震える星のような---コストナーの曲
街は聖歌が似合う季節になりましたが、
凍てつく空で震える星のようなせつない1曲を今日はご紹介。
それはイタリアのフィギュアスケーター、カロリーナ・コストナーが
2004-2005シーズンのショートプログラムで使用した曲。
映画『country』のサウンドトラックの1曲です。
オフィシャルサイトをみると、ジョージ・ウィンストンの名前がでていますが、
チャールズ・グロス( Charles Gross)の名で表記されているところが多いですね。
レーベルはウインダムヒル(Windham hill)。
さて、この音楽でコストナーの滑り出しを初めて見た時、鳥肌が立ちました。
静かにせつないメロディーではじまります。
少しずつ楽器が加わり、テンポが速まっていくのですが、その調べに合わせ、最初のジャンプを飛ぶまで25秒間、踊って滑るだけ。
ところがぞくぞくするくらいひきこまれるのです<せつない疾走感>が私の好きな音楽の一つなのですが、
最初にこの曲を聴いた瞬間からこれは、せつない疾走感系の曲だ!とわかりました。
コストナーのこのショートプログラムは名プログラム。
まったく休みがない振付で、どんな一瞬も「踊れている」ですよね。
両手が同じポーズをしている時も両脚が同じポーズをしていることもほとんどなくて、
すべてのステップが凝っているからエッジもいろんな軌跡を描いてそれも綺麗。
スパイラルで脚をあげた後のおろし方、スピンでまわる時、手首を微妙に曲げるなどの工夫。
どの選手もおこなう定番のポーズですら、振付のセンスが一味違います。魅せます。
特にモスクワで2005年3月に行われた世界選手権でのショートは神がかるほど最高の出来でした。
コストナー本人もそれがわかっているのでしょう。
終わったあと、拍手喝采のリンクの中央で頭を抱えるのです。
「信じられない」というように。
それはミス連発した選手が「あーあ」っていう雰囲気でするのとは違う、
本人自身が感動に震えていての「信じられない」であることが表情からも見てとれます。
『無念』ではなくて、スケーター本人が大いなる何かに触れたような体験をしたことが伝わる演技。
そういう瞬間を選手が味わったことに立ち会えるのはフィギュアファンとしてうれしいことです。
この曲、プラネタリウムでの冬の番組に使えたらいいなあと思ったのですが曲の後半、
いろんな楽器がはいってきて、
思ったよりもがちゃがちゃっと盛り上がってしまったので不向きかなと使用には至りませんでした。
でも、凍てつく空でせつなく震える星のような曲。
焦がれる思いを夜空の遠い星に託しながら音楽をききたいときにはぴったりのナンバーです。
さて、このCDですが、お店での取り扱いはあまりないのかもしれません。
でも、アマゾンでは取扱いあり。
また、ウインダムヒルレーベルの『ウインダム・ヒルCDコレクシヨン 2-3 アイオワの大地に』
ポニーキャニオンがこのサントラ盤と一致しているようです。3曲目にSundayもあります。
このアルバムは東京の港区のみなと図書館、新宿区の中央図書館、清瀬市立中央図書館他に所蔵されています。
ぜひ、「アイオワの大地に」で検索してみてください。
ちなみに大阪の図書館の蔵書検索をしてみると、高槻市の図書館にも所蔵されているようです。
関心のある方はどうぞお近くの図書館にないか調べてみてください。
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コメント
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昨日テレビをつけてみたら、
カロリーナ・コストナーさんの
今回のプログラム曲は
パッヘルベルのカノン、
ピアノはジョージ・ウィンストンでした。
前回も『カントリー』からだったのですね。
こちらではじめて知りました。
同じくジョージ参加の曲(Sunday)だったのですね。
なんだか嬉しく思います。
投稿: 大樹パパ | 2007年3月24日 (土) 12:41
大樹パパさん。はじめまして。昨日のコストナー、すばらしい出来でしたね。誰のカノンかしらと思ったらジョージ・ウィンストンだったのですね。教えていただきありがとうございます。
コストナーはアヴァンギャルドなものよりもクラシカルでピュアな音楽や世界を演じようとしているところが好きです。
投稿: emi | 2007年3月24日 (土) 13:50