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2007年7月28日 (土)

ガガーリン66 海外の新聞その3/4月12日のデイリーワーカーはエッ!    そしてイリューシン

ガガーリン65のデイリーワーカーの続きですが4月12日の紙面に逆戻りします。
実はこのデイリーワーカーの4月12日がエッてことになっているのです。

ガガーリンによって初の有人宇宙飛行がおこなわれたといえば、1961年4月12日。
ですが、日本の新聞で4月12日以前に打ち上げのうわさが流れていました
(ガガーリンでも触れているとおりです)。

打ち上げが4月9日にあったetc.の噂が日本の新聞各紙で報じられたあと、
はじめて、ガガーリンの宇宙飛行成功が伝えられたのが4月12日の夕刊からとなります。
(ガガーリンの宇宙飛行がラジオのモスクワ放送の臨時ニュースで伝えられたの
12日日本時間の午後4時2分。それでも12日の夕刊でこの臨時ニュースについて書かれている
ということは、夕刊の最終版なのでしょうか)

海外の新聞でデイリーワーカーも見ておかなければと思ったのは
4月13日の朝日が、デイリーワーカーの12日の1面に掲載されていたボストークの内部イラスト想像などを
紹介していたからですが、実際のデイリーワーカーの紙面をチェックするとエッなのです。
見出しはこうなっています。

THE FIRST MAN IN SPACE

Soviet astronaut circles the earth three times

Back alive-but suffering from effects of his flight


地球を3周したとなってますよね。宇宙飛行士の顔写真も掲載されています。
Soviet astronaut ready for his space flightというキャプション付き。
にも関わらず、その顔立ちはガガーリンじゃありません。

記事の出だしは、
The Soviet Union has launched the first man into space and brought him back to earth alive, acocording to well-informed sources here.
続いて。
The astronaut, said to be test-pilot son of a top-ranking Soviet aircraft designer, is understood to be suffering after-effects from his flight.

この飛行士はソビエトの一流飛行機設計士の息子となっているではありませんか。

そして何よりもこの記事が書かれているのは11日。つまりガガーリンが空に飛び立つ前日。

つまり、イギリスのデイリーワーカー12日版。
4月13日の朝日で知ったこともあり、ガガーリンの偉業についての記事だったと思ったら、
前日に書かれているし、内容は違うし、まったく別物であることがわかったわけです。

1面で顔写真入りで、信頼できる筋による情報のように書かれ、さらに、この記事をモスクワから
署名入りで送っているのは、DENNIS OGDEN氏という記者。
第一線でモスクワから宇宙関係情報を送っている記者なのです(こんな大々記事を12日に載せながら、
13日以降しっかりガガーリンを人類初の宇宙飛行としてモスクワから伝え続けています)。
それだけ、モスクワからのレポートを送る記者として、きちんとしたパイプがあることがわかります。
その記者が、acocording to well-informed sources と情報源に自信を持って書いているところがミソですよね。
***
この12日版の宇宙飛行士。誰でしょう。ソビエトのトップレベルのエアクラフトのデザイナーの息子、
となれば「イリューシンのこと?」っ思われた方もいらっしゃるでしょう。

何年か前、海外のドキュメント番組をみました。録画しておらず、途中から一回見ただけなので
細部をきちんと記憶していないのですが、宇宙飛行士はガガーリンが一人めではない。
イリューシンという男がいたが、地球へ生還したものの、心身に重度のダメージを受け、
これを成功とは発表できないことからソビエト政府はこの男のことは秘密にしたという番組です。
真偽はわからないけれど、こんなことが報道されるのも、ソビエトがロシアになったからなのかなあと
漠然と思っていました。それまでは一切表に出ない話だったのかしら。って。
***
ところが、この12日の新聞に出ているってことは、イシューシンの噂はソビエト崩壊後に出た話ではなくて、
しっかり当時から語られていたってことですよね。
そのことが驚きでした(イリューシンの顔を私は知らないので、デイリーワーカー1面が掲載している
この宇宙飛行士がイリューシンかどうかはわかりません)。

ともあれ、私自身の関心は、ガガーリンが果たして一人目の宇宙飛行士か、ということではなくて、
1 名言「地球は青かった」の原文を知りたい
2 ガガーリンが語ったほかの言葉も知りたい
3 「地球は青かった」のあとに「神はどこにもいなかった」という言葉が続く他、うわさの諸説を確かめたい
4 日本でなぜ「地球は青かった」だけが一人歩きしたのか知りたい
5 海外では、「地球は青かった」をどういうのか。またどのくらい認知されているのかを知りたい
6 そこから、各国の宇宙や地球に対するイメージの違いを感じ取れるかも

ですので、イリューシン問題はかなり脇の存在です。
私自身がおいかけても真偽がわかるはずのないことですし。

ただ、当時の海外の新聞や、日本の週刊誌にも実はイリューシンの報道が普通にされていますので、
ひきつづきガガーリン67でもイリューシンの話題に。

さて、こちらは、産経新聞1961年4月12日夕刊(東京版)。
Sankeigagarin610412

イギリスのデイリーワーカーの4月12日の1面を紹介しています。
宇宙飛行士の写真とボストーク内部イラスト想像図も映っていますね。

デイリーワーカーの記事内容がどんなことかについても書かれています。
地球を3周、飛行士は生還しながらも精神障害を起こしているということと、
ガガーリンの飛行をモスクワ放送が伝えたこと(事実)とがミックスになっています。

ガガーリンINDEXはこちら

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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