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2011年6月30日 (木)

ロシアの飲み物クワスを自分でつくりました

クワス(КВАС/クヴァス)ってご存知ですか。
ロシアの伝統的な飲み物です。
ライ麦パンを酵母で発酵させてつくるので、少しくいっとします。
液体は茶褐色の半透明。味は黒ビールからアルコールを抜いたような味でもあり、
麦茶とコーラを足して2で割ったようでもあり。
わずかな酸味と甘みがあってさっぱりしていて、おいしいんです!

クワスは日本で市販されておらず、
日本のロシア料理やさんでも提供しているところは多くはありません。
クワスが飲めるのは、ロシア料理の老舗渋谷ロゴスキー、
蔦のからまるサモワール(現在は渋谷から世田谷に移転)、
閉店してしまった名店池袋のバイカルなど。

とりわけ夏場に飲みたくなるクワス。
今年も禁断症状が~。

以前、myお宝ともいうべきロシア料理の本(タイムライフブックス)に掲載されているクワスの作り方を見て、
挑戦しかけ、レシピの工程の複雑さに断念したことがあります。

でも、やっぱり飲みたい!! と一念発起。
ネットで調べたら、手作りクワスのレシピがいくつも公開されていたので、
それを参考に作ってみました。

まず、用意したパンは、
これぞロシアの黒パン!と絶賛したい、
日本で一番好きなサンドリヨンの黒パンを取り寄せしました。

以下、私のレシピです。

用意したもの
サンドリヨンの黒パン、1パックの半分。
りんご4分の1個
レモン2分の1個
レーズン 30g
蜂蜜 大匙4
※(ロシアといえば菩提樹のはちみつなので、
  藤原養蜂場の菩提樹のはちみつを
  使いたかったのですが手元になく、
  明治屋のラズベリーの蜂蜜を使用)
砂糖35g
ドライイースト 小匙1

①黒パンは厚さ7ミリぐらいにスライス。
オーブン不調のため、乾煎りOKのビタクラフトのフライパンで
焦げ目がつくぐらいまで弱火でじっくり乾燥させる。
Kbas1_618_0807
↑5枚並べて焦げ目がつくくらいこんがり焼いているところ。
取り出してあともう5枚焼きました。


②水を深鍋で約2リットル沸騰させる。

③ ②の鍋の火を止め、①の黒パン、リンゴ(拍子切り)、
レモン(皮をむく)、お湯で洗ったレーズン、砂糖35g、蜂蜜大匙4ぐらいを投入。
Kbas2_618_0846

④40度ぐらいに冷めたところで、ドライイースト小匙1
(人肌のぬるま湯と砂糖少々をとかし、3分ぐらい放置して少し泡立ったもの)を投入。

⑤冷めたところで、保存容器に移し替え。

容器は今ハンズとかでたくさんみかけるタケヤ化学の「果実酒びん」を使いました。
このびん、すぐれものです。ガラスではなくてプラスチックなので軽いです。
そして一番のポイントはガス抜き弁がついていること! 
クワスは発酵するからです。

⑥22時間ぐらい室温で置いたものがこちら↓
4.2L容器でこのくらいのカサになっています。

あれ?発酵しているの?
泡っぽいものがないし、
リンゴは浮いているけれど、黒パンもレーズンも沈んだまま。
と、心配になりました。
実は④の時に2つの横着をしてしまったんです。

その1 温度をちゃんとはからなかった。
    まだ60度ぐらいだったのにドライイーストを投入したかも。
その2 ドライイーストをぬるま湯と砂糖を混ぜ、
    少し置かなければいけないのに、
    割とすぐ(あまり泡立たない間)に投入してしまった。  

Kbas3_619_0632
↑22時間後のクワス。浮いているのはりんごだけ。

⑦そこで、どのレシピにも書いていないことを自己流でしてみました。

「ドライイーストアゲイン作戦」。
小匙半分と砂糖を少量のぬるま湯で溶いて5分放置。
しっかりエスプレッソの泡状になったものを、⑥の室温のびんに投入。

この再投入が吉とでるかどうか・・・

⑧しばらくしてびんを見ると。
黒パンもレーズンも浮き上がり、縁に炭酸のような泡をフツフツまとっています。
発酵の証かなと一安心。
Kbas4_619_1421
↑ドライイースト再投入8時間後のクワス。
黒パンもレーズンも浮き上がり、泡がフツフツしています。


⑨つくりはじめから丸二日経ったクワス。
やはり、泡がフツフツ状態。
Kbas5_620_1232

夏ですし、室温で三日も置かなくて十分かな~と、濾すことにしました。
液体が濁ることを防ぐため、濾す時にパンは絞りません。
ですので、パンが水分をたっぷり含んだままなので、2Lのお湯を使いながら、できあがりは1.3Lぐらいに減りました。

⑩濾してボルビックのボトルに移した、初めてのマイクワスです。
お店でいただくクワスより少し色が薄いです。 これを冷蔵庫で冷やします。
Kbas6_620_1257

***********************
冷えたところで、さあ飲もうとボルビックのキャップをひねると。
プシューと、いかにも発酵飲料ですという音と感触が。
どきどきしながら、飲んでみると。


ううう、おいしくない。

不思議な味。「ほのかに」くいっとくる、ではなくて、
「かなり」くいっとくる発泡性。ビールのようでもあり、
レーズンもはいっているからワインのようでもあり。
酸味としぶみもあって、 ビールとワインを足して2で割ったような味。

ドライイーストを2回も入れたのは失敗だったのか~としょげました。
クワスと思わずに、ビールとワインを足して割った新しい飲み物と思えば
飲めないことはないと納得させて飲みました。
それにしても、果てしなくお酒に近い味で、
こんなのが自宅でできてしまっていいんだろうか・・・
密造酒にならないだろうか・・・
など不安な気持ちにも。

***********************
初めてのクワスは失敗かーと少し気落ちしましたが、「
もう少し経てば、気が抜けて、飲みやすくなるかも」と
そのまま冷蔵庫で保存して翌日再び飲んでみました。
すると、

おいしい~~~~。
ボトルのキャップをひねる時、プシューとなるし、
そそぐとグラスに炭酸飲料のようにこまかな泡がつきます。
あいかわらず発泡性はあるのですが、
最初に飲んだ時のような「きつさ」や渋みはありません。

Kbas7_626_1932
↑ロシア料理やさんでいただくクワスはこんなに泡は立ちません。
サイダーぐらいの量の泡が立っていますが、
飲むとあまり発泡性はありません。
ほどよく、くいっとくるくらい。

熟成といいますか、すべてがまろやかに、味がなじんでいる印象。
そういえば、少しひにちが経過した方が味がまとまるようなことが書かれていたレシピもあったような。

というわけで、初めての自家製クワスは最後までおいしくいただけました。

冷蔵して何日以内の飲むのがいいのかいまひとつわからず
最後の一杯は冷蔵してから一週間後に飲みましたが、
とくにお腹を壊す気配もなし。
ライ麦の風味が生きた発酵飲料。
連日の猛暑でも、クワスを飲むと五臓六腑に栄養がしみわたる気がします。
慣れてしまえば、そんなに難しい工程ではないので、
クワスはこれから頻繁に作っていこうと思います。

参考資料
『世界の料理 ロシア』(タイムライフブックス)付録p21
のクワスの作り方。

黒パンまたはライ麦パン 450g
ドライイースト 大さじ2と2分1 
砂糖 1と4分の1カップ 
ぬるま湯 44~47°3分の1カップ
はっかの葉(みじん切り)大さじ2と2分の1
干しブドウ大さじ 2と2分の1
----------
①あらかじめ100℃に熱しておいたオーブンに
 黒パンを1時間ほどいれて、
 からからに乾いたらあらく刻む。

②8リットル入りの鍋に水6リットルを沸騰させ、
 パンを入れてすぐ火をおろす。

 ふきんをかけ少なくとも8時間おいてから裏ごし器で別のなべにこす。

③ボールにぬるま湯3分の1を入れて、
 イーストと砂糖小さじ3分の1をいれ、よくとかす。
 あたたかいところに10分置いて、
 2倍にふくらんだら残りの砂糖とはっかと一緒に
 パンのこし汁にまぜいれる。
 ふきんをかけて少なくとも8時間おく。

④8時間たったらもう一度こしてびんにつめる。

⑤干しブドウをびんにいれて、
 びんの口をラップでつつみ輪ゴムでしっかりとめる。

⑥そのまま風通しのいい場所に3~5日間置いておく。
 干しブドウが浮き上がり、
 底にかたまりができたら、
 澄んだこはく色の液だけを静かにあける。

⑦冷蔵庫で保存。

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コメント

ありがとうございます。
ずっと飲みたかったんです!
ロシアでも天然で作られたものが少ないというので。。。。
作ってみます!

ぽんさん。ブログをお訪ねくださりありがとうございます。クワス、おいしいですよね。ぜひトライしてみてくださいね。もしやり方がわからないところがありましたら遠慮なくおっしゃってくださいね。私が答えられることでしたら、お伝えいたします♪

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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