こせのりこコンサート
6月23日、こせのりこさんのコンサートに行ってきました。
場所は原宿・アコスタジオ。
「自然を奏でるアーティスト達との饗宴」というサブタイトルのもとに、
ピアノ:こせのりこ
ジャンベ:奈良大介
インディアンフルート:真砂秀朗
波の音小鳥のさえずりなどのネイチャーサウンド:ジョー奥田
という編成。
4つの音のコラボが興味深かったです。
トークでは、水面に夕陽の色が溶け、タール色になる海、夕暮れの波の音など、こせさんの原風景も語られました。
ジョー奥田さんによる波の音に包まれながら、「波間へ」という曲のピアノの調べを聴いていると、
映像スクリーンのないホールなのに海の風景が目の前に広がりました。
たぶん会場にいらした方一人一人が、ご自身の体験した夕暮れの海の風景を思い出し、
ホールの中に何十ものそれぞれの方の海の風景が広がっていたに違いありません。
自然音の力を感じました。
私が思い出したのは小さい頃、毎年、家族旅行で行った海。
夕暮れ、桟橋の足の下に感じる「たぷたぷ」という水の音。
水深があることを感じさせる「たぷたぷ」。
手すりから覗いても底が見えなくて、得体の知れない色で、でもその深さに引き込まれてしまいそうになったことを思い出しました。
ゆったりずしりとたゆとうこせさんのピアノ。
もし、こせさんがトロピカルな浜辺で育ったり、流れの速い浅瀬のせせらぎを聴いて過ごしていらしたら、
きっとまた違うピアノの調べになっていたのでしょうね。
そんなずしり系のピアノと、ズンズン大地の脈動を感じさせる奈良大介さんのジャンベとのセッションがすっごくかっこよかったでした。
奈良大介さんは奄美の島唄の朝崎郁恵さんとも演奏をされたりしている方なのですね。
ピアノとジャンベの組み合わせ、私、結構はまりそうです。
楽曲「ララバイ」もジャンベとの組みあわせでワイルドと動きが加わってまた新たな魅力を発見しました。
真砂さんのインディアンフルートも「アメージンググレース」etc.。
まろやかな音色で低いところを流れたり、高いところを舞ったり。
木の楽器が持つあたたかさを添えていました。
ピアノは西洋、ジャンベはアフリカ。インディアンフルートは北アメリカ大陸、なのに奏でられる調べが、
日本のゆかしい和の情緒を醸し出すことも面白かったです。
それと、ライブ中ひそかな悦楽をみつけてしまいました。
ステージ上の黒いグランドピアノにジャンベを叩く奈良さんの手が映っていたのです。
グランドピアノのカーブを描く壁面に。まるで鏡を置いて線対称に図形が映るように手が4つ。
音に合わせて動くその手は、まるで翼を広げた鳥に見えたり、幻想的でシュールなグラフィックになっていたのです。
ドラマ「トリック」のエンディング映像を思い出しました。
画面の中央に鏡のような仕切りがあって、そこから伸びるダンサーの手が左右線対称に映って、
翼を広げた鳥のようにみえたりしたシュールなエンディング。
まさにあんな感じでロールシャッハテストにように幻想的にグランドピアノに映っていたのです。
ライブ2部最後はピアノソロの「多謝」。
賛美歌のように美しい和音、障子越しの光のようにおだやかな明るさと清らかさ。
心があらわれました。この曲の余韻が今でも残っています。
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こんばんは!
昨日は行かれずにすいませんでした。
でも、書き込みを読んで、なんだかすごくおだやかで、やわらかい雰囲気が文章から伝わってきました。
ほかのアーティストとのコラボレートもいいですね!
投稿: やなもと | 2006年6月25日 (日) 23:29
やなもとさん。コンサートよかったですよ。次の機会にぜひ!
投稿: emi | 2006年6月26日 (月) 22:36