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2007年6月25日 (月)

若山牧水とサザンと達郎---海の青

若山牧水の歌をどのくらいご覧になられたことがありますか。
詳しいというわけではないのですが大好きな歌がいくつもあります。

国語の教科書にでてくるような歌人だし、昔の人と思うと敷居がたかそうに思えますが、まるで、サザンの桑田さんか山下達郎かしら、って思うような歌をいくつも作っているのです。

まず、若山牧水というとまずこちら↓という方が多いと思います。


しらとりはかなしからずや空の青 海のあをにも染まずただよふ

これで若山牧水、はい終了になったらもったいない。こんな歌も。

わがまへに海よこたはり 日に光るこのかなしみの何にをののく

ともすれば君口無しになりたまふ 海な眺めそ 海にとられむ

この「ともすえれば~」。とってもキュート。
女性が海をみつめる。男性がその横顔にみとれながら、その美しさを海に奪われてしまいそうな気持ちになる。澄んだまなざしを見守りながらふと胸がしめつけられるという感じでしょうか。
少し、海に妬いているような・・・。
なぜ女性が男性に視線を向けないで海を見ているのか。目の前の海。寄せては返す波に夢中になって
いるからかもしれないし、もしかしたら女性も恥ずかったり、せつなかったりして男性と目と目を合わせられないからかも。
牧水がどんなシチュエーションで詠んだのかはおいといて、いろんな風にイメージがひろがります。
山下達郎の『潮騒』という歌がふと思い浮かびます。


ああ 接吻(くちづけ) 海そのままに日は行かず 鳥翔(ま)いながら死(う)せ果てよいま

映画の1シーンが浮かんできそう。

手をとりてわれらは立てり春の日のみどりの海の無限の岸に

これも映像が浮かんできます。とても素敵。おおいなるものの前に大切な人と二人で立ち、神聖な誓いをする、そんな雰囲気。

海見ても雲あふぎてもあはれ わがおもひはかえる同じ木陰に

こんなセンチメンタルな思いは誰もが経験していますよね。この木陰に過去になってしまった甘い思い出があるということでしょうか。

椰子の実を拾ひつ秋の海 黒きなぎさに立ちて日にかざし見る

牧水がどんな心境かわからないけれど、誰もいない秋の海に一人。
潮風にいろんなものが吹き払われて、からりとした気持ちになってゆくようなイメージが浮かびます。
******
想う人ができると海を見にいきたくなる
恋人と一緒に海を見に行きたくなる
別れのあと、一人で思い出に浸りに海に行きたくなる

そんな気持ちは昔の人も変わらないのだなと気づかされます。そしてきっと大昔の縄文時代の人もギリシャ人もきっと同じなのでしょう。
どんなに時代が進んで、未来になっても、大切な人並んで海をみつめたい、その気持ちは同じなのでしょう。

以上の歌は若山牧水の第一歌集『海の声』より。
皆様それぞれの今の気持ちにぴったりの歌がまだまだあるかもしれません。
今の心境を託せるJ-popがないなと思った時は歌集を手にとってみるのはいかがでしょうか。

そうそう。先日、たしかうるるん滞在記だったと思うのですが、タヒチ特集の番組をやっていました。その中でタヒチの海の上を飛ぶ鳥は水の反射で青く染まるというのを紹介していました。
牧水がタヒチに行って、鮮やかなターコイズブルーの海の色に染まる鳥をみていたら、
しらとりが空の青にも海の青にも染まらないで漂うというのとは違った歌が生まれたのかな、なんて思いました。

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コメント

こんにちは。
牧水にひかれて、ふらふらと書き込んでしまいます。

大好きな歌があって、ここに書こうとして
確かめてみたら、間違えて覚えていたのでした。

山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君

海から始まるように覚えてしまっていたのは、海のもつ開放性に、より心をとらわれていたからかもしれません。
それとも、emiさんも掲出していらっしゃる、あの白鳥の歌のせいでもあるのでしょうか。
けれど実は牧水らしさは、山なみを踏み越えてどこまでも行くことのほうに、宿っているのだろうか、と我に返ったことでした。

海、ということだけから来る連想ですが、海潮音、という書もありましたね。
ああ、思わず、遠い目になってしまいます。(笑)

megさん。はじめまして。牧水に惹かれてのメッセージありがとうございます。
山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君
も素敵ですね。
<思わず、遠い目になってしまいます>とのこと。いろんな海のシーンと牧水の歌とmegさんご自身の思い出が重なっていらっしゃるのでしょうか。
私の世代は牧水といえばまず「しらとり~」で海のイメージですが、母や祖母の世代は牧水というと『幾山河 こえさりゆかば 寂しさの はてなむ国ぞ けふも旅ゆく』のようですね。
<牧水らしさは山なみを踏み越えてどこまでも行くことの方に宿っている>
megさんの感じ取られ方、なるほどと思います。いろんなことが合点がいきます。
遠いところへ思いを馳せる、越えてゆこうとする、そんな思慕みたいなものを感じたりします。
megさんのお薦めの作品、他にも知りたくなりました。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
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