力強い内なる光---山根麻以の「ふつうの唄」
気分がなんかがさついている時。
すごく哀しいことがあったり、怒りが体中に爆発しているというのではなく、何かがただ停止状態。
天気でいうともうすぐ嵐がくるというのでも嵐のさなかでもなく、ただどんより動きようのない薄曇り。
そんなコンディションがもしかしたら一番苦手かもしれません。
いろんな宗教やスピリチュアル的な世界で
「一人じゃない。私たちはすべての人たち、生命、宇宙とつながっている」とか
「大いなる存在(宗教などによって表現はさまざまだけど)がずっと見守っている。
私たちの中にいる」って言われていますよね。
私は特定の宗教に入っているわけではないけれど、自分自身の感覚で以上のことを感じます。
といっても全身の感覚で体得するっていうのは日常の5%ぐらいでしょうか。
きっとこれがいわゆる至福体験と呼ばれるものでしょう。
あとは自分の頭で理解している。っていうのが日常の90%。
残りの5%は、自分の存在や価値を素直に肯定できない「切り離され」モードになってしまう時があります。
そんな時に聴くのが山根麻以(麻衣で記憶されている方も多いと思うのですが、改名されたようです)の「ふつうの唄」。
ふつうの唄
詞を要約するならば、
ひとりぼっちの気分の時は、自分の内側に旅をしよう。
かなしまないで。自分のことを抱きしめてあげて。
君の中に神様がある。その人はあなただけを見ていた。あなただけを愛していた。
というような内容です。
スピリチュアルな本でもよく言われているメッセージといえるかもしれません。
だけど実体としてつかみにくい感覚。ともすれば字面だけで流れてしまいそうなこと。
それがこの「ふつうの唄」だとストンと素直に腑に落ちて、五臓六腑で感じ取れます。
そこがすごいなって思うのです。
なぜ・・・。きっと、山根麻以さんの声がすごくハスキーだからかなと。そして腹の底から唄っているから。
この唄に限っては透明感があって天使のような歌声じゃだめ。
ハスキーで土着っぽいのがいいんだと思うのです。
そして楽器も最高。ガタコトガタコト。なんだかお祭りのお囃子のような感じ。
今の時代ってスピリチュアルなことが普通に私たちの心に浸透しているからかえって、
苦しくなってしまうこともあると思うのです。
誰かを責められたらもっと楽になれるのに、誰かのせいじゃないと気づいてしまっているから、
誰かに何かをぶつけても、心のどこかが「それは違う」と知っているので気が晴れることはない。
カラクリをしってしまっているからこそ、自分で解決しなきゃと抱え込んでしまう。
よくない出来事=まわりのせい。って思えていられたら、きっと楽だったのでしょうけれど。
だからこそ、今の時代の私たちは、もっともっと自分自身をいたわってあげる必要があるのです。
この唄を聴いていると、お風呂の湯に身を浸すような、
あたたかいものにくるまれて、自分の内側から何かが潤っていく感じがします。
月並みですが、内側から光が放射されるような。
美容でも、どんなに高級なクリームを肌に塗るよりも一番いいのは
自分の内側から溢れてでくる油分と水分みたいなことをいいますよね。
愛や光が足りない時もきっと同じ。外から求めるのではなくて、
内側から溢れさせないと、本当には潤えないのでしょうね。
この「ふつうの唄」についてとてもいいサイトがあります。Husky Voiceさん。
歌詞、この歌が生まれたきっかけなどを山根麻以さんの許諾を得て紹介しています。
試聴もできます。全国の取り扱いCDショップ情報もあり。
3曲収録のアルバムですが、2番目のシューベルトのアベマリアも最高。
土臭いのが本当にいいんです。
3曲めもまさに日本のお囃子みたい。
イメージとしては田吾作みたいな衣装を着た神様たちが下界に集まって酒のんでどんちゃん楽しんでいる雰囲気(あくまでも私の主観)。
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