立春に口ずさむ和歌
朝4時40分のベランダ星。
今一番存在感があるのが、木星とさそり座のアンタレス。
ベランダの南東の方向の空にらんらんと並んで輝いています。
瞬いていない左側の星が木星。
右側の瞬くオレンジ色の星がアンタレスですね。
星座線を重ねてみると。
1月の下旬から夏の星座を夜明け前に眺めるようになってしまって、
季節感がさらにずれている私です。
ですが、今日は立春。
立春というと思い出す和歌があります。
学校で習ったことってほとんど抜けてしまっていますが、国語の時間にならった和歌はかなり記憶に残っています。
今の心境にあうCDを棚から探して聴きたくなる時ってありますよね。
あんな感じで、今の心境に合う和歌を自分の心のライブラリーに持っておくのっていいなって思います。
今の気分にぴったりの和歌をみつけた時って、ぴったりの歌詞をみつけた時と同じ醍醐味が。
立春の時にかならず口ずさんでしまうのが紀貫之のこの歌。
袖ひぢて むすびし水の 凍れるを 春立つ 今日の風やとくらん
夏の日に袖が濡れる状態ですくった水が、冬になって凍ってしまったけれど立春の今日の風がその氷をとかしているだろうか。
↑学校時代の記憶のまま解釈を書いてみました。
どんな光景が浮かんできますか。
春を予感させる風や陽射しの中で、思い出すのはまぶしい夏の日。
夏の日差し、水遊びではしゃぐ様子とその雫がきらきら夏の太陽に輝く様子。
そして季節はめぐって冬。水が凍って誰も遊ぶ人がいないひっそりとした様子。
その凍った冬景色を今日の風と光がとかしてゆく。
現代でいうと、まさにサザンの歌の世界のような気がするのは私だけでしょうか。
受験生は古語辞典の関係ないところを読んで寄り道、なんてしている場合ではないかもしれないけれど、
古語辞典はぐっとくる心の宝庫。
たとえば、
うたたねに恋しき人をみてしより 夢てふものを頼みそめてき 小野小町
うたたねに恋しい人があらわれてから、 夢というものを頼るようになりました。
当時、夢に誰かが現れるのは、自分がその人を想っているからではなくて、
相手が自分のことを想っているからと考えられていたようです。
小野小町がどんなシチュエーションで詠ったのか知りませんが、
夢でいいから会いたい、よろこびとかときめきとかせつなさを感じます。
和歌って詩よりもはるかに覚えやすいし、日本の宝の一つですね。
(2015.1.29追記。星の画像はステラナビゲータ10で2007.2.4の朝に見た星を再現したものです)
« 東急まちだスターホールで二十祭まちだのイベントがあります | トップページ | ガガーリン62 再度当時の新聞(日本編) »
「 others」カテゴリの記事
- しびれる『葬送のフリーレン』(その2)第10話。アウラとの対決に忠臣蔵を思い出しました(2023.11.18)
- 元気です~(2023.05.21)
- ちょっと撮り鉄子になった日の話。(2023.03.07)
- 61才。まだ3時のおやつ前(2023.01.15)
« 東急まちだスターホールで二十祭まちだのイベントがあります | トップページ | ガガーリン62 再度当時の新聞(日本編) »
コメント