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2006年4月26日 (水)

ガガーリン34 飛行野郎その2

ガガーリン3233につづき、「飛行野郎」ガガーリンの姿をもう少し追ってみましょう。
『宇宙への道』の中で、空へのあこがれがどう芽生えてふくらんでいったのか、いろいろなエピソードが描かれています。そのポイントを簡単にまとめてみました。

〔はじめての飛行機と操縦士〕
ガガーリンが生まれて初めて飛行機を見たのは7歳の頃。
ドイツとの戦争中、飛行機2機がガガーリンの村に不時着をした時でした。
少年たちはみんなが現場に駆け寄りました。飛行士の身体に触りたがり、操縦席に入りたがり、ガソリンの匂いをむさぼるように吸い込み、翼に付いた弾痕の跡を数えたのです。ガガーリンは飛行士の胸元に輝く勲章にも憧れを感じました。
村人すべてにとってこの飛行士はヒーローだったのでしょう。こんな風に書かれています。


「村ではみんなが飛行士たちに家の中に入って泊まるように希望した。だが彼らはその夜を自分の〔ヤク〕(私メモ:飛行機の名前)機のもとで過ごした。私たちも同じように眠らなかった。寒さで身をふるわせながら朝まで彼らと一緒にいた。
二日目に飛行士たちは、その名誉ある記憶を我々に残して飛び去った。我々は誰もが飛びたくなった。そして彼らのように勇敢でみごとな人になりたかった」

(『地球の色は青かった』朝日新聞社より)

〔ツィオルコフスキーを読破〕
10代の頃、物理学サークルでガガーリンはソ連のロケットの父といわれるツィオルコフスキーについて研究。彼の作品や関連本を読破しました。ツィオルコフスキーの言葉でガガーリンが特に気に入ったのが次の言葉です。私の訳で。


「人類は永遠に地球上にとどまっていることはない。
光と空間を追い求めて、最初は遠慮がちに大気圏外に到達し、その後、太陽をとりまくすべての空間を征服するだろう」
Человечество не останется вечно на Земле, но,  в погоне  за светом и пространством,  сначала  робко проникнет за пределы атмосферы,  а затем завоюет себе все околосолнечное пространство.


科学者ツィオルコフスキーが本の中で予見した宇宙旅行、来たるべき未来のビジョンに驚嘆したガガーリンはこう述べています。

おそらく、私はこの日から医学ではまだ病名のきまっていない新しい病気---宇宙への抑えようのないあこがれ неудержимая тяга в космос----にとりつかれたのだろう」

〔単独飛行〕
ガガーリンが、教官が同乗しない単独飛行を初めておこなったのは、1955年7月、サラトフの航空クラブでのこと。その時の気持ちをこう語っています。


「私は飛行機を滑走路に引き出し、エンジンをかけ、機の尾翼をあげた。すると機はなだらかに地面をはなれた。これまでにない歓喜がこみあげてきて、私はどうしようもなかった。飛んでいる! 私は一人で飛んでいるのだ! 最初の単独飛行の瞬間は、飛行機乗りにしか理解できないものだろう。(中略)
いま私は、飛行機とひとつに溶けあっていた。それはおそらく、疾走する馬と騎手とが一体になる。そういう気持ちだったろう。機の全部品が私の意志の伝え手となり、機は私の意志に従えられ、私の望むとおりのことをやってくれる」


念願の単独飛行を体験したガガーリン。その歓びが伝わってくるようです。

〔パイロットの道へ〕
ガガーリンは鋳造技師になることよりも、オレンブルグの航空士官学校に行って、戦闘機のパイロットになる道を目指します。ガガーリンたちの新たな出発の時、サラトフの航空クラブのマルチャノフ教官が語った次の言葉、ガガーリンにとって印象深かったようです。


「未来はきみたちの世代のものだ。きみたちは、ぼくらが夢にさえ見たこともない飛行機に乗って空を飛ぶようになるだろうよ」
Будущее принадлежит вашему поколению.  Вы  еще полетаете на  таких машинах, которые нам и не снились)


〔ミグ〕
オレンブルグの航空士官学校時代、ガガーリンはミグに搭乗することを待ちわびるます。ミグのことを

「急角度の後退翼を陽光に輝かせた〔ミグ〕は実に美しく、建築家もうらやむほどの、誇らしく奔放な線の調和をみせていた」
と書いています。車好きが車のフォルムを語るように。こんなところからもガガーリンの飛行好きが察せられます。
そして念願のミグでの単独飛行のことを次のように書いています。
「〔ヤク18〕型ではじめて単独飛行をやったときとおなじような調子だった。私はあのときとおなじ心のときめきを覚えながら離陸し、雲のない空に大きな円を描き、幸福感にあふれて飛行場にもどった。(中略)
美しくて乗心地がよく、機動性に富んだ〔ミグ〕はいっぺんで私の気に入った。操縦は容易で上昇性能はすばらしかった。私は自分の翼が大きくなり、力強くなったのを感じた」


〔スプートニク〕
1957年10月、ソ連の第一号人工衛星スプートニクがあがりました。そのニュースを聞いて、ガガーリンと航空学校の仲間は未来の宇宙船の創造図を描きました。その時のことをこう語っています。

「私はこの宇宙船のスケッチを自分のノートに書き込みながら、すでに一度味わったことのある、なにか病的な、まだはっきりとは自覚されぬ心のうずき、例の宇宙へのあこがれを、ふたたび感じていた」
Я, делая зарисовки этого корабля у себя в тетради, вновь почувствовал  уж е знакомое мне какое-то болезненное  и еще не  осознанное  томлениеб, все ту же тягу  в космос, в которой  боялся признаться самому себе.

今回も長くなってしまいましたが、ガガーリンの飛行機好き、そして宇宙へのあこがれがふくらんでゆく過程をを感じていただけましたか。
(このガガーリン34で特に記載がない引用(青字部分)は『宇宙への道』江川卓訳/新潮社からです。

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emi (秋田恵美)

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