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2009年12月29日 (火)

幻の味、キッチン馬鈴薯の「ジンギスカン定食」

今でもあの味をもう一度食べたい!
と思うのがキッチン馬鈴薯の「ジンギスカン定食」です。
場所は早稲田大学本部キャンパスの東門を出たところにのびる大隈通り商店街の入り口近く。
私が通ったのはかれこれ30年近く前(年齢ベタバレ)。
卒業してからふと訪ねた時にはお店がなくなっていました。

ジンギスカン定食は甘辛くジューシーなタレがかかっているお肉にサラダが添えられているもの。
当時、まだ都内では羊の肉はあまり手に入らなかったはず。
ジンギスカンという名前でしたがたぶん豚肉だったのではないかと思います。
そのジンギスカンタレが本当においしくて。
しょうゆベースにりんご、しょうが、にんにくなどのすりおろしを加えたタレなのかなあと推測。
サラダにはこの時、ブームになりつつあったオレンジ色でクリーミーなイタリアンドレッシングがかかっていました。
お肉とサラダが確か同じ皿に盛られていて、サラダにお肉のタレが侵食してきて、そのタレで味わう野菜がこれまたおいしかったのです。

実はこの店、高校時代のクラスメイトのおばさまのお店なのです。
「クラスメイトにおばさまの消息を尋ねたら、あのジンギスカン定食のタレのレシピも教えてもらえるかも、おばさまにも会いたい」と思うのですがずいぶん前からこのクラスメイトも現住所がつかめず。
数年に一度のクラス会の案内が来るたびに、
「この方のご連絡先がわかる方は教えてください」リストにお名前が入っているまま。

このブログをこの友人、おばさま、まわりの方がご覧になっていて、連絡がついたらいいなって思います。
当時、東京に大学生として通いはじめた私、大きな街の一角に、
「姪のクラスメイト」ということでアットホームに私を迎えてくれるあたたかなおばさまがいらしたこと、
とても心強かったのです。
おいしいお料理とともにいつもハートを満タンにさせていただいたお礼もあらためてお伝えしたいです。

家でこんなレシピで豚肉を食べたりしています。
<焼肉のタレ+ジンギスカンのタレ+豚丼のタレ+にんにく、しょうが、たまねぎのすりおろし>
に豚肉を漬けてこんだあとこんがりと焼く。
キッチン馬鈴薯のあのジンギスカン定食の味にどのくらい近づけているか確かめてみたい気持ちもあります。

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コメント

秋田恵美様

はじめまして。
私は河本啓伸(かわもとひろのぶ)と申します。

仕事は予備校の講師で54歳です。
住まいは神奈川県茅ケ崎市です。

実は、私は早稲田大学に在籍していた頃(最終的には除籍処分となりましたが)「キッチン馬鈴薯」で長らくアルバイトをしていました。

時期的には1981年から1985年くらいでしょうか。
(記憶がかなり曖昧になっています)

もしかしたら、恵美さんとも「馬鈴薯」で何度か会っていたかもしれませんね。

なぜ除籍になってしまったかと言えば、音楽(シンガーソングライター)で生計を立てるつもりで、授業には行かないし、授業料を支払える状態でもなかったので...

結果的に、20代も終わる頃、音楽だけで食べてゆくのはかなり厳しいと悟り、今の仕事を始めることにしました。

それから四半世紀が経過し、どうしても再び音楽による表現活動をやりたい気持ちが抑え切れず、昨年冒頭からライブや創作を再開することとなりました。

前置きが長くなりました。

今日、なぜ恵美さんにこうしてお便りしているかということをお話します。

今年2月末頃、かなり年下の同僚がやはり早稲田出身で、大隈通りや都電の話になって、何気なく「キッチン馬鈴薯」という言葉を打ち込んで検索すると、恵美さんのブログにヒットしました。

そこには私の青春の1コマであった、あの食堂のことがリアルに描かれていて、実はそれだけで泣けそうでした。

あの文章に出てくる「恵美さんの同級生のおばさん」というのが、おそらく「馬鈴薯」のママさんのことですよね。

マスターは鵜沢孝雄さんという名前だったという記憶があります。

私は在学中から、放校処分を受けたあとまで「馬鈴薯」で働かせてもらい、マスターとママさんにはひとからならぬ恩義を感じています。

あの店は学生バイトに賄いで昼ご飯を食べさせてくれましたが、バイト仲間の中でも一番人気は“ジンギスカン定食”で、私はあの秘伝のタレを作るお手伝いもさせてもらっていました。
(ちなみに、りんごは使っていなかったような記憶があります。大根は大量に使っていました)

あの店がなければ飢え死にしていたのではないかというくらい貧しかったので、早稲田大学へ進学した教え子たちから「馬鈴薯という店はないですよ」と聞かされ、もっと早く何らか連絡を取っていればなぁと、悔いていました。

また長くなってしまいました。

実は、この度『キッチン馬鈴薯』という、ベタなタイトルの歌を作ったので、どうしてもそのきっかけを作ってくれた恵美さんにお伝えしておきたいと思ったわけです。

あの文章中にあった「ジンギスカン定食をもう一度味わいたい」という言葉に触発され、一般人には伝わらないかもしれない「ジンギスカン」(実際は、恵美さんの推察通り、豚バラ肉をラードで炒めたものに例のタレをかけていたのです)という言葉も登場させています。

この歌を作っている時、背筋がぞくぞくし、歌詞を作りながら泣けました。
そんな経験は初めてだったので、自分でも驚きました。

ひとまず歌詞を以下に記しますね。
お目通し頂ければ、ひどく嬉しいです。

ラフな録音もしてはありますので、万一ご希望なら、音源を何らかの形で送らせて頂きます。
ご連絡頂ければと思います。

※※※※※※※※※※※※※※※

=キッチン馬鈴薯=

お腹を空かせた学生が 大隈通りに吐き出され
楽しみは昼ご飯 今日は何を食べようか
都会に慣れない僕たちを 優しく迎えるレストラン
相席も構わない 僕も優しくなれる
面影橋から徒歩5分 グランド坂を横切って
飾り気のない佇まい それが好ましい
その店の名前は ラララ キッチン馬鈴薯

人気のメニューはジンギスカン ラードで炒めた豚バラに
秘伝のタレをかけて 魔法の味に変える
無口なマスター鮮やかな 手つきで操るフライパン
滲む汗拭わない 密かに憧れてる
面影橋から徒歩5分 都電の線路を見下ろして
飾り気のない佇まい それが好ましい
その店の名前は ラララ キッチン馬鈴薯

神田川の水面に 桜の花舞い降りて
春を告げれば 新しい 友だちも増える

面影橋から徒歩5分 賑わう街を通り抜け
飾り気のない佇まい それが好ましい
いつも混んでてゴメンね ラララ キッチン馬鈴薯
その店の名前は ラララ キッチン馬鈴薯

※※※※※※※※※※※※※※※

「馬鈴薯」のマスターとママさんへの感謝を込めて作りました。

そして、この楽曲を来たる4月25日(土)に地元で行われるライブで初披露する予定です。

歌いながら泣いてしまったらどうしようかと心配です(笑)。

長文で失礼致しました。

もしよかったら、感想などお聞かせ下さい。

恵美さんのご健勝とご活躍を祈念致します。

河本啓伸さま

はじめまして。ブログ「おいしくってしあわせ」の秋田です。

キッチン馬鈴薯の記事にコメントくださりありがとうございます。

そしてびっくりいたしました!
キッチン馬鈴薯のことを語れる人も本当に少ない中、キッチン馬鈴薯の味を覚えていらっしゃるだけではなくて、キッチン馬鈴薯でアルバイトをされていたなんて!!

おそらく重なっているはずです。

私はマスターのことはまったく覚えていなかったのですが、鵜沢さんがマスターでその奥様が友人のおばさんだったのでしょうか。

秘伝のたれのお手伝いもされていたなんて!
大根を大量に使っていらしたのですね。

河本さまのHPも拝見させていただきました。
残念ながらライブに行くことができませんが、ぜひ拝聴させていただきたいです。
カセットテープをかける機材を持っておりませんので、もしPCでデータの形で送っていただけるならば、またyoutubeなどで聴かせていただくことができるのであればぜひ聴かせていただきたいです。
(詳細はメールにてご連絡させていただきます)

キッチン馬鈴薯の歌詞、素敵です!!
もしママさんが元気でいらっしゃるならぜひこの歌を聴いていただきたいです。
都会に慣れない僕たちとか、相席も構わないとか
ぐっときます。

ジンギスカンが出てくるところも!!

キッチン馬鈴薯、あああ、無性にあの味をいただきたくなりました~

一つよろしいですか?
付け合わせにパスタ麺が少々盛られていたのではないでしょうか?
私の記憶違いかもしれませんが(^^;;

匿名係さま。こんにちは。
匿名係さんもジンギスカン定食を食べていらしたのですね!
残念ながらパスタは覚えていないのです。
オレンジ色のイタリアンドレッシングのサラダはあった(記憶違いだったらすみません)と覚えているのですが。

昔のタウン誌とかジンギスカン定食が掲載されている雑誌はないかしらと思うのですが。

1979年〜1984年 早稻田に在学してました。キッチン馬鈴薯はとにかくよく通いました。注文はいつもジンギスカン定食。
カルロス・サンタナに似たマスターが、菜箸を脇に挟みながら鮮やかにフライパンを振る姿に見惚れながら出来上がりを楽しみに待ってました。本当に懐かしい。あの味 また食べたいです。

5月16日にコメントをお寄せくださった方へ。
ほぼ、同時期に同じキャンパスにいたのだと思います。コメントをお寄せくださりありがとうございます。

やはり、キッチン馬鈴薯ではジンギスカン定食を召し上がっていらしたのですね。マスターのお顔を覚えていないのですが、サンタナに似ていたのですね。おいしかったですよね! 私ももう一度あの味を食べたいです

はじめまして、「早稲田、ジンギスカン定食」でこちらが、一番にヒットしました。(笑)
私は1981年から1985年まで、教育学部に在学しておりました。昼飯の順番的に、浅野屋のカツ丼、馬鈴薯のジンギスカン定食、オトボケのハンバーグ定食が私のベスト3でした☺
あの頃には戻れないので、せめて、残っているお店は全制覇したいものです✨

candies 78さま。はじめまして。ジンギスカン定食を思い出して検索して、このブログにコメントをお寄せくださりありがとうございます!
教育学部に在籍でいらしたのですね。キッチンおとぼけの名前もなつかしいです。トップ3のひとつがジンギスカン定食だったのですね!
おいしかったですよね~。当時はカメラもフィルムでしたし、料理の写真を撮るなんて思いもつかなくて。
記憶にしか残っておりません。だからこそ、こうして、コメントをお寄せくださったcandies 78さまや皆様とネットを通じて共通のおいしさ体験を分かちあえるのがうれしいです

【思い出ごはん大賞】って漫画本を古本屋で勝ったのですがフジヤマヒロノブさんの作でこの話がでてたので思わずググってみたらたどり着きました、幸せの連鎖かな?
思い出は重いで~、ってついついボケてしまう大阪人でした(笑)

1ミリの罪悪感さま。コメントをお寄せくださりありがとうございます。
フジヤマヒロノブさんの漫画のことを知らず、ぐぐってみました。
キッチン馬鈴薯が紹介されている該当ページをみることができました!

漫画の最初のページに、かわもとひろのぶさんのお名前がありますね。
このブログにコメントをお寄せくださった河本啓伸さんのことですよね!

漫画になっていることで、ジンギスカン定食の記憶がさらに蘇ってきました。
1ミリの罪悪感さまのおかげです。ありがとうございました。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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