祖父の絵とともに京の香りが
1月7日のブログでちらっと書いたオークションで落札した楳崎朱雀の絵を今日受け取りました。
京都の祖父の家は夏休みのたびに遊びに行っていたけれど、まだ私も小さく、祖父の進行中の作品の絵柄なんて覚えておらず。
家には何点か祖父の絵がありますが、画家としてその他どんなものを描いてきたのか知るすべはなかったのです。
作品を見て、祖父の生きた証の一端に触れた気がしました。
そしてうれしいおまけが。
二重になっている箱の内箱(桐箱)を開けると、ふわんと香りがしたのです。
祖父の家に流れていたにおいが。
箱の掛け軸の下に入っていた、表具用防虫香からの香りでした。
「京都市左京区烏脇町 奇品堂謹製」と書かれています。祖父の家の近くの住所です。
奇品堂。初めてきく、不思議な名前。早速ネット検索。
でてきました。こちらです。
墨蹟の販売や仏画や墨蹟の表装。
世の中って気がつかないいろんな仕事があるものですね。
〔記念品〕のカテゴリーを開くと、「表具師が考えた防虫香」がでてきます。
箱に入っていたのはこの商品。
京都の家は住んでいた親戚が引き払ってしまい、二度と足を踏み入れることができない、心の中だけの空間となっています。
たぶん、白檀系の香りだと思うのですが、
ふと、街の中で、心を鎮めながらも鼻にふわっと抜ける甘いエキゾチックな香りに出遭うことがあると、
条件反射で京都の家の空間を思い出します。
玄関の引き戸を開けると、必ず私たちを迎えていた香りを。
祖父の家がこの香りにいつも包まれていたのは、奇品堂の防虫香が家の中にあったのか、
それとも仏壇に毎日熱心にお線香をあげていた祖母の愛用のお線香のにおいがたきしめられていたためなのかわからないのですが。
祖父の絵を眺めていたら、私の部屋が一気に、心の中にある京都の家の空間にかわりました。
香りと記憶の結びつきの強さをあらためて感じました。
京都の祖父母。
祖父はベレー帽とパイプがトレードマークで、
朝食はオートミール。
二人ともモダンでした。
もう現実には存在しない懐かしい空間、懐かしい時間に触れることができるアイテム、
〔祖父の絵〕と〔香〕をみつけられてうれしいです。
祖父の絵 その1 その2 その3
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おじい様の描いた絵
拝見したいです
京都の日本画家なんてそれだけでもうステキな感じ
いろいろひと段落したら京都行きたいなぁ
投稿: ポポ手 | 2007年1月12日 (金) 11:50
素敵なお話ですね。まるでおじい様が時空を超えて会いに来てくれたよう…。
オークション、私もはまっています。
中国茶を楽しむための煎茶器を落札することが多いです。
ゆかりのなかった土地で使われていた茶器が縁あってわが家に来てくれたかと思うと、大切にしなくてはと思います。
掛け軸はお部屋に飾られたのでしょうか。おじい様もお喜びでしょうね。
投稿: シーカン | 2007年1月12日 (金) 13:47
ポポ手さん。ありがとうございます。
今日、デジカメで撮った絵をアップしようと思います。ブログでの作品アップって許可とかあるのかなとも思うのですが、今回はなんてったって身内の絵ですしね。
京都いいですね。鞍馬のひとくせもふたくせもある魅力はポポ手さんから教えてもらいましたものね。
シーカンさん。ありがとうございます。
まさに時空を超えて、祖父に会えた気がします。(部屋散らかってるので、部屋を見に来た祖父は卒倒しているかも)。
シーカンさんは中国茶用の煎茶器をいく種類も持っていらっしゃるのですね。きっとお茶自体もいろんなお気に入りの茶葉を愉しんでいらっしゃることでしょう。中国茶、興味あります。
投稿: emi | 2007年1月12日 (金) 17:32