渋谷で天体観測
昨日の夜、しぶてんの観望会に行ってきました。
土星、シュワスマン・ワハマン第三彗星を天体望遠鏡で観せていただけるというものです。
残念ながら、もやがかかっていて彗星を見ることはできなかったのですが、
土星の姿をたっぷりと楽しませていただきました。
それから、天体望遠鏡を持参された方がご自身の望遠鏡のレンズに月を捕らえていて、
輝く月の表面、クレーターの影、地球照をみせてくださいました。
観望会がおこなわれたのは、渋谷駅から徒歩4~5分、
しぶてんがある桜が丘ケアコミュニティーの建物の屋上です。
天体望遠鏡を覗く列に並んでいるあいだ、みんな思い思いに夜空を眺めました。
隣にはセルリアンタワーがそびえ、高いビルがまわりを囲み、けっして満天の星空とは言えない空。
あたりまえです。渋谷の駅前です
(街灯りなどのため、日本でももっとも天体観測に向かない場所のひとつが渋谷駅前だとか)。
それでも、肉眼で空を眺めつづけていると、目が慣れてきていくつもの星が見えてきます。
北斗七星もアルクトゥールスも。
表通りでは、ビルの壁面の大型ビジョンの映像の光が空を照らし、
クラクションは鳴り、人々が目まぐるしく行きかっています。
待ち合わせでたたずんでいる人も空を見上げて星を探すなんてことはなく、携帯に目を落としてメールを打っています。
あそこにいる人たちが、こんな明るい渋谷のまっただなか、
わずか500メートルぐらい先に、天体望遠鏡で彗星がみえるかどうかわくわくしていたり、
土星の輪の姿に「綺麗」って声をあげている人がいることを知ったらびっくりするかしら、と思いました。
しぶてんの、星と一番縁の遠そうな渋谷の駅前だからこそ天体観測をするというのは意義深い活動だと思います。
光害のない郊外で見る1000個の流れ星と、
自分の家の近所でみる1つの流れ星って同じくらい価値があると思うんです。
一度、しし座流星群を、あえて東京の自宅の近所で眺めたことがあります。
栃木の山の中で見た友人とは比べものにならない少なさでした。
それでも、都内でこれだけ見られるの!という数の流れ星を見ることができました。
自分の家の近所で見る最大の魅力は、何度も思い出せるということ。
帰宅する途中、毎晩空を見上げながら、
「ああ、あの佐藤さんちの屋根の右上から駐車場の方へすーって流れたんだよなー」
「この電線の上を見上げた時にもう一個流れたなー」とか。
その時の感動を具体的に鮮明に思い出せる。
もし実際10個しか流れ星がみえなくてもそれを毎晩思い出せたら
100個みたのと同じくらい楽しめることになる!
彗星も、自分の日常の風景の中で体験できるのものであれば、
それが大自然の中で見るものよりスケールがちょっぴり劣るものだとしても、
遠出して立派な彗星を楽しむのと同じくらい価値がある気がします。
写真は観望会で眺めた土星です。
天体望遠鏡にカメラを据えつけたのではなく、
望遠鏡のレンズの先に私のちっちゃなデジカメを近づけて撮っただけなので、
鮮明ではないのですが。
こんなポップな形のものが空に浮かんでいるなんて不思議。
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