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2007年7月19日 (木)

ガガーリン65 海外の新聞その2/デイリーワーカー続き ピカソとガガーリン

ガガーリン64のデイリーワーカーの続きです。

The sky is very,very dark, and the earth is bluish.

が小見出しにもなっていないので、イギリスでどのくらい、「ガガーリンの名言=地球は青かった」になるのかはわかりません。

ちなみにガガーリンは「地球は青かった」のあとに「神はどこにもいなかった」と語ったという噂がありますよね。
4月13日のイズベスチヤでは「地球は青みがかっていた」に続く言葉は 
「フショー・ハラショー・ヴィードナ(すべてはよく見えました)」。
プラウダでは「ガルバヴァータヤ(青みがかっていた)」のあと、
「カーク・ボリショイ・シャール。ザミチャーチェリナヤ・カルティーナ
(まるで大きなボールのようでした。素晴らしい光景でした」と続いています。

なぜ、同じインタビューを記事にしながら、
「青みがかっていた」の次の言葉が2紙で違っているのかしらと思うのですが、
いずれにしても「神はどこにもいなかった」というコメントはありません。
イギリスのデイリーワーカー紙はイズベスチヤの記者の言葉を紹介しているので、

The sky is very,very dark, and the earth is bluish.に続く言葉はEverything is clearly visible.
となっています。

この言葉が小見出しにもなっていない扱いであることは既に触れましたが、
翌日4月14日のデイリーワーカーには一コマの風刺漫画が掲載されています。
この漫画。ボストークのイラストの下に、

The sky is very,very dark and the earth appears to be getting redder and redder.という言葉があるのです。
The sky is very,very dark, and the earth is bluish.の言葉をもじっているのは明らか。
パロディに使われるということは、印象的な言葉ではあったということでしょう。

〔4月15日〕の紙面では
4月14日にガガーリンのモスクワ到着。フルシチョフと抱擁をかわす様子。
赤の広場でおこなわれたセレモニーについて紹介されています。
イギリスでソ連のテレビの生中継が初めておこなわれ、伝えられたのがこの14日のガガーリンの到着。
パレード。赤の広場での様子だったこと、イギリスとソ連の歴史的な日というように報じられています。

また、モスクワでおこなわれたガガーリンを招いての大レセプションでは、
ゲストの一人にバレリーナのマイヤ・プリセツカヤがいたことも書かれています。

そのほか15日以降の記事を追っていくと、
日本の新聞各紙の方が詳しいかなと思うのですが、
興味深いものが4月29日の新聞にありました。

SPACEMAN  INSPIRED  PICASSOという見出しで、ピカソのタッチの絵が掲載されているのです。
ハトとガガーリンが重なった絵。

Picassogagarin
下にはIn this drawing by Picasso the famous artist and Communist pays tribute to Major Gagarin's pioneer flight in space and its aim of peace.となっています。
絵の左上にはピカソのサインのようなものがあり、16.4.61(最初の数字は18かもしれません)と読めます。

ソビエトの新聞プラウダの1961年4月28日の紙面にもこの絵が掲載されています。
ロシア語のキャプションを訳してみます。


『以下のような添え書きをつけて、新聞Юманите(ユマニテ)にこの絵が掲載されました。
私たちの同志ピカソがこの絵を描きました。ソビエト人による初の有人宇宙飛行にインスピレーションを受けて』


ピカソがガガーリンを描いていたなんて知りませんでした
早速ネットでPicasso gagarin (フランスのヤフーでは Picasso gagarine)
を検索するとPICASSO - Sérigraphie Etude pour Gagarine という絵がヒットします。
日本では「ユリ・ガガーリンの習作」とタイトルがつけられているようですが、
デイリーワーカーやプラウダに掲載されているのとは別の絵。

デイリーワーカーやプラウダの絵はピカソのものではないのでしょうか。
ただ、ピカソは1944年にフランス共産党に入党しているんですよね。
それを考えるとやはり1961年、
ピカソが80歳の時にガガーリンの人類初の有人宇宙飛行に心躍らせ、筆を走らせたのではと思います。

ピカソを検索していた時にみつけたイタリアのこのサイト。ポップでグッド。

Picasso Porcelain by Tognana。渦巻き星人、たこ星人、いか星人みたいなイラストがとってもチャーミングです。

(追記2007.12.10)
ピカソの絵が最初に掲載されたユマニテに関する記事を
ガガーリン72にアップしました。

ガガーリンINDEXはこちら

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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