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2006年5月 5日 (金)

ガガーリン38 愛読書

ガガーリンがサン=テグジュペリを愛読していたことがわかったのは、妻であるヴァレンチナさんの本の中でした。

このブログのカテゴリー『ガガーリン』。私が目を通した順に資料を紹介しているわけではありません。まず、近くの図書館で入手できる日本語の資料を読みました。そして、ガガーリンはサン=テグジュペリに通じるものがあると感じました。
それから、経堂の日本ロシア語情報図書館やロシアのネットや国立国会図書館などでロシア語の資料を探していったのです。
その中でガガーリンの妻ヴァレンチナ・ガガーリナ(Валентина Гагарина)さんが執筆した本『108 минут и вся жизнь(108分と人生すべての意味)』に出会ったのです。
これはヴァレンチナさんがガガーリンとの日々を綴った本。108分というのはガガーリンが記念すべき人類初の有人宇宙飛行をおこなった時の総飛行時間です。

ロシア語の本なのでまだ最後まで丁寧に読み込んではいないのですが、サン=テグジュペリについてのくだりを訳してみます。

レーナチカ(レーナちゃんの愛称)が眠ると、ユーラ(ガガーリンの愛称)は本に向かいました。たいてい彼は声を出して本を読んだのです。
私が、ユーラの朗読するチェーホフの愉快な小説を聞いて一緒に笑うことが、彼は好きでした。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ自身や、その著書『夜間飛行』のヒーローについて私が興味を寄せるようになったことをよろこびました。


この文章に出会って、ガガーリンがサン=テグジュペリを知っていたことがわかりました。
すごく意外でした。1950年代から60年代当時のソ連邦の情勢に詳しくないのですが、海外の作家の作品が訳されて一般の人が入手できて読んでいたとは想像していなかったのです。

その後、ヴァレンチナさんだけではなく、ガガーリン本人が、サン=テグジュペリについて語っている文章に出会いました。それは既に日本語版を読んでいた『ダローガ・フ・コスモス』の中でした。

ガガーリン23で、『ダローガ・フ・コスモス』は、ロシアでも日本語訳も出版されたものが何バージョンもあるということを書きました。そうなんです。私が最初に読んだ日本語訳にはこのサンテグジュペリに関する文章が抜けていたので、気づかなかったのです。

まず、そのロシア語原文をご紹介しましょう。

Вечерами мы с  Валей читали книги.

Обыкновенно, лежа на койке,  я читал, а  она, занятая домашними  делами, слушала.  Мы брали в библиотеке  книги  о летчиках.

Нам понравилась  『Земля людей』Антуана де Сент-Экзюпери---французского летчика и  журналиста. Он погиб как  герой,  не  дожив трех недель  до освобождения Франции. В его книге было  много поэзии и летной романтики любви к людям.  Он описывал  мирный труд летчков почтовых  самолетов.
Мне запомнилась новелла 『Ночной полет』. Сильно  в ней описано поведение летчика, пробивающегося  ночью сквозь бурю, и переживания его молодой  жены. Такое случалась и с нашими летчиками и с нашими женами.

Мне нравилось, как писал Экзюпери: 『Достаточно эму, пилоту, просто разжать руки --и тотчас их жизнь рассыплется горсточкой бесполезной пыли. Фабьен держит в своих руках два живых бьющихся сердца--товарища  и свое・・・』Или:『Твоя дорога  вымощена звездами』.


この日本語訳を『宇宙への道』(江川卓訳/新潮社)から抜粋します。

晩になると、私とワーリャ(私メモ:妻のヴァレンチナさんのこと)はよく本を読んだ。たいていは私が寝台に横になって読み、彼女は家事を片づけながら、聞き手にまわるのだった。
私たちは図書館から飛行士にかんする本を借りてきた。

フランスの飛行士で作家でもあるアントワーヌ・ド・サン・テグジュペリの『人間の土地』(1939、砂漠に砂漠に不時着した時の記録など、作者の飛行体験記)は、私たちの愛読書だった。彼は、フランスの解放まであと三週間というとき、英雄的な最期をとげたのだった。彼の本には、詩が、飛行家のロマンチカが、人間への愛情があふれていた。彼は郵便飛行機の飛行士の平和な労働を書いていた。

私は小説『夜間飛行』(1931)を忘れられない。そこには、夜間、あらしを冒して進む飛行士の行動が、彼の若妻の気持ちが、みごとに書かれていた。私たちも、また私たちの妻も、おなじ境遇におかれているのだ。

私はサン=テグジュペリのつぎのような言葉が好きだった。
『彼、飛行士がただ両手をひろげるだけで、たちまち彼の生命は無用なひとにぎりの埃と化してしまう。ファビアンはその手に、二つの生きた心臓をにぎっていた。同僚のと、自分のと・・・』とか『きみの道は星で舗装されている』とか。

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emi (秋田恵美)

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