花実さんライブ/美しい心象風景を堪能
イベント三昧の毎日を送っています。
25日は、花実さんのライブ「水の中のティルナノグ」で吉祥寺MAND-LA2へ。
編成は 花実:ボーカル
ツルノリヒロ:ヴァイオリン、キーボードetc.
古川昌義:ギター
おーいしとものり:パーカッション
ゲスト 安井マリ:tin wistle(アイリッシュの笛)
ライブ、すごくよかったです。
歌声は輝きがさらに増していました。透明感ある声質の人って多いけれど、ただきれいなだけで心が引き込まれない声の人もいます。
けれど、花実さんの歌声には、「透明感」で終わらない「儚さ」や「かなしさ」や「一筋の祈り」さまざまなニュアンスがあるからでしょうか。
ぐっと引き寄せられます。映画館の暗闇の中、後ろの映写室からスクリーンへむかって伸びる一筋の青い光のイメージ。
太陽の光というよりも、月光のような光を放っている声。
なまなましい人間の声というよりも、天使の領域・天女の領域の声が空間を飛翔するのを堪能しました。
その歌声をしっかりと支える都留さん、古河さん、おーいしさん、安井さんの音のバランスもすごくよくて、
花実さんのボーカルの魅力をたっぷりと味えるよう丁寧に構築されているのだろうなと、息が合う仲間の素晴らしさも感じさせられました。
また、花実さんは妖精の国から人間界に遣わされた「妖精隊長」であると確信。
きっと江原啓之さんがこのライブの会場にいらしたら、
彼女のまわりにたくさんのフェアリーが舞っているのが見えたことでしょう。
花実さんの詩の世界は生々しい日常が歌われるというよりも心象風景や、妖精の世界を思わせるファンタジックな世界。
それでも「絵空事」にはなっていません。
たとえば、1曲目はStill Waterという曲でしたが、
「ほんとうにきれいなものだけここにあつめたから なにもみえない世界ができあがった」
という歌詞からはじまるんです。
いつも、この歌詞にぞくぞくします。抽象的ですよね。
「鍋」だの「本棚」だのといった具体的な物体が思い描けない。
なのに、花実さんがこの詩を歌うと、なんともいえない美しい色合いの霧のようなものが頭の中に広がって、すごく気持いいんです。
ファンタジックな世界、抽象的な詩の世界でも「絵空事」にならず、
聴いている人にシーンを思い浮かべさせることができるのってすごいなと思います。
それは、花実さんが現実からの逃避で綺麗な世界を歌うのではなくて、
過酷な出来事さえも直視した上で希望や理想の世界を歌おうとしているからではないかと推測。
以前、花実さんはライブで
「私の歌の世界が綺麗事とおっしゃる方もいますが、
まがりなりにも表現者として人様の前に立たせていただく仕事であるのなら、
美しいと思えることに目を向けてそれを歌っていきたい、綺麗事を表現していきたいと思います」
というようなことを語られたことがありました。
花実さんのライブは歌は<リリカル>、トークは<ほのぼの&ほんの少し吉元興行系笑い入ってます>なのですが、
この言葉を語られた時、覚悟と気迫を感じました。
だから、透明感に凄みがまして、私たちを美しい心象風景にがっつりと連れていってくれるんですね。
歌も、ひりひりするような想いが歌われたり、
闇を切り開き、聴く者の手をしっかり握って光の世界へ連れていくような力強さを感じさせる曲もあったり。
さらなる境地を感じさせられました。
そして、歌う花実さんの姿に「いつくしむ」という心がけの大切さを感じました。
演奏でサポートしてくれるまわりの方や来場者への感謝、そして自分自身の身体や声への感謝がはしばしから伝わってきます。
これからも活動を追っていきたいアーティストのひとりです。
それと、声は磨けば光ると実感。
もちろん花実さんのピュアな澄んだ歌声は天性や精進やピュアな心のたまものなのでしょうけれど。
私は歌ったり、多くの人の前で語るような仕事ではないけれど、
もしトレーニングで声を少しでも天使の領域に近づけることができるのであれば素敵。
ボイストレーニングを受けたくなりましたっ。
通常、ブログで歌詞掲載はNGですが Still Waterの詩は花実さんのOK済みです。
画像は花実さんの声のイメージのパステルを並べてみました。
夜明けのミストとオールドローズのイメージ。
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