映画「国宝」。よかった~。すさまじかった~。神々しかった~。揺さぶられました~!
映画『国宝』を観にいきました。
すさまじかった~。
3時間弱の長さということで、トイレの心配があったけど、観に行ってよかった~。
迷っている時、ネットで、
トイレに行って5分見逃してしまうことを惜しんで
残りの2時間50分を見逃す方がもったいない!
というような書き込みをみたんです。
それで、行こうと思いました。
気に入ったら、もう1度観に行って、見逃した5分を補えばいい、と。
以下、ネタバレには気をつけますが、
映画をまだご覧になっていらっしゃらなくて、
情報をカットしたい方は続きはストップ。
ご覧になられたあとにお読みくださいませ。
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歌舞伎役者を主役2人にせず、吉沢亮と横浜流星にしたことが最大の最大のグッジョブでしたね!
歌舞伎の家に生まれたわけでもない喜久雄(亮)と歌舞伎界の御曹司である俊ぼん(流星)、
2人が才能か血筋か。切磋琢磨して歌舞伎の舞台に立つ。
努力、栄光、もがきetc.
流星は設定から、歌舞伎役者を使ってもおかしくはないのですが、
二人とも歌舞伎とは無縁。それゆえ1年半ぐらいかけて、歌舞伎を身につけたというのが凄いと思いました。
特に、亮に関しては、歌舞伎とは無縁の喜久雄が歌舞伎を身に着けるという映画上の設定と
完全に重なります。
15才ぐらいから歌舞伎界に入っても、研鑽して芸を身に着けるのに死に物狂いの世界。
(もっといえば、歌舞伎の家に生まれ、幼いころから稽古している人たちであっても、きっと本人たちは、死ぬまで未熟と思って稽古を積むであろう世界)
それを、映画なのでうまく編集でみせることができるとはいえ、
1年半ぐらいで身に着けて披露しなければいけないなんて、どれだけのプレッシャーとハードな日々だったか!!
普通、映画やドラマでは、私たちはできるだけ俳優ではなくて、役に没頭させてほしいと思いますよね。
サスペンスやアクションものでは、「殺されちゃう! 生き延びて」と願い、
「暑い中、仕事とはいえ、よく走ってるな、この俳優」なんて思ってしまったらつまらない。
でも映画『国宝』では、喜久雄と俊ぼんの物語としてだけではなく、
ずっと、吉沢亮と横浜流星が、と思いながら映画を観ても楽しめるのです。
まるで、ドキュメントのように。
<映画で歌舞伎役者の役を演じることになってしまったため、歌舞伎を死に物狂いで稽古し、
その舞台の収録シーンに臨む若い青年俳優2人>
というドキュメントとしてもすごく感情移入できるのです!
映画のポスターやCM。
衣装を身に着けた亮と流星が向かいあう姿。
見ただけで涙がでます。
あでやかな衣装をまとい、照明を浴び、華やかな二人。
でも、ここにくるまでにどれだけの苦労と努力があったのか。
向かい合いながら、会話はないけれど、
二人はどんな思いを分かち合って、向かい合っているのだろうか。と。
(私がこの映画を観たいと思ったのが、テレビで流れたわずか15秒のCMでした。
二人が舞台上で対峙してみつめあうようなシーンになにか鳥肌を感じて・・・。
あと、亮が舞いながらこちら側で舞う人をキッと見据えるシーン)
歌舞伎を演じる、それだけでも大変なのに、
若い俳優が少し年齢を重ねた時の姿を演じる(少し老けたメイクなどをして)。
それだけでも大変なのに
そのダブル。
亮と流星がまだ若い役者の時の歌舞伎の演目から、少し経験を重ねた時の歌舞伎の演目まで
演じ分けなければいけないんなんて、どれだけ無茶ぶりなのだろうと。
それをやってのける二人にただただ涙。
(もっと詳しく書きたいけれど自重)。
そして、あらためて、「舞は神事だなあ」と思いました。
やはり、李相日監督の映画『フラガール』でも、同じことを感じました。
肉体を持つ人が神に捧げる。
神の領域に触れる方法の1つが舞いなのでは。
斜め45度ぐらいに顔をあげた時にみえてくる光、浴びる光。
山岸涼子の名作バレエ漫画『アラベスク』にも重なりました。
漫画ですし、音も色もないのですが、すごい場面があるのです。
主人公のノンナが無伴奏で踊る場面。
最初はトラブルに緊張するのですが、それがいつしか無心で踊り、
踊りの真髄に触れるような場面。
スポーツでいうゾーンなのかもしれませんが。
舞う人が血のにじむ研鑽を続け、焦がれ、地獄を見ても欲しいものは、賞でも権威でもなくて、
ただただ、この神の領域に触れるようなその瞬間なのかなあなんて思いました。
美内すずえの『ガラスの仮面』世代の私は、
『国宝』の亮と流星がマヤと亜弓にも見えました。
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子役の2人黒川想矢、越山敬達も素晴らしかった。
ライバルながら、楽しんで、ひたむきに歌舞伎に打ち込む様子。
私もやってみたい! このポーズ取ってみたい!って思わせる。
過酷な稽古だけど、愉しさを伝えてくれるシーン。
この二人だからこそ、亮と流星に立ちはだかるいろんなことが対比で生きてくると思いました。
あと田中泯の存在感、声のつややかさにもしびれました。
渡辺謙のまなざしも圧巻。
芹澤興人もいい味だったのですが、てっきり渡辺哲の息子さんなのかと思っていました。
誰もがよかったです。
エンドロールに流れた井口さんの唄声。
この映画だからこそ、ジェンダーレスの唄声の井口さんを持ってくるセンス、いいですね~。
さて、トイレ問題。
尿意を喪失させるには、大福やぼんたん飴がいいという噂をききました。
なるべく水分のないものを食べようと、事前に食べたものは
コーングリッツをつかったコーンブレッド、羊羹、ぼんたん飴。
飲むのはお茶ではなくて水を少しだけ。
で、臨みました。
途中でトイレ離席せずにすみました。
ぼんたん飴たちが効いたのかもしれませんし、
映画の早い段階から、何度も目から水分が出てしまったので、
それもあるのかもしれません!
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