平安貴族の生き方を語り固定観念を変える大塚ひかりさん
19歳以降の私の固定観念を一番変えてくれた人、
そして今なお、変えつづけてくれる人というと古典文学研究家の大塚ひかりさん。
学生時代に民俗学のサークルで出会ってからの縁が続いています。
大塚さんは、源氏物語をはじめとする様々な古典文学や古典作品を通じて感じられる当時の人々の考え方生き方を研究。
独自の視点で綴っている作家です。
平成の世になった時に「平成は平安だ」と語っていらしてその視点になるほど!と思ったのですが、
枠に囚われない発想と洞察力をいつも感じます。
不思議なのは、まるで毎日平安時代の宮中で宮仕えをし、
貴族たちをみているかのように、血の通った人間として彼らの生き様を語られること。
友達とおしゃべりする時「うちの会社にはこんな人がいてね」
って友達の上司や同僚の話を聞くことってありますよね。
あんな感じですごくいきいきと紫式部や、源氏物語に出てくる藤壺他の登場人物のことをお話されるのです。
だからこそ説得力があるのでしょう。
私自身を振り返って思うには、20代って恋愛や社会での人との接し方に一番戸惑ったり悩んだりする洗礼を受ける時期。
「こう考えるのがあたりまえ」「こういうことをしていはいけない」と学校で習ったことが通用しない。
誰もが共通の倫理観を持っているわけでない、違うものさしを持っている人がいることを身にしみて感じる時期。
倫理観やルールが違う人と折り合いをつけなければいけないことを学ばされる20代。
私もいくつもの戸惑いを経験しながら、折々、大塚さんの考え方に触れるのですが目からうろこのものばかりでした。
一番わかりやすい『恋愛・家族』でいえば、平安時代は通い婚。
一対一の関係ではないし、父とか夫とかの立場も今とは違うんですよね。
「昔は父親の立場は強かったのに今は」なんてテレビで語る人もいますけれど、
この「昔」は明治時代ぐらいのことで、もっと前にさかのぼれば女系だったわけです。
そう考えると、簡単には「昔は」なんてステレオタイプの言い方はできなくなるなあと思います。
今あるルールは、みんなにとって具合がいいようになおされてきたルールだから意味はもちろんあるのだけど、
本当に正しい最善のルールとは限らない。
今、正しいと言われていることをなぜ正しいとされるのか疑問に思ってみる。
今、正しくないとされていることを古今東西正しくされていない、ことだったのか思いを馳せてみる。
そんなことを大塚さんが伝える古典研究の本から教わった気がします。
著書の数々を拝読すると、平安貴族って香りや目に見えないことをリアルに感じているようで、
ものすごく直観的本能的だったんだなという印象です。
平成になってアロマやスピリチュアルなことがあたりまえに日常に浸透してきたのをみると、
「平成は平安」はこんなところからも確かに感じられます。
大塚さんの本を読んでもう一つ感じることは、彼女自身にタブーがないということ。
《もがいたりする弱い自分もみせられる》ということ。
歯の治療のことでいろいろ悩んだこともこの11月に本にされています。
「私はものすごくポジティブ。いいことを考えている次元の高い人間なんです」
と言いたがる人もいる中で、彼女は転んだりもがいたりする姿をさらけだしています。今までのご自身の失恋や、恋愛、心療的なことも。
それだけではく、下ネタ系、同じ下でも糞系のことなども書かれています。
それもあっけらかんと。
「こんなことを書くと私は卑しいと思われない」か、
なんていう怖れからたぶん超越しているのでしょう。
確かに大塚さんがどんなに過激なことを書かれても、
私自身が彼女に感じる、ノーブルという印象は変わることがありません。
私はまだこのへんの「たが」みたいなものが捨てきれていないのですが、
『綺麗事を語らず、いろいろもがいている生き様を打ち明けても、どろどろにはならない』
という実例を間近で見させていただいて、ものすごく安心させられるのです。
そして、弱い自分をさらけだして傷つくことを恐れない、その姿に真の強さも感じるのです。
自分のものさしと世の中のものさしが違っていてそれに戸惑っている人、
特に恋愛において直面している人。
大塚ひかりさんの本から平安時代の人々の感覚に触れてみてはいかがでしょうか。
彼らの生き様はこの現代にあてはめるわけにはいかないかもしれないけれど、
事態を俯瞰的に見られたり、何かが変わったりするかもしれません。
私は最近あらためて「オバサン論 オバの復権をめざして」を読みました。
大塚さんご自身の体験、古典にでてくるたくさんのオバ像から漫画の主人公猫村さんまで
さまざまな「オバ」を取りあげ語られるオバサン論。
なるほど!です。私は猫村さんが自分の理想像の一つであると発見しました。
「聖叔母になりたい」に続く。
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初めまして茶太郎と言います。
「世の中、オバの時代なんです。」とのお説大変共感しました!
僕も「斜め上のおじさん」めざして頑張ろうと思います。
投稿: 茶太郎 | 2007年1月21日 (日) 22:51
茶太郎さん。はじめまして。
たのもしいお言葉です。
ぜひ、お互い、斜め上で、ちょっとあこがれの存在として輝きましょう。
投稿: emi | 2007年1月21日 (日) 23:07
平安貴族の生き方を語り固定観念を変える大塚ひかりさん
なるほど!、この一言に尽きますね。
しかしどうして古典に興味があって、どうして歯についての
本を出さなきゃいけなくなったのか・・・。
ネットは便利ですね。
探したら出てくるんですから。
http://www.birthday-energy.co.jp
もともとそっちに目が向く宿命で、他の方向に目が
行かないそうです。
歯の件は、ちょっと親孝行の方法が・・・だったそう。
なんだかオモシロイ人ですね。
投稿: パオチ | 2012年8月13日 (月) 21:38
パオチさん。はじめまして。
私自身、興味のある出来事A、B、C・・・が互いにつながりがないものだったりするので、大塚ひかりさんが古典に傾倒しながら、まったく違う出来事に関心を持ち、はいりこんでしまうところにとても、人間ってそうだよねという興味と共感を感じております。
投稿: emi | 2012年8月13日 (月) 23:37