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2007年8月 8日 (水)

ガガーリン67 イリューシンのことは当時の日本でも

ガガーリン66の続きです。
意外でした。ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行を成し遂げた1961年4月当時、日本でもすでにガガーリンが一人目じゃないという噂がかなり具体的な内容で報道がされていたのです。

まず
【週刊読売 1961年4月30日号】

「3人目だった? ガガーリン 宇宙人誕生までとその後」というタイトルの記事が6ページ掲載されています。
その中で読売新聞のモスクワ在住の特派員が以下のようなうわさがあるということを語っているのです。


「ガガーリン少佐の前にも宇宙飛行が試みられ、ボリセンコという飛行士と、飛行機設計技師のイリューシンのむすこが飛んだが、ボリセンコは死亡、イリューシンは頭がおかしくなり、ガガーリン少佐は三人目にようやく成功したのだ、といううわさもある」

ガガーリンが三人目のうわさの根拠としてイギリスのデイリーワーカーの4月12日の1面トップ記事が挙げられています。

同紙によると「打ち上げの日は四月七日、打ち上げられた人間は男性でソ連最高のテスト・パイロットであり、情報のソースは、モスクワ情報筋から同紙のモスクワ特派員が入手したもの」となっている。
同日のアメリカCBS放送は、はっきりイリューシンの名前をあげ、「生還したが、頭がおかしくなった」と伝えている。


この週刊読売の記事は、七日にボリセンコ、十日にイリューシン、十二日にガガーリンが打ち上げられ、ガガーリンになって初めて成功したという説が一部で語られていることも伝えています。ソ連側は当時その噂の一切を否定し、ガガーリンが宇宙飛行をおこなった一人目であるという姿勢はかわらなかったようです。

【サンデー毎日 緊急増刊 1961年4月】
一冊まるごと「宇宙人間誕生す」という特集号。この増刊号も、デイリーワーカー他の10日に打ち上げがあったという報道などを挙げています。サンデー毎日では「デマ」というニュアンスで受け止めていたようです。
こんな風に書かれています。


モスクワでは七日ごろから人間衛星のウワサは高まっていた。十日夜には信頼すべき非公式筋が「人間衛星の成功」を伝えていた。モスクワの外国特派員から、全世界にニュースが流れたのはこの時である。(中略)
「ソ連の宇宙パイロットは目下障害を受けて診断中」という前日のデマ報道があとをひいて デカデカ新聞にのっているという日本では、一番あわてた報道陣をトップに町ゆく人々も「またデマではないか」と一たん首をかしげたくらい。だが、新聞の号外とテレビ、ラジオの臨時ニュースに気をとり直して”とうとうやったか、すごいナ”といった表情だった。


これを読むと、当時の人たちは、ガガーリンのニュースに最初は半信半疑、そのあと信憑性を感じてじわじわと熱狂という感じだったのでしょうか。

【週刊新潮 1961年5月1日号】
東京情報という2ページの連載コラムの5月1日号がガガーリンについてのものです。
打ち上げ報道の狂騒が綴られています。少し抜粋してみます。


十日の真夜中、電話のベルにたたき起こされた。支局へ走り着くと、すでに全員顔をそろえて、ソ連が人間衛星を打ちあげたらしいという情報を検討中だった。

11日には。
ロンドンからの至急報-イギリス共産党機関紙デーリー・ワーカーが、「ソ連は七日に人間衛星を打ちあげた」と報道したというのだ。
パイロットは、有名なイリューシン・ジェット機の設計者セルゲイ・イリューシンの息子である、とそこまで報道したのだから、たしかな情報を思われた。
ところが、十二日朝から午後へかけて、ソ連のタス通信は、デーリー・ワーカー報道を頭ごなしに否定した。
(中略)
モスクワから連絡があった。「ソ連では、すべての国民は午前十時(日本時間午後四時)の放送に注意しろ、と呼びかけているぞ」ということだ。
われわれが飛び上がったのは、つぎの瞬間であった。午後四時四分、テレタイプのベルが鳴り、ロンドンから第一報が入った。さらに三分後には、日本NHKがチャイムを鳴らして、人間衛星成功の臨時ニュースを伝えた。
私はすぐにソ連大使館へ電話をしようとしたのだが、あちらの電話は、全部話し中の連続。日本の新聞社、個人からの電話でギッシリだったというから、彼等の関心のほどは、おどろくべきである。


このあと、週刊新潮は、ガガーリンは12日に飛んでいないのではないか。
7日に飛んで帰還後精神障害を起こし、公衆の前に出られなくなった宇宙飛行士の身がわりにすぎないのではないか、とも推測していますが、断定的なことは書いていません。

ただ、当時の週刊新潮にもイリューシンの名前が出ていることと、ガガーリンのことが速報で伝えられた12日の日本の様子が詳しくかかれていることが興味深かったでした。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
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