キム・ヨナ---浅田真央と対をなす逸材
フィギュアスケートのグランプリシリーズ。韓国の16歳、キム・ヨナに魅了されています。
キムヨナはスケカナとフランス大会を見たのですが素晴らしいですね。
16歳なのに、あの雰囲気と表現力。
イナバウアーから間髪入れずにダブルアクセル。ジャンプの正確さ。
ジャンプを飛んだ後の流れの美しさ。ジャンプの卓越した才能があるから組めるのでしょうが、
すきがないプログラムをこなしています。
ジャンプや様々な技だけでも抜きん出ているのに、表現力も16歳にして素晴らしいですね。
彼女の足元をまったく見ずに上半身、手の動きを見ているだけで芸術を感じます。
いつも手がなめらかに空間を撫でてゆきます。
それはもちろん「振付」なのでしょうが、振付っていう言葉よりも「しぐさ」という言葉がしっくりきます。
キム・ヨナの内側からの、心の発露がそのまま形になっているような動き。
フラダンスはいろんな思いや物を「手の動きと型」で表現していると言われますが、
それに通じるようなものを感じます。音楽。振付。
コスチューム、すべてがキム・ヨナの魅力を引き出していますよね。
とくに今期のフリープログラムの「あけひばり」。
たしかイギリスの作曲家による曲ということでしたが、あれを選んだ人のセンスに脱帽。
ょっと東洋的で可憐な曲。はかなさと憂いがあるキム・ヨナがアイスブルーのコスチュームで滑ると、
雪原の上を舞う一羽の小鳥みたい。
馴染みのあるメロディーではないのに、彼女の舞いの一つ一つと調べが合っていて最後まで釘付け。
ところで、宿命のライバルという言葉がありますが、まさに浅田真央とキムヨナは宿命のライバルですね。
同い年で誕生日もわりと近く、ジュニア時代にともに表彰台の真ん中を競っていたことも。
ツインソウル(魂の双子)という言葉が恋愛などにおいて使われますが、
宿命のライバルもツインソウルと言えるのかもしれません。
きゃしゃでどことなく似た雰囲気がありながら、憂い系のキム・ヨナとふんわり系の浅田真央は陰と陽。
まさに運命的な対ですよね。
今期のコスチュームにも二人の「対」ぶりが現われています。
浅田真央もキム・ヨナも申し合わせたように黒と赤のジプシー娘のようなコスチュームを使用
(浅田はフリーで、キムヨナはショートで)。
そして、浅田はショートではピンク色が基調。
キム・ヨナはフリーで水色を基調。ほんわかさと、クールさがこんな色使いにも反映されています。
宿命の天才少女、浅田真央とキムヨナに、美内すずえの名作『ガラスの仮面』の北島マヤと姫川亜弓を重ねてしまうのは私だけでしょうか。
今日、テレビで放映されたフランス大会のEXも素晴らしかったですね。
キム・ヨナがEXで初めてみせる暖色系のコスチューム。胸元に手を重ねる。
その手を開く。羽のように手を空中になびかせる。
かろやかだけど16才らしからぬ凄みを感じさせます。
これからしばらく、天才少女二人の対決が楽しみです。
スランプや挫折は一回り大きくなるチャンスなので必要なときに味わってほしいものですが、
怪我だけはできるかぎり経験しないでほしいですよね。すべてのスケーターにいえることですが。
(追記2006.11.25)
キム・ヨナのフリーの楽曲をきちんときいてみたくなって調べてみたらあけひばり(朱雲雀)ではなくて、
あげひばり(揚げひばり)だったのですね。
作曲家はイギリスのヴォーン・ウィリアムズ(Vaughan Williams)。
揚げひばりはThe Lark Ascending。
ネットで調べたら、いろんな方が牧歌的なこの曲をお気に入りとあげていていました。
キムヨナがフリーに使わなかったら、私は知らないままだったかも。
まだまだ世の中には出会っていないだけの名曲がいっぱいあるのですね。
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恵美さん こんばんは
はじめてお便りします。実は私 先日の女子フィギィアの世界選手権を見て、すっかりキムヨナに魅せられてしまいました。ショートプログラムでの彼女の際立って美しい そして妖艶な舞にくぎづけになってしまったのです。もちろんフリーの演技もです。恵美さんのブログを拝見するまで、韓国の人の作曲かなと思ってました。どことなく東洋的ですものね。でも、なんて牧歌的で、美しい曲なんでしょう。まさに、かぐわしい春の朝のあげひばりそのものですね。
それにしても、キムヨナはとても16歳とは思えません。落ち着いた神秘的な少女ですね。そして芯はすごく強そうです。今まで、彼女は真央ちゃんをおびやかす最強のライバルと言う位にしか知らなかったのですが、彼女と真央ちゃんこそ女子フィギィア界の至宝です。これからは応援していきます。そして、早く腰痛を完治してあのすばらしい舞をもっと見たいものです。
投稿: ゆう | 2007年3月27日 (火) 21:32
ゆうさん。はじめまして。こんばんは。コメントありがとうございます。
浅田真央ちゃん他の選手ももちろん素晴らしかったですがキムヨナ、魅せられましたね~。
妖艶な舞に釘付けになられたのですね。
あの楽曲は東洋的でキムヨナにぴったりの名プログラムにしあがってますよね。
世界フィギュア。観客たちが固唾を飲むものすごい緊張感の中で滑っているはずなのに、すぐ自分の世界に没頭しているところが素敵ですよね。
真央ちゃんのライバルといわれるキムヨナが素晴らしいということは、その韓国の至宝とひけをとらずに真央ちゃんも素晴らしいということですものね。
これから何年も互いに競いあって磨いていってほしいですね。
投稿: emi | 2007年3月27日 (火) 21:50
はじめまして キム.ヨナ17歳の思い出 2007年.12月フィギュアグランプリ トリノ.パラベーラ競技場 キムヨナ金/エキシビジョンの演技はダンサブルでした
曲:ジャスト.ア.ガール/ノーダウト
髪はポニーテール衣装はマゼンタ色(赤紫)のパンツにキラキラのスパールコールTシャツのラフでした アップテンポのダンスはロックテーストで軽快でシャープ キムヨナのリンク姿は無重力のようにフレアでした BD化していますので時に再生します
この時浅田真央は銀でしたエキシビジョンのテーマ曲:So Deep Is The Nightブルーのコスチュームで髪を下ろして氷床を滑るポージングは耽美の一言でした
2010.1月29日四大陸女子真央フリーは金メダル獲得テーマ曲:鐘/ラフマニノフ/赤と黒のバイカラー鳥をイメージしたビビットでした 4分間の自分との闘いは頂点となり真央スマイルは能面的美少女を見た思いです
女子のファッションのスタイリングが凄いカッコいいです色彩やデテールの拘りコンセプトは美事です ドールアニメ風だが彼女たちには戦闘服ですからカワイイアーマーと賛美したいです
投稿: みちは | 2010年1月30日 (土) 21:35
みちはさん。はじめまして。キムヨナと浅田真央のことを書いてくださってありがとうございます。コスチュームの色を含めての描写に当時のプログラムを見た時のことを鮮やかに思い出しました。浅田のSo Deep Is The Night 素晴らしかったです。おっしゃるように「耽美」をかんじました。
先月の四大陸もご覧になっているのですね。
五輪でも4分間の戦いのあとのEX。どの選手もメダルの色がなんであれ、晴れやかな気持ちで滑ることができるようにと願っています。
投稿: emi | 2010年2月 7日 (日) 17:46