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2007年4月 8日 (日)

星愛で(その10)茶室は日本のプラネタリウム

プラネタリウムを訪ねて「教会と似ている」と感じる方は多いことと思います。
プラネタリウムと教会っていくつも共通点がありますよね。たとえば

・頭上に高いドームがあること
・天を感じさせること
  教会は天使、天上の世界(heven)を感じさせます。
  プラネタリウムは宇宙(space)を感じさせます。
・光を感じさせること
  教会にはステンドグラス。プラネタリウムのは星の光。
・ともに日常を離れた聖なる空間であること
・その聖なる場で自分をみつめなおすひとときを求めに訪ねたくなること

プラネタリウムは教会のよう。だからこそクリスマスシーズンのプラネタリウム館はロマンティック。
教会のステンドグラスが半球のドームをぐるりと囲むようにパノラマ状に投影されるビジュアルアイテムを意される館もあったりして。その中でアヴェマリアなどの楽曲を聴けばいっそう、プラネタリウムは教会の雰囲気に。

さて、日本ではどうでしょう。
日本でいうと、プラネタリウムは茶室とその空間としても役割としても似ていると思うのです。たとえば。

かがんで入る
 移動式のエアドームタイプのプラネタリウムに限り、ですが、身をかがんで中に入りますよね。
 茶室にもにじり口という小さな入口があります。(今回星愛で茶会を開催する神楽坂の山庵。
 使用しませんが奥にある三室めの山庵と呼ばれる茶室は
 にじり口からお入りいただくようになっています)。
 身をかがめて茶室に入る感覚はまさにエアドームのプラネタリウムに足を踏み入れるようです。

閉ざされた空間であること

日常を離れ、雑念をはらって訪ねるところ

わずかなアイテムで、限りない世界を感じさせる
 茶室にいろいろなものがごちゃごちゃ置かれることはありません。
 〔一服の茶〕に美意識が集中されています。花、掛け軸などごくわずかなアイテムで季節感を表現したり。
 「華美、過剰」よりも、「一つ、潔さ、収斂」。
 それが「わび、さび」につながるのかしらと思います。
 プラネタリウムも日常生活に溢れるアイテムをそぎ落とし、基本は「星の光と闇」だけが広がる空間。
 両者ともそのストイックさが濃密な空間を創り出しているのだと思います。

光の演出
 茶室では光の取り入れ方も大事なようです。
 心を研ぎ澄まし、茶に集中できるように「照明が煌々と明るい」ではなく、 
 「ほの暗い空間」を作り出すそうです。
 プラネタリウムも繊細な星の光、夕焼け、夜明けの薄明など、光を演出する施設です。

見立ての美
 茶室は山奥の庵をイメージして建てられるようですね。
 露地と呼ばれる茶室へ入るプロムナードは、山の辺の庵へ辿る道を模しているそうです。
 また、茶の釜の湯が沸く音を〔松風〕と呼びます。
 シュンシュンという音を松林を渡る風に見立てているそうです。
 一方、プラネタリウムにも「見立ての美が」。
 プラネタリウムから決して本物の星が見えるわけではありません。
 ドームに映る小さな光を「星」に、ドームを「宇宙空間」に見立てているわけですね。
 そしてさまざまな星の並びを、犬や白鳥やうみへびに見立てたところから星座も生まれているのですね。

見立てを愉しむために想像力が大切
 茶室もプラネタリウムも、いらした方がどれだけその「見立て」の中に自ら、身を投じることができるか。
 想像力を働かせることができるかがポイント。
 この茶室が人里離れ、鳥がさえずり木々が風にゆれる野辺の庵だと
 どのくらい感じることができるか、一輪の花にどのくらい季節を感じることができるか。
 プラネタリウムも、満天の星空をどのくらい臨場感持って感じ取ることができるか。
 波の音や海のパノラマの上に広がる星に、どれだけ、浜辺で満天の星を眺めている、
 という体感を感じることができるかetc.。
 客人一人一人が、想像力という「遊び」を愉しむ。
 そんなところも茶室とプラネタリウムの共通点だと思います。

一足踏み入れると、日常を離れた別世界。心のサンクチュアリ。
茶室とプラネタリウムは空間構造も、心への役割もそっくりだと思いませんか。

星やプラネタリウムINDEXはこちら

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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