形で名前が判明】

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花びらに傾きがあります。プロペラかスクリューのように。

この形を手がかりに調べて、名前が「テイカカズラ」であることがわかったのでした。

形がジャスミンに似ています。香りも鼻に抜けるような甘さがジャスミン系。

アスファルトに落ちた花たち。
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惜しい!happy02   「*」のような六弁の花だったら
雪の結晶を道路にちりばめたみたいになるのに~。

【繁殖力にびっくり】

さて、テイカカズラの繁殖ぶりをご紹介しましょう。

黄色く囲んだところのモコモコがテイカカズラ。本来の木の葉ではありません。
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過去はどうなっていたかしらと写真を調べると。

↓こちらは2年前の2016年4月の様子。
テイカカズラの葉に覆われている様子はありません。
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ガラケーで不鮮明なのですが2013年の3月の様子↓
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それが今では
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次は建物の二階からのアングルを。
(大きなサイズでアップします。
はみ出ますので、リンクを新しいタブで開く、でご覧いただけましたら)

2018年5月。
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まるで緑のじゅうたん。
『天空の城ラピュタ』でロボット兵たちを緑が覆っている場面を思い出しました。

黄色い矢印付近にかろうじて、本来の木の葉(少し大きく細長い葉)がありますが、
完全にテイカカズラに飲みこまれています。
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以前はどうだったのだろうとまたガラケー時代の画像を探してみました。
↓2014年の春の写真です。
シダレザクラ(写真左半分)とソメイヨシノ(写真右半分)。
花がこれだけ見えるということは、テイカカズラの浸食がなかったということでしょう。
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【いつから繁殖?】

去年、「桜の木にツタが巻きついている」と思った記憶があります。
あの時、ツタと思ったのがテイカカズラだったのでしょう。
2017年には巻きつきが始まっていたのでしょう。

ただ、去年の春、白い花がアスファルトに落ちている、と気づいた記憶がありません。
となると、この1年弱で急に繁殖したということでしょうか。

【花のディテール】

さて、テイカカズラの花ですが反対側を。
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中央の梅の花をかたどったみたいなくぼみが愛らしいです。

ドクダミと比べてみました。
画像ではわかりづらいかと思いますが、ドクダミの白さに対し、
テイカカズラはわずかにクリーム色がかっています。
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【テイカカズラのいわれ】

テイカカズラは「定家葛」。
式子(しきし/しょくし)内親王(1149-1201)を恋慕っていた藤原定家(1162-1241)が、親王が亡くなったあとも忘れられず
死後、蔦葛となって親王の墓石に絡みついたとされる能の「定家」に由来します。 

『能楽名作選 原文 現代語訳 下 』天野文雄 [訳]/2017  KADOKAWA)の
「定家」p29~41を元に
抜粋&要約でご紹介します。(引用部分 原文:青文字 現代語訳:茶文字)

初冬の夕暮れ。北国から京の都を訪ねた僧が時雨に遇い、雨宿りをします。
そこに女が現れ、僧を式子内親王のお墓へと誘います。
そのお墓は
長い年月が経っているうえに、蔦葛がまとわりついて、その形もわからない
(星霜古りたるに蔦葛這ひまとひ、形も見えず候)

というありさまでした。

女は僧に
これは式子内親王の御墓でございます。また、この葛は定家葛と申します。
(これは式子内親王の御墓にて候、またこの葛をば定家葛と申し候)
」と言って、
なぜ、内親王の墓に定家葛がまとわりつくようになったのかいきさつを語りはじめます。


女の話によると、

式子内親王はかつて藤原定家と忍ぶ恋をしていた。(※1)
玉の緒よ 絶えなば絶え ながらへば 忍ぶることの弱るなる (※2)
いっそこの命がなくなってしまえばよい。生きていたなら、この恋心を耐え忍ぶ力が弱って、人に知られてしまうだろうから)」と、つらい思いを味わっていた。

この恋は人に知られ、定家が内親王の元へ通うことができなくなり、
二人とも苦しんだ。

内親王が亡くなったあとも、定家の内親王への想いは消えることがなかったため、
定家卿の執心が蔦葛となって、内親王の御墓にまとわり
定家の執心葛となつて、御墓に這ひまとひ)つくようになった

ということでした。


能「定家」では墓にまとわりつくテイカカズラの様子はこうも表現されています。
そうしたお気持ちが執心となって、その身がこのように定家葛となって、この内親王の御墓にいつしかからからみついて離れず、濃い蔦紅葉のように焦がれてまとわりついたそのさまは、さながら荊棘(おどろ)のごとく乱れた髪のようです。」
(思へばかかる執心の、定家葛と身はなりて、このおん跡にいつとなく、離れもやらで蔦紅葉の色焦がれまとはり、荊棘の髪も結ぼほれ) (以下、私による略)。

coldsweats02 この話の季節は初冬です。
焦がれているように真っ赤に色づいたテイカカズラの葉。
乱れた髪のようにからみもつれあっているツル。
迫力を感じる描写です。coldsweats02

ストーリーに戻りましょう。
このあと、僧に素性を問われ、女は自分が式子内親王であることを明かします。
そして、テイカカズラから解放されたいと懇願します。
「わたくしのほんとうの姿は影のようにしか見えないはず。墓石の形さえ蔦葛に覆われてはっきりと見えません。どうかこの苦しみをお助けください
(まことの姿はかげろふの、石に残す形だに、それとも見えず蔦葛、苦しみを助けたまへ)」
と。

僧が「薬草喩品(やくそうゆほん)」による回向で弔います。
内親王はやっと葛の呪縛から解放されました。


内親王はお礼をいいます。
「御法の雨の滴りを受けて、みなその恵みに浴して、草木をはじめあらゆるものが成仏の機を得るのです。
その結果、定家葛もほろほろと解けて、わたくしの体も楽になって、よろよろと頼りない足どりながら、この苦しみを脱することができたのは、ありがたいことです。

(御法の雨の滴り、みな潤ひて草木国土、悉皆成仏の機を得ぬれば、定家葛もかかる涙も、ほろほろと解け広ごれば、よろよろと足弱車の、火宅を出てたるありがたさよ)と。

内親王は僧に感謝の舞を踊ります。
ただ美しい姿でいられるのは夜の夢の間だけ。
夜が明ける前に、内親王は墓に戻りました。
テイカカズラの呪縛が解けた墓に。

これでハッピーエンド。

かと思いきや・・・。

内親王が墓に戻ると、なんと!
ふたたびテイカカズラが墓を覆ってしまうのです。
もとのように定家葛にまとわれて、その姿ははかなくも蔦葛の蔭に埋もれて見えなくなってしまった
(もとのごとく、這ひまとはるるや、定家葛、這ひまとはるるや、定家葛の、はかなくも、形は埋もれて、失せにけり

怖いですね~。
定家葛がほどけたのはイットキだけのもの。
朝になり、内親王が墓に戻った途端、ズズズと現れ、うごめき墓を覆い尽くすテイカカズラ。

その場面を想像してゾッとしました。
結局、定家も内親王に執着する思いから解放されず、内親王も定家の呪縛から解放されず、二人は永遠に苦しみ続けるという「オチ」なのですね。

解決したと思ったエンディングにもう一つ恐怖が仕掛けられている映画「キャリー」を思い出しましたbearing

そして、設定は違うのですが、
生身の人間ではない女性が、夜中に踊り、朝の光が射す前に消えるというシチュエーションがバレエの「ジゼル」とも重なりました。

能「定家」のご紹介は以上です。
※1 二人の恋は実際にはなかったと『能楽名作選 原文 現代語訳 下』p29に書かれています。
本曲に描かれているような式子内親王と定家の恋は二人の年齢差から事実ではありえないが、このような逸話は本曲以前に生まれていた。その恋を「邪淫」として、それゆえ、ともに永遠に苦しみを受け続けるという作品に仕立てたのだが、その作者は金春禅竹と思われる。
※2 式子内親王の読んだ歌「玉の緒よ絶えなば絶えねながらえば 忍ぶることの弱りもぞする」は
百人一首にも編纂されています。
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【情念を感じさせる絡まり方】
というわけで、情念そのもののテイカカズラ。
もう一度、巻きついている様子をご覧ください。

桜の木をぐるぐる巻き。
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桜の木が式子内親王に見えてきます。

これでもかと、ぐるるるる。
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↓大きなサイズでアップしました。(リンクを新しいタブで開く、でご覧いただけましたら)

赤がおそらくシダレザクラの葉、黄色がわずかに残るテイカカズラの花。
ピンクがテイカカズラの葉。
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秋、冬はどうなるのか。
今後も観察を続けます。

2018年6月 8日 (金)

2018年5月私の中で大ブレイク、カルミアはアポロチョコ

2018年この春知った植物はカルミアとテイカカズラ。

「カルミアっていうんだ」「テイカカズラなのね」とわかった瞬間、出先のあちこちで「ここにも咲いてる!」「ここにも!」

私の5月はちょっとしたカルミア祭、テイカカズラ祭でした。
今回はカルミアについてお送りします。
(以下、画像はクリックで拡大します)

こちらがカルミア。
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真っ赤なリンゴをカットした時の断面みたい。
白とピンクと赤がとってもキュート。



Snow Crystals (Dover Pictorial Archive)

ベントレーの雪の結晶写真集「Snow Crystals」の表紙に
花びら状になっていない六角形の雪の結晶がいます。
(上から2段目右端)

角板結晶と呼ばれるものですが、
花びら状になっていないカルミアの花は六角形と五角形の違いはありますが
角板結晶のよう!!

アップで。
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そして蕾がまた可愛い~。
アポロチョコに見えませんか!!
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一つの枝からたくさんの茎、そして花。
まるでキャンディーを束ねたみたいに可愛いです。

花が散る時、ぽとっとこのかたまりごと地面に落ちるみたいですね。
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5月に出かけた二つのお庭(猪股庭園、根津美術館)にもカルミアがあったことに驚きました。

花の時期を過ぎて、カルミアロスになっています。来年が待ち遠しいです。

2018年6月 7日 (木)

2018年5月21日太陽の周りに虹色の日暈(ハロ)が見られました!

虹色が空に一文字に現れる環水平アークや太陽のまわりに虹色の暈が現れるハロ。

見たいな~と思いながらもまだ目撃したことがなかったのですが。

デジカメの写真を整理していてびっくり!
5月21日午前11時過ぎ。桜の木に巻きつくテイカカズラ(定家葛)を見上げて撮った写真に虹色の輪が。
(画像はクリックで拡大します)
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「ハロ 2018年5月21日」で検索すると各地で目撃情報が出ています。

ハロだったんだ!と思いました。
その場ではまったく気づきませんでした。

なんだかうれしいです。

一度は観たい気象現象。
あとは、オーロラとグリーンフラッシュもいつかかならず!

色うっとり【空】【花火】INDEXはこちら

2018年6月 1日 (金)

2019年の月の満ち欠けカレンダーと薄黄緑色のヤマボウシ

グリーティングライフ社さんが販売されている月の満ち欠けカレンダーのミニコラムを担当させていただいています。

先日おこなわれた2018年クリスマス、2019年カレンダー、手帳などの新作展示会にうかがいました。

2019年版月の満ち欠けカレンダーを中心に、私が特に心を奪われた商品をご紹介します。

こちらがshine2019年版月の満ち欠けカレンダーshine
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月ごとに配色が変わります。
11月のクールな色合いも素敵。
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私が書かせていただいているミニコラムです。
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2019年も3つのサイズ。
B4サイズの壁掛けタイプです。
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一番小さなサイズのスタンド型です。
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グリーティングライフ社さんが展開されている商品たち。
来年もトーマスシリーズがあるのですね。
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アニメではなく原画を元にしたトーマスシリーズ。
レトロなタッチが素敵です。

大人気の米津祐介さんの動物シリーズでは
はりねずみちゃんもかわいいです。
ポーチほかすでに販売されているものも。
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ハリネズミちゃんはクリスマスカードにも登場。
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植物と雪の結晶。こんな柄のブラウスがあってもかわいいlovely
クリスマスカード。
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カードの裏を見ると、イラストレーターはYurie Terasawaさん。
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今年のクリスマスカードにも、キリスト生誕の場面シリーズがありました。
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おごそかなポップアップカード、素敵です。
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私は通っていた幼稚園がクリスチャン系だったのか
クリスマス時期にはみんなで生誕の場面のお芝居をしました。
(確か私は賢者Aだったかしら)

そのせいか、クリスマスは華やかなものよりおごそかなものに惹かれます。
このカードシリーズにも懐かしいものを感じます。
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猫ちゃんのクリスマスカードも可愛かったです。
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私が室内の照明で撮っているので、
商品の正確な色は再現できていないことをご了承くださいませ。

さて、毎年この展示会を訪ねる時楽しみにしていることがあります。

それは向かう途中にある黄緑色がかったヤマボウシ。

今年のヤマボウシ。
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例年より咲くのが早いかも。

真白なレシート(左)と並べると黄緑色がかっているのがよくわかります。
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このヤマボウシの近くに、白い普通のヤマボウシがあり、
すでに散りかけていました。

やはり品種が違うのですね。

私は断然、この薄黄緑色がかったヤマボウシが好きです。

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2018年5月31日 (木)

根津美術館で雪月花を愉しみました(その5)眺め編

5回に渡った根津美術館シリーズ。最後は眺め編です。
(以下、画像はクリックで拡大します)

起伏があって 
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どの道も変化に富んだ眺めです。
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まるで京都を
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訪ねているかのよう。
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緑の饗宴。
右手前がカキツバタ。シーズンの時はここに紫色の彩が加わるのですね。
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初夏なのに赤いモミジ?カエデ?がありました。
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お庭では飲食厳禁ですが、
ここにたたずんでお抹茶とおだんごで一服したい~
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雨もまた楽し。

時折小雨が水面にぽつぽつ。
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あちこちで丸い波紋を描いていきます。
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二重三重で広がり、重なり、ほどなく消える輪。
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それが枯山水の文様を見ているようで
飽きませんでした。

雨のお庭に降りる時は専用の傘が用意されています。
ですので、安心して歩けます。

根津美術館シリーズはその5で終わりです。
表参道在住&勤務の方はこんな素敵な場所がそばにあってうらやましいです。

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根津美術館で雪月花を愉しみました(その4)緑編

緑編です。
(以下、画像はクリックで拡大します)

根津美術館のお庭。
花が一番少ない時期かもしれません。
が、その分、旺盛な緑を愉しめました。
時折の雨も緑を潤わせ、空気中にたくさん植物の息が溢れているみたいで
森林浴が存分に出来ました。

親松(左)と子松(右側)。
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緑も一色ではありません。
子松。去年までの濃い緑の葉に今年伸びた新緑の若緑が続く様子が美しいです。
新緑部分を黄色で囲んでみました。
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柿も緑色の実が育ち始めていました。
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イヌシデだったと思います。
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ゴツゴツした幹がかっこいい~。

重なる葉が創り出す緑のグラデーションにもうっとり。
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青山と思えない野趣溢れる眺め。
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放射状に広がる葉が万華鏡のようでした。
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節々がふくらんだ竹が並んでいました。現代アートのよう。
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へちまがなっているのかな~と思ったのですが
藤棚だったのですね。
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もう20㎝ぐらいの大きさの実がぶらさがっています。
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イロハモミジの矢印のところにあきらかに別の植物の葉が。
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イロハモミジのくぼみ(うろ)に他の木の種が落ちて、育ってしまっているのですね。
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親モミジの足下に子モミジ。
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大きな石にはえた苔。その上に紅葉のプロペラが。
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この種はもう発芽できないのでしょうか。

親イチョウの足元の子イチョウ。
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鮮やかきのこ。
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名前がわからないのですが、葉がメラメラしている植物。
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次回は【眺め】編です。

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根津美術館で雪月花を愉しみました(その3)雪編

その3は【雪編】です。

企画展「はじめての古美術鑑賞」に雪月花をモチーフにした作品が一つありました。

「雪月花蒔絵硯箱」植松包美(ほうび)作です。

大正から昭和にかけて制作されたもののようで企画展の中では比較的新しい作品です。
蓋に満月と桜。
中が、雪の結晶がちりばめられています。

ガラスケース越しではっきりは見えないものもありましたが、
土井利位侯が描いた雪華がいくつか見えました。

この硯箱の画像は
「Internet Museum」(ttp://www.museum.or.jp/)のサイトで見られます(2018.5.30現在)

インターネットミュージアム→取材レポート→はじめての古美術鑑賞

今回の企画展でかっこいい!!lovely と思った「百草蒔絵薬箪笥」も紹介されています。
レプリカでもいいから欲しいです。
メイクボックスにしたい~。

雪編のおまけはお庭のクチナシ。

六片の白い花びらが広がる様子が雪の結晶のようでした。
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2018年5月30日 (水)

根津美術館で雪月花を愉しみました(その2)月編

今回は【月編】です。
(以下、画像はクリックで拡大します)

根津美術館のお庭の眺めの上に月が出ていた、というわけではなく。

お庭に思いがけず、月があったので。

まず、エントランス。
「月の石舟」だそうです。
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朝鮮灯籠の光を月光に、
舟形のつくばいのその形を三日月になぞらえたのだとか。

そして、お庭の灯籠。
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火を灯す火袋のまわりに月(三日月型)と太陽(丸型)がありました。

反対側から。
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三日月型が「⌒」となっている灯籠もありました。
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以上、【月編】でした。

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«根津美術館で雪月花を愉しみました(その1)花編

emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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