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2006年11月 7日 (火)

浅田真央のショートプログラムにうっとり

フィギュアスケートのグランプリシリーズがはじまりましたね。
一昨日スケート・カナダを見終わったところですが、
その前の初戦スケートアメリカで感動したことをファンの贔屓目、ではありますが書かせていただきます。

スケアメでは、浅田真央のショートプログラムと安藤美姫の復活に心打たれました。

7月にドリームオンアイスを一緒に見にいったフィギュアスケートマニアさんともメール交換したのですが、
マニアさんからの
<浅田真央のショートは次元が違った。安藤美姫の復活は7月のドリームオンアイスで復調を感じたとおりだった>
というメールを拝見して、
「同感、同感、大同感」とパソコンに向かって頭をぶんぶん、縦に振ってうなづいたのでした。

浅田真央のショートプログラム。魅了されました。
実は、ノクターンってただ美しい系の曲という印象で、
これまで心にぐっときたことのない曲だったのです。
このショパンのノクターンを生まれてはじめて、こんなにいい曲だったんだーと感じました。
<曲に乗って滑る>というよりも、まるでピアニストの指がキーを叩くように、
浅田真央の<一挙手一投足がこのピアノを奏でている>んじゃないか、
というくらい曲と動きが一体になっていましたよね。

確かに次元を超えていたと思います。
ジャンプが成功するとかしないとか、難易度いくつの技をいくつという競技としてだけではなくて、
「何か」を表現しようとしていました。
もちろんすべてのスケーターが何かを表現しているわけですが、
浅田真央が表現しようとしていたその何かって、ものすごく崇高な抽象的な何か。
(って勝手に想像しているだけですが)。
一時期、村主章枝がアヴェマリアや清らかな曲で、
「よろこびを表現したい、希望を、光を表現したい」と志を語っていたと思うのですが、
それに近い空気感を漂わせていました。

このショートは名プログラムですね。
すべての動きがなめらかになって、エレメント以外のところのしぐさにも工夫があって、
プログラムが終わった時の手の広げ方、目線にも気を配られていました。
片足を腰のあたりでくの字のようにして、
片手を上に伸ばしてというバレエの回転を思わせるフォームでのスピン他、
いくつもバレリーナを思わせる振り付けもよかったです。

いくらショートプログラムは短いとはいえ、
メリハリが少ないドラマティックでない曲で滑りながら惹きつけるのって難しいことだと思うのです。
でも、ストレートラインステップではノクターンの曲でありながら、力強さを感じさせました。
力強さといってもぶんぶん腕を振りまわすというのではなくなめらかで曲調と違和感のない力強さ。
ものすごく計算されたプログラムなのかなと思います。
めりはりが少ない端正な曲で挑むといえば、
ソルトレイクシティ五輪でのロシアのペア、ベレズナヤ&シハルリトゼを思い出させます。
彼女たちはタイスの瞑想曲で滑ったのでしたね。
タイスの瞑想曲や浅田真央のノクターン。
穏やかな曲だからこそ、静かなメロディーに合わせて、エッジがなめらかにすーぅと滑ると
、それが心の奥にすぅーと入っていくのかなと思います。
それが、<静かな曲で滑ったのに惹きつけ続ける>ことにつながるのでしょう。

ピンクをあしらったコスチュームで手を宙に伸ばす、
よろこびをかんじさせる、美しいフォームでスパイラルを滑る、
ひらひらなびくコスチュームで風を感じさせる。
浅田真央自身が滑っている時に感じる心地よい風や、うっとりとした気持ちが伝わってくるようでした。
たくさんの観客やジャッジの目の中で滑りながら違う景色の中で滑っている、
その世界に誘われた気がしました。

よく「天性の華がある」という表現がありますが、
浅田真央には「天性の善がある」気がします。
見る者の心を「よきこと。よろこばしいこと」に向けてさせてしまうようなそんな魅力が。

フリーも、失敗はあったけど振付の随所にセンスが見られましたし、それをこなせていました。
曲はチャルダッシュだけど、黒と赤のコントラストのコスチュームで踊るところは
バレエの「ドンキホーテ」のキトリを思わせますね。
片手をくの字にして腰にあて、片手は上に、そしてピッと動作をとめる、
みたいなシーンも何箇所かあったと思うのですが、その辺もバレエを意識しているのかなあと。

浅田真央はまだ16歳。
ジャンプは申し分のない才能があり、
すでにジャンプを失敗しても観客を魅了する滑りをできている彼女が、
このまま経験を積んでいけば、村主章枝のように悲哀をも含めた情感を身につけ、
太田由希奈のような優雅さと表現力をマスターできる日は近いのかも、とさらなる可能性を感じました。

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フィギュアスケート」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。はじめて書き込みさせていただきます。
文章のやわらかさから、人柄の優しさがにじみ出てくるような心地よいブログですね。浅田真央選手を表現された箇所があまりにも同感!で思わずコメントをさせていただきました。本当に彼女の魅力はすごいですが、彼女をみて「自分もがんばろう」「自分ももっとがんばりたい」と思わせてしまうところはもっとすごいと思います。
これからも楽しみに拝見します。

G@そんな気分のYGDさん。はじめました。
早速ブログも拝見させていただきました。
フィギュアスケートにまつわるいろんなことを書かれていてとても興味深いです。
太田由希奈の情報も教えていただきありがとうございます。

浅田真央ちゃんについて書いたことを同感!って言っていただきうれしいです。
彼女が「がんばんなさい」とか声たかだかに言うわけではないのに、彼女自身ががんばっている姿が、がんばろうって気持ちをみんなに伝染させる。ほんと、すごいことですよね。
私の方は3月の世界フィギュア以降ちょっとファイギュアに関して書くタイミングを逃してしまっていますが、また少しずつ書いていこうと思っています。これからもどうぞ訪ねていらしていただけますように。
私も訪ねさせていただきますね。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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