バラ星雲はハテナがぐるぐる その1
5月ももうあとわずか。私の住んでいるエリアでは遅咲きの薔薇も咲き揃って、
薔薇の季節はフィナーレを迎えています。皆様のところではいかがですか。
さて、世界で一番大きな薔薇といえば、
それは漆黒の宇宙に咲く大輪の「バラ星雲」。
バラ星雲の写真を見ると、こんな真紅の
ベルベットのような花びらのバラをイメージしませんか?
バラ星雲を発見した人は、同じ赤い花でもカメリア(椿)とは名付けなかったのですね。
バラが好きだったのでしょうか。
1)バラ星雲は誰が発見したのか。
2)なにバラをイメージして名を付けたのか。
この2つが知りたくなりました
バラと一言でいっても花形は様々ですもの。
一重咲きのコンプリカータ。
ブラザーカドフィールのようなカップ咲き。
ガートルードジェキルのようなロゼット咲き・・・。
イメージは一番上の真紅のバラですが、
果たしてどうなんでしょう。
すぐにわかると思いました。
「天文学者00氏が00年に発見。00氏は星雲の姿をお気に入りの00というバラに重ね、バラ星雲と名付けた」
なんて感じでエピソードが出てくると考えていたのです。けれど・・・。
ガガーリンの「地球は青かった」のロシア語原文がすぐみつからないように、こちらもなかなかわからないのです。
まず、おさらいとして、バラ星雲の基本データを。
バラ星雲は、いっかくじゅう座にある散光星雲。
(いっかくじゅう座はオリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んでできる冬の大三角の中にあります)。
地球からの距離は約4600光年。(5000光年とも)。
NGCは2237~39、2246。中央には散開星団NGC224があります。
こんな風に書かれているものが一般的です。
発見者の名前などが記されている文献はみつけられませんでした。
ネットで調べていくと、〔1690年にジョン・フラムスティードJohn Flamsteedによって発見〕と書かれているものがありました。
ジョン・フラムスティードというのはグリニッジ天文台の初代天文台長を勤めたイギリスの天文学者です。
これを見て「あれ~」と思いました。
バラは年代では大きく2つに分けられます。
オールドローズとモダンローズ。その境は一般的には1867年といわれています。
この年に最初のハイブリットティの薔薇「ラ・フランス」が誕生し、
以後、剣弁高芯咲き(くるりんとした花びらがとがっていて、花の中央がひゅんと高くなっている)が特徴のモダンローズが次々誕生しました。
(この他に分類としては、原生種としてワイルドローズ。オールドローズとモダンローズの長所を受け継ぎ1969年に誕生したイングリッシュローズがあります)。
つまり、フラムスティードが生きたのはロゼット咲きやカップ咲きや平咲きが主流のオールドローズの時代。
私達がいわゆる薔薇の花束としてイメージするような上記の真紅の薔薇のような、剣弁高芯咲きの薔薇はたぶん知らないのです。
バラ星雲その2に続く
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