ガガーリン55 来日その5 ガガーリンの”高い高い”
ガガーリンが登場した日本のテレビ番組で彼の素顔を一番見ることができたのが、
1962年5月22日放映の高橋圭三ショーではないかと思います(といっても視聴したわけではないのであくまでも私の推測)
どんな番組だったのかは、予定表ですと、
20時30分~21時15分「圭三ショー」ガガーリン歓迎プログラム。
ガガーリン少佐と糸川英夫、村山雅美、日本学生航空連盟関東支部代表大橋哲郎が話し合う。
東京混声合唱団が「あなたが最初だ」というガガーリンに捧げる歌を歌う。
となっている番組ですが、翌日5月23日の毎日新聞にこの番組についての記事があります。
見出しは「赤ん坊に“高い 高い”」
ガガーリンが赤ちゃんを抱き上げに微笑んでいる写真が
「TBSテレビに特別出演し、相手役の赤ちゃんを抱きあげるガガーリン少佐」
というキャプションとともに掲載されています。にこやかな表情のいい写真です。
スタジオにはガガーリンが人類初の宇宙有人飛行をおこなった1961年4月12日に生まれた赤ちゃんとおかあさんもいたのです。
毎日新聞では実名で報道されていますが、このブログではMさんとしておきます。新聞ではガガーリンが
Mさんの赤ちゃんを抱き上げ、
「私が偉大な仕事をしている間に、あなたのお母さんも偉大な仕事をなしとげた」
と“高い、高い”をしてあやしていた
と書かれています。
ガガーリンには二人の娘の父親でもあります。
この来日当時、長女レーナちゃんは2歳になったところ、次女のガーリャちゃんは1歳ちょっと。
だから赤ちゃんのあやし方は心得ていたのですね。
5月30日のアカハタにはこの番組を観た人の感想を引用したコラムが掲載されています。
番組の放映内容が詳しくわかるものなのでご紹介します。
この番組を見た人はまず「ガガーリンはソ連人のイメージと違ってきさくな人柄のようだ」と思ったそうです。
少佐に人形を贈った老婦人。
かれが地上に降りた時間に生まれた子供とお母さん、日本で最初の飛行士徳川氏の夫人、
映画「地球は青かった」の編集者グループの糸川博士など、たくさんの人々と話しあった。
(私emiによる中略)子供を抱きあげてはほおずりし、老夫人の人形制作の労をねぎらい、
日本で初めての飛行士にたいする態度、少年達を激励する話、すべて見る人の胸をうった。
この番組はたぶん生放送です。
たとえばガガーリンに対して、赤ちゃんをだっこしてくれというような事前打ち合わせはなく、
ガガーリンの素の行動だったようです。
こういう内容だったということを知ると、この番組をもう一度みてみたくなりますよね。
(ガガーリンの人柄については多くのマスコミも先入観とはだいぶかけ離れていたらしく、
新聞記事のはしばしにそれがうかがえます)
ガガーリンが自分の著書「ダローガ・フ・コスモス(宇宙への道の意味)」の中で
日本での滞在についてページを割いて触れ、
テレビ出演、とりわけ高橋圭三ショーについてこまかに書いています。
その部分を次回のガガーリン56で訳してみます。
ガガーリン来日その4はこちら その6はこちら
ガガーリンINDEXはこちら
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