ポルトガル伝来の味---鶏卵そうめん
食卓に日常的に登場するので、
誰もが食べるあたりまえの国民食と思っていたら、
友達がそのメニューを知らず、
自分の家だけのローカル食だったってわかったものはありませんか。
たまたまお父さんの好物だった。
親の田舎の郷土料理だったというように。
私の場合、鶏卵素麺(けいらんそうめん)がそうです。
ちょっと疲れた時のごほうびグルメ。
糖蜜がぐらぐら煮えたぎっている鍋に
卵黄を細ーくながーく流し込んでつくったものみたいです。
まばゆい山吹色に輝いています。
素麺のように細長い卵がうねうねまとまっています。
蜜がまとわりついて、触感はくっちゃり。
そして噛むと蜜がじゅわー。
卵の素朴な甘味がふわー。
相当甘いです。歯にしみるくらい。
素朴であり「滋養」という言葉がふさわしいスイーツ。
もとはポルトガル伝来のお菓子なんですね。
ポルトガル料理の本にはこの鶏卵素麺のルーツのお菓子が紹介されていました。
代々木で毎年開催されているタイ料理フェスティバルに何度も行っているのですが、
この鶏卵素麺そっくりのスイーツが出店で販売されているのをみた時はびっくりしました。
タイではフォイトーンと呼ばれているこのお菓子。
やはりポルトガル伝来とのこと。
400年くらい前、ポルトガル人が船でアジアを目指した時、
タイにも日本にもこのお菓子を伝え、
時を越え、それぞれの地で根付いたということなのですね。
鶏卵素麺。
いくつかの老舗和菓子やさんが扱っていますが、
デパートで入手しやすいのは「鶴屋八幡」さん。
オンラインショッピングもしているようです。
タイ料理のデザートと同じものが、老舗和菓子屋で購入できるなんて、
ホームシックになった在日タイ人にも教えてあげたいです。
ポルトガルとタイと日本をつなぐロマンに溢れたお菓子です。
« キル・フェ・ボンのくるみのタルト | トップページ | 梅の花の生麩田楽と湯葉揚げが最高 »
コメント