威厳を放つシャーマン像
ロシアのブリヤート人彫刻家ダシ・ナムダコフについてカテゴリーを設けながら、
だいぶ月日が経ってしまいました。
私は2003年にモスクワを訪ねた時に、
ナムダコフの展覧会に行って一目ぼれしてしまいました。
『モスクワの家族』と慕っているファミリーがいるのですが、
この一家はタタールの血を引くロシア人で、
ロシア正教信者ではなくブディストなのです。
それで、アジアの芸術や文化に興味を持っている彼らが、
「仏像に通じるエッセンスがあるからぜひ」と誘ってくれたのが
ダシ・ナムダコフの展覧会でした。
モスクワのギャラリーから取り寄せたカタログとカレンダー
その作品は、シャーマンを題材にしたものもありますし、非常にミステリアス。
独特の雰囲気がナムダコフの彫刻にはあります。
真珠の精、という作品はなだらかでなめらかな肩のラインや顔立ちなど、弥勒菩薩を連想させます。
戦士や動物などを描いた作品も威厳があります。
ほっとさせる作品というのとは正反対、空気が彫刻一つ一つに向かって圧縮濃密になってゆくかんじ。
向かい合っているといずまいを正せられるようなぴしっとした、
あるいはびりびり電気が伝わってくるような気配を感じます。
その作品をご覧いただける場所はないかなあと思っていたのですが、
英語で書かれて、画像が多く掲載されているいいHPをみつけました。
Hay Hill Gallery というロンドンのギャラリーのHPです。
ロシア他の現代アートを扱うギャラリーのようですね。
ナムダコフのページはこちらになります。
ttp://www.hayhill.com/docs/namdakov.html
「press」をクリックすると、ナムダコフがプーチン大統領と並んでいる写真もあります。
非常に日本人と近い顔立ち(といいますか近所にいそう)であることがおかわりいただけるでしょう。
法隆寺の釈迦三尊像は、顔がわりと面長でふっくらしておらず硬いイメージがありますが、
ナムダコフの顔はこの仏像のイメージも。
「sculpture」をクリックすると、「pearl」。
真珠の精の姿もあります。
タイなどの仏像にも通ずるようなcocoonも素敵。
彫刻作品には馬の毛なども使っているそうです。
不思議な曲線やフォルムが、エイリアンをデザインしたギーガーのテイストにも通じるような気が。
ちょっとぞくっとくるような摩訶不思議さが好きな人にはたまらないと思います。
ナムダコフの作品は日本でも所蔵されている人がいるとか。うらやましいです。
ダシ・ナムダコフ一覧はこちら
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