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2007年7月15日 (日)

ガガーリン64 海外の新聞その1.デイリーワーカー    The earth is bluish.

まず1961年4月12日当時の海外の新聞で取り上げるのは、イギリスの新聞デイリーワーカーです。

デイリーワーカーはイギリスの共産党の機関紙。
なぜ、まずDaily Workerかといいますと、
日本の新聞がガガーリンの人類初の有人宇宙飛行のニュースを報道するにあたって、
デイリーワーカーに掲載された記事を紹介しているからです。
朝日新聞1961年4月13日の夕刊では4月12日付けのデイリーワーカーからボストーク内部のイラスト図解を。
産経新聞の4月12日の夕刊(東京版も大阪版もともに)では、
やはり4月12日のデイリーワーカーの1面を紹介。
そこで、西側の国の新聞でありながら共産党ということでデイリーワーカーにはソ連の情報が載りやすいのかしらと思ったのです。

さて、デイリーワーカーを1961年5月まで追ってみる限り、
Gagarin said "The earth is blue !!"
というようなセンセーショナルな見出しはありませんでした。そこでじっくり追ってみると。

日本の新聞で「空は暗く、一方地球は青みがかっていた」と表現された言葉にあたる文がありました。
The sky is very,very dark, and the earth is bluish.
blue ではなく bluishとなっていますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下詳細です。

〔デイリーワーカー4月13日〕
Dailyworker610413
まず、はじめてガガーリンが登場するのは4月13日の1面です。
一番大きな見出しは
A COMMUNIST IN SPACE
その上にやや小さな文字で
Soviet Union wild with joy at first trip outside this world
下にも、やや小さな文字で
Moscow preparing a hero's welcome for astronaut Gagarinの見出し。

そしてMAJOR YURI GAGARINのキャプション付きでガガーリンの写真があります。

3面には1面のガガーリンに関する記事の続きが紙面の3分の1ぐらい。
Hero's welcome for spacemanという見出しの記事があります。

まずFlight normal, feel fineという小見出しでモスクワのラジオで流れたガガーリンの飛行中の言葉を紹介。
その下に 'Visibility good' reportという小見出しで、
ガガーリンで紹介したガガーリンの言葉(の英訳版)が書かれています。
I see the earth,visibility good. I hear you perfectly.The flight is continuing. Some space is coverd by cumulus cloud. I am continuing with the flight, Everything normal. Everything working perfectly. Pressing on. Feeling well. I am in good spirits. I am continuing with the flight. Everything is going well. The mashine is working normally.

このあとイズベスチヤの記者のレポートとして、
日本各紙で「空は暗かった。一方地球は薄青だった」「~青みがかっていた」と訳された言葉(ガガーリン10参照を)の英訳が記されています。

The sky is very,very dark, and the earth is bluish.

この言葉の扱いは小見出しにもなっておらず、記事の本文中に出てくるのみです

〔デイリーワーカー4月14日〕
1面はガガーリンの奥さんのバレンチナさんの顔写真とともに紙面の4分の1ぐらいガガーリン関連記事。

一番大きな見出しはWHAT I DID IN SPACE
中くらいの見出しがI sang, worked & ate: objects floated in my cabin
小さな見出しがGagarin tells of his fantastic 187-mile-up journy

その本文中で、EARTH'S DETAILSの見出しで書かれているのがイズベスチヤでいうと4月13日の記事にあたるものです。
併記した日本語訳はこの英文の訳ではなく、イズベスチヤのロシア語記事を私が訳してみたものです。(cf.ガガーリン15

The light side of the earth was visible very clearly. The coast of continents, islands, big rivers, large expanses of water and the contours of land could be clearly distinguished.When I flew over our country I clearly saw the large oblongof collective farm lands and could see where there was ploughed land and where meadow.

地球の昼の面はとてもよく見えました。海岸線、島々、大河、大きな貯水池、土地の起伏を非常によく識別できました。わが国の上空を飛んでいた時、コルホーズの大きな四角い畑を見分けることができましたし、また、どこが耕地でどこが牧草地がわかりました。

I was able first time to see with my own eyes the spherical form of the earth, That is how it looks when you look at the horizon,I must say that the pictureof the horison is unique and unusually beautiful. You can see the transition from the light surface of the earth to the absolutely black sky against which the stars can be seen.

飛行中、私は初めて、自分の眼で地球の丸い形を見ることができました。
地平線を眺める時と同じように見えます。
地平線の光景はとても独特でたぐいまれなる美しさだったことを語らなければなりません。地球の明るい表面から、星の見える漆黒の空への色彩豊かなグラデーションを見ることができました。


続いてORANGE AND BLUEという見出しがあります。
(こういう見出しはそれぞれの新聞が独自につけているものです。
見出しって、原稿を書いた記者がどの言葉にインパクトを持ったかを知ることができて面白いです。
またその言葉で読者の印象は左右されるのですから影響大ですね)

ORANGE AND BLUE に続く本文は

The transition is very delicate, like a film surrounding the earth. It is pale blue in colour and the entire transition the entire taransition from blue to black takes place extraordinarily smoothly. It is difficult to describe in words.

その境い目は非常に繊細で、まるで地球の球体を取り巻く膜の帯でした。それは淡い青い色でした。そしてこの青い色から黒への移り変わりはこの上なくなめらかで、美しいものでした。言葉で伝えることはできません。

When I emarged from the earth's shadow,the horizon changed. On it there was a vivid orange band, which then changed to a blue colour and yet again to deep black.

私が地球の陰から出た時、地平線は別のものとなって現われました。
地平線の上には、明るいオレンジ色の帯があって、それはしだいに再び青い色に、さらに濃い黒へと移り変わっていきました。



長く引用いたしましたが、英語版と日本語訳とで、原文のニュアンスをより多角的に感じていただけたら幸いです。

デイリーワーカーはもう少し続きます。

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ガガーリン」カテゴリの記事

コメント

emiさん、こんにちは。
凄く楽しく読ませていただきました!!こちらまでemiさんの鼓動が伝わってきます。
私がガガーリンで神様見たいな力があったら、ぎゅうってemiさんを抱きしめて、ガガーリンの意識の海の中に連れて行ってあげるのに!!という気持ちに駆り立てられてしまいました!!
ガガーリンは生まれて今までの魂と肉体の全ての体験や、美意識、宗教観・・等々のあらゆる触手で地球の美しさや神秘の全てを味わっていたに違いないな~ってemiさんの言葉を味わいながら感じていました。そうでなかったらこんなにも誰かを夢中にさせるエネルギーってある筈ないもの!きっとemiさんはそんなガガーリンの時空を超えた善き友人なんだと感じます。ガガーリンが生きてそこに存在してるような錯覚さえ感じますもの・・・。
魂を揺さぶるほどの感動はある一線を突き抜けると神さまの領域に届いてる瞬間てあるなって感じています。でもそれは言葉になるとまるでシャボン玉が消えたときみたいに「これだけ?」というほど実態と質感のまるでないシンプルな言葉になっちゃったりするのって私だけでしょうか?
印象的だったのは、2回重ねられたveryと、その次に対照的に語られたbluishという輪郭の曖昧な言葉でした。その一言の中に彼の神域に達した意識が込められているようなそんな感想をわたしは勝手ながら感じていました。何度もきっとガガーリンなら色んな青を見て来てきた筈でしょうに・・って。
きっと、音楽も聞こえてたんじゃないかな~とか・・ガガーリンについてはそんな物語までemiさんを通って一冊の絵本になって心に届きました。
不思議なのは、絵本の中ではガガーリンの姿はちいさな青い服を着た少年なんですよ^-^。星の王子様みたい!!
時代を超えて確かに存在したある日の自分をこんなにまで追及してくれる人がいたら、それはなんて幸せな事でしょう。そういう絆をもてることって人生への贈り物のような感じ。上手くいえないけれど・・・。
あっ!本当に勝手な解釈ばかりならべてごめんなさいでした!emiさんはこのブログ書き込んでいらっしゃる時、音楽は聴いていらっしゃるのですか?読み手の私にも何だか聞こえてきそうな・・・♪

若林さん。エールありがとうございます!
若林さんの表現、すごいと思いました。
<ガガーリンは五感のすべてで感じ取った>とかではなく、<生まれて今までの魂と肉体の全ての体験や、美意識、宗教観・・等々のあらゆる触手>で地球の美しさや神秘の全てを味わっていたに違いないないというお言葉も。「触手」という言葉からいろんなイメージが広がりました。私も自分の触手をもっともっと伸ばして、がっつりいろんなものを掴みとりたいと思いました。
青かったより、青みがかっていた。bluish。その方が深いニュアンスがありますよね。
私をガガーリンの時空を超えた善き友人と言ってくださってうれしいです。
三輪さんと江原さんの前に私が座ることがあったら(仮定&願望です)。三輪さんが私の後ろを見て「あら、誰かしらね、この人。ヘルメットをかぶっている人がみえるわよね(隣の江原さんに)」。江原さん「(にこにこ笑いながら)ガガーリンでしょうね。後ろに今来てますよ」。みたいになったらいいなと思います。
「地球は青かった」のロシア語原文。たった5分で解決すると思った些細な出来事から、こんな風に発展して、いろんな言葉や出来事をしって、サン=テグジュペリまででてきたり、そしてブログを通じて若林さんや多くの方に出会うことまでできて、たくさんのブレゼントをいただいている不思議さを感じます。

emiさん☆
ほ~んと!ふしぎですね^0^♪私の方こそemiさんにお会いできた事でぐぐ~んと世界が広くなったのでした!!これからもガンガン行きましょう!!
なんと!「オーラの泉」わたしも「まるまるちびまるこちゃん」に並ぶ必見プログラムなのです!!なーんだかすっごいPCのスクリーンの前で「emiさん!!一緒♪一緒♪」って話しかけてしまいました。くっくっく。そうですねー!!確かにー。
ベイシックな守護霊様って悟ったご先祖様だそうですけれど、emiさんには絶対ガガーリンですよねー!!指導霊かも!!
スタジオの絵が浮かんできてしまいました。いかん!この手の話になるとネバーエンディングになってしまそうですので今回は是にて!日々是好日♪

若林さん。
くっくっくっとわかってくださりありがとうございます。スタジオの絵まで浮かべてくださって。
オーラの泉とまるまるちびまるこちゃんが、若林さんの必見プログラムなのですね。

若林さんのおっしゃるように、ガガーリンが指導霊としてきてくれていたらうれしいです!

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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