ガガーリン11 ソ連邦大使館による冊子
ロシアの新聞、プラウダ(Правда)やイズベスチヤ(Известия)の
ガガーリンに関する記事を読む時に、とても役立つ本が、
日本ロシア語情報図書館にありました。
それはソ連大使館から1961年5月に発行された
『人類最初の宇宙飛行 ソ連人間宇宙船の成功』(日本語)。
いい働きをしてくれている冊子です。
国家の威信をかけて、ってこういうことでしょうか。
フルシチョフの祝電、ガガーリンや科学者たちが会見で語った言葉などが訳されています。
イズベスチヤやプラウダのフルシチョフの祝電やガガーリン、科学者たちのコメントを読む時にいいサポートになります。
写真も豊富で、ガガーリンが乗った宇宙船ボストークの内部写真も掲載されています。
光学式装置付きイリュミナートルも映っています。
この冊子で訳されているのは以下のことになります。
言葉が少し古めかしかったり仰々しかったりするのですが、目次を原文のまま紹介します。
人類の発展における素晴らしい道標 という章では
1)ソ連の共産党員と全国民、すべての国の国民と政府、すべての進歩的な人びとへの呼びかけ。
2)フルシチョフ首相の祝電。
3)衛星船「ウォストーク」号による世界最初の人間宇宙飛行の成功的実現に参加したすべての科学者、
技師、技手、労働者、すべての集団と組織へ。
最初のソビエト宇宙飛行士ユーリー・アレクセービッチ・ガガーリン同志へ。
4)フルシチョフ首相と最初の宇宙飛行士ガガーリン少佐との会話。
最初の人間の宇宙飛行はこのようにおこなわれた という章では
5)世界最初の人間宇宙飛行について(タス発表)
6)最初の宇宙飛行からの人間の無事帰還について(タス発表)
7)宇宙船からのガガーリン少佐の通信
8)ユーリー・ガガーリンは語る
9)最初の宇宙飛行士
祖国は英雄を祝う の章では
10)ユーリー・アレクセービッチ・ガガーリン少佐のあいさつ
11)フルシチョフ首相の演説
12)クレムリン大宮殿におけるレセプション
13)ソ連邦最高会議幹部会令---
世界最初の宇宙飛行士ガガーリン少佐にソビエト連邦英雄称号を付与することについて
14)ソ連邦最高会議会令---
称号「ソ連宇宙飛行士」の制定について
15)ソ連邦最高会議会令---
飛行士ユーリー・ガガーリン少佐に「ソ連宇宙飛行士」の称号を付与することについて
人間の理性の勝利 の章では
16)衛星船「ウォストーク」号によるソビエト人の世界最初の宇宙飛行の成功にさいしてひらかれた
新聞記者会見
17)ネスメヤーノフの演説
18)ガガーリンの演説
19)シサキャンの演説
20)パーリンの演説
21)フョードロフの演説
22)ガガーリン少佐との一問一答
23)新しい世界の象徴---セミョーノフ
24)最初の航宙家はこうして養成された---パーリン
25)着陸の模様について---ノボポリャンスキー
26)宇宙空間開発の決定的な一歩
27)宇宙船「ウォストーク」号の構造
28)人間の宇宙空間飛行の医学的・生物学的諸問題
29)宇宙飛行士の訓練
30)最初の宇宙飛行士
通し番号は私が便宜的につけました。
この他、掲載されている写真は、ガガーリン、妻、娘の家族写真、オレンブルグ飛行学校時代の写真、
発射前のガガーリン、赤の広場で歓迎を受ける様子などです。
4月25日のプラウダ新聞の記事の訳も載せながら、5月には発行されています。
ガガーリンの偉業を早く詳しく日本のみんなに知らせなければと思ったからでしょうか。
要望があったからでしょうか。
ソ連の新聞が入手しづらく、情報そのものも入りにくい当時、素早い対応でよくまとめてくれた、
という印象を受けました。
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