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2006年9月18日 (月)

星空に包まれる楽しさ 町田市立博物館

Mashidahakuburukan 夏の終わりの星めぐりで特に印象に残った第二弾は8月31日まで東京・町田市立博物館で開催されていた「星空にあこがれて プラネタリウムと天体望遠鏡」(企画 五藤光学研究所)です。
移動式のプラネタリウムを使った星の投影&生解説を東急まちだスターホールの解説員の方々も担当されるというのでそれを目当てで訪ねました。

町田駅からバスに乗り、緑豊かな小旅行気分を味わいながら、博物館にいくと、数々の天文関係の資料が並ぶ展示室の中にエアードームがいました。

濃いブルーに彩られたお洒落なドームは直径が6メートル。高さは約3.5メートル。開閉は8月23日に体験した二重扉のメガスターとは違います。膨らんでいるドームの一箇所に小さな縦穴(細胞の気孔のようなかんじ)がマジックテープのようなもので閉じられています。それを入退場の時にスタッフが左右にパッフンと開閉。お客様が身をかがめて出入りします(動物の口から体内に入るみたいにワクワク)。

エアードームの真ん中には五藤光学製のプラネタリウムが(プラネタリウムというのは施設の名前ではなくて、この星を映し出す機器そのものをプラネタリウムというのです)。定員は30名。椅子はなく、中央のプラネタリウムと解説員の方を囲み一重の輪になって30人がフロアーに体育座り。反対側の方の顔も見える近さです。「この感覚を昔味わったことある。なんだっけ」と思ったら「ハンカチ落とし」でした。みんなで輪になって座り、鬼が輪の後ろをぐるぐる回ってハンカチを落とすという。
「包まれる」感覚のパオのようなドーム。
ハンカチ落としを思い出したせいか、一層アットホームな気分になりました。

13:30と14:30の回を体験。それぞれ、スターホールの福永則子さんと永田美絵さんの解説。お二人のこのプラネタリウムの特長を生かした解説を堪能しました。
一通りプラネタリウムのことを話された導入のあと「目をつぶって、5数えたらあけてください」としてドーム内を一気に暗闇に。目をあけたとたん広がる満天の星空に、「わー」と子供達の歓声が上がりました。
今までプラネタリウムで星空が現われる瞬間を何度も見てきましたが、このドームが一番歓声が上がったかも。たぶん、星空があって当たり前のプラネタリウムではなくて、博物館の一角という意外性もあるのでしょう。自分のすぐ上が、体育座りの背中のすぐ後ろも星空。さっきまでテントのような膜だったのにと、誰もが一気に魔法にかけられて別世界へ。それから20分という時間の中で夏の星空を中心にいろんな星のお話が繰り広げられました。

すごいなと思ったのが、いつもははんなりした雰囲気の語りを楽しませていただいていた福永さんが「おねえさんとして語る」というより、声も話し方もちょっぴりボーイッシュ、「上級生の男の子が話しかける」ぐらいの元気でカジュアルな語りかけで子供達の元気な反応を引き出し、20分間ぐいぐいひきつけていらしたこと。子供たちがいっぱいの回でした。あらゆる状況、テイストの番組の生解説をされてきた「場数」を感じました。
冥王星のことも「格下げ」ではなく「グループ変えになっただけなんですよ」と語られるところに天文に対する深い思いを感じました。
いて座の星々をティーポットに見立てることはアメリカなどでされているようなのですが、さらに蠍座の星々をティーカップに、夏の大三角をカットしたケーキにみたて、星を想像で結んで絵を描く楽しさを存分に伝えてくれました。

永田美絵さんも小さなお子様からご年配のスターホール常連の方までさまざまな方が集う回でみんなを惹きつけていらっしゃいました。ドームのすぐ外は展示物を眺めている来館者が歩いているという日常の中で、しっとりしとした声でおごそかな非日常空間を作り出されていました。
お客様の距離が近いことを活かし、「北斗七星わかりますか」と語りかけて「あそこー」という子供の声があがると、その子にポインターを渡し、「じゃあ、みんなに示してみましょうか」。女の子はうれしそうな声で北斗七星を指します(ポインターの扱いに慣れていないので、永田さんがそっと手を介添え)。その子が指し終えると、永田さんの「みんなで拍手しましょう」声にみんなで拍手。お客様を上手に引き入れ一体感を楽しませてくれました。星を示したお子さんたちもきっと思い出に残るでしょう。
白鳥座の解説で「デネブはおしり」と触れると笑いが起きるとうかがっていましたが、やっぱり子供たちは笑っていました。

このプラネタリウム、あえてメガスターとくらべると星はシンプルです。ベガも青くなく、アンタレスも赤くありません。ですが、「日周」で星が動きますし、装置には緯度、日周、恒星、昼光、青光のダイヤルあり。
懐中電灯のようなものを空に向ける形で星座絵も投影できます。
そして小型のドームだからこそ星空に包まれるという感覚は一番体験できるかも。
輪になって座るのではなく、定員10人ぐらいで放射状にねそべって星空を眺めるリラックス系プログラムもあったらいいなあなんて思いました。

長くなりましたが最後に展覧会についても少し。
プラネタリウムの歴史や、投影機の進化などの変遷も「特別企画野尻抱影の世界」も興味深かったです。野尻氏がプルートーの日本名に冥王星を提案した雑誌「科学画報」もありました。野尻氏は名前の候補に「幽王星」も挙げていて、こちらには「遠く幽かな」という意味を込めていらしたのですよね。「星の文人」と称されるのがわかります。

一角には星の配置を描いた葉書サイズの紙が用意され、その星の点を自由に結ぶお絵描きコーナーがありました。子供たちによる作品が展示されていましたが、アイスクリーム座、ロボット座、くわがた座・・・最高でした!
大人による88星座と別に、世界の子供が星を線で結んで自由に作った「子供による星座バージョン」も認定したら夜空を眺めるのがもっと楽しくなるかもしれません。

星やプラネタリウムINDEXはこちら

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
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