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2007年6月14日 (木)

金星と三角定規---見えてくる楽しさ

林完次氏は、『星をさがす本』の冒頭で星が好きな人を5つのタイプに分けています。
1)星と天体望遠鏡の両方に凝っている人
2)星の撮影に凝っている人
3)最先端の天文学に夢中な人
4)夜空にロマンを求めたい人
5)ふだん星は見ないけれど、お勤め帰りに夕暮れの空に宵の明星が輝いていると、「わあ、きれい」と思わず口に出る人


(以上、同著から抜粋)

私は4、5。
絶好の観測場所に行ったり、天体望遠鏡や双眼鏡で観るというよりも、
ふだん歩いている場所やベランダで肉眼で見える程度の星を愉しんでいます。

満天の星を味わうことのできない街の中で星を見る楽しさ、
それはずばり「星が見えてくる楽しさ」。

今の季節、日暮れの西の空にひときわ大きく輝く星があります。
宵の明星、金星です。歩きながら金星を眺めているとすぐ近くを何機も飛行機が行き過ぎるのですが、
機体のライトよりもはるかに明るく大きな光です。
あんなに大きな光る物体が飛行機よりも遠いところに存在しているということ。
空に浮かんでいるということ。不思議ですよね。

私のエリアでは今の時期18時台でゆうに金星はみえますが、なかなかそのまわりの星は見つけられません。
金星のまわりに星が現れるのは19時30分ぐらい。
少しずつ空が黄昏時の蒼から深い藍色、闇になってゆくにしたがって小さな星が見えてくる。
その過程がとても楽しいのです。
今の時期ですと金星の左斜め上に45度の三角定規のように星が3つ並んでいるのがじわじわ見えてきて面白いんです。

『星が見えてくる楽しさ』というのは、
1)夜に向かって空が暗くなって星が見えてくる楽しさ
2)私たち自身が暗さに目が慣れて小さな星が見えてくる楽しさ
の2つがあります。
ですので、明るい室内から外に出て、金星は見えるけどこんな明るい街じゃ他の星なんて、
という方はせめて10分、暗いところでそのまま夜空を眺めてみてください。

こんな感じです。20時過ぎぐらい。

   ・  ←しし座のγ

・  ←しし座のレグルス  この3つの星が今の時期
                 45
度の三角定規の形に。
   ・ ←土星

       ←金星。まっぶし~い 最初にみつかります。
  
          ・  ←水星はこの辺。私は見られず

200706142000kinsei
↑こちらはステラナビゲータでの再現画像。
 土星、しし座のレグルス、しし座のγアルギエバが
 45度の三角定規のように並んでいるのがわかります。


※私のエリアですともうすこししし座の星をみつけることができます。
  都市部だったら上の三角定規まで、粘ってみましょう。

西の空で金星と三角定規をチェックしたら、次は東南の空。
金星には負けますが、瞬いていない明るい星があります。
それが木星。木星がみつかったらその右下に視線をぐるぐる。
さそり座の赤い一等星アンタレスが見えてくるでしょう。


  ・ ←木星
         ←アンタレス 

20時30分ですとこのくらいの位置関係。

こちらもステラナビゲーターで再現。
200706142030mokusei



















さてその次は顔を上げて北斗七星を探してみましょう。
ひしゃくの形の七つの星の並び。柄の部分のくの字型の3つの星がまず、目に留まるかもしれません。
7つ(柄の付け根の星はわかりづらくて6つかも)の星を仰いでみると、
かなりの壮大なスケールで空にひしゃくが横たわっていることに感動します。

北斗七星から北極星を辿ってみたり、この時期ですと、柄のカーブを南の空へと伸ばしてみましょう。
オレンジ色の星、さらにカーブを伸ばしていくと、小さな青みがかった星が辿れるはず。
このカーブが「春の大曲線」と呼ばれるもの。
そしてオレンジ色の星がうしかい座のアルクトゥールス、青みがかった星がおとめ座のスピカ。

郊外に住んでいらっしゃる方々はもっと星が見えるでしょう。
上記の星(金星、木星以外)は都市部に住んでいる方が、
少し闇に目を慣らして、空のコンディションがよければ見えてくるだろうなっていう星です。

都会じゃ星なんて見えないぜって諦めずに空を見上げていればじわじわ見えてくるごほうびみたいな星たち。
それがいとおしい気がするのです。


(2015.1.29追記)
ステラナビゲータ10は過去の星空もシミュレーションできるのでこの2007.6.14の星空も再現してみました。
画像はいずれもステラナビゲータによるものです。


星やプラネタリウムINDEXはこちら

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コメント

先週の初め、ふと目が覚めて起きると、
南の空に、キラキラと輝く星が
目に飛び込んできました。

そのちょっと脇の下にも、上の方の星程では
ないけれど、輝く星が。

これが、夏の夜空を、さそり座のアンタレスの
上に輝く木星かと、初めて気付きました。

いつもトイレに、お菓子やさんのカレンダーが
貼ってあって、それには、その月オススメの星も書いてあるのです。

今日19日の日付には、夕方西天見てね!並ぶよ!と、レグルス、月、土星、金星、プレセベ、
ふたご座・・・の絵が、書いてあります。

昨日、偶然見れたのが、月と土星。
向かいのお家の、屋根のすぐ上に見えて、
びっくり! 

夏の大三角形以外でも、大雑把に、この私でも
愉しめるんだな♪と、嬉しくなりました。 

今日も、夜空を見てみます。^^

おんぽたんぽさん。
こんばんは。木星とアンタレス、ご覧になられたのですね。とてもわかりやすく並んでいてくれてうれしいですよね。
昨日、今日、月がいいかんじで金星のそばにいるのですが昨日ご覧になられたのですね。
私は屋内にいて、見ることができませんでした。
今晩、おんぽたんぽさんがお住まいのエリアが天候がよく、眺められているといいなと思います。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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