ガガーリン68 もうすこしイリューシン
ガガーリン67にひきつづきもう少しイリューシンを。
たとえばニューヨークタイムズでは1961年4月13日の紙面で、
イギリスの新聞デイリーワーカーの宇宙飛行士が地球を3周したという報道やうわさなどについて触れています。
見出しは「Reports of Earlier Launching Of Astronaut Are Still Unclear
But Experts Doubt Russian Flew 3 Orbits Friday and Returned, as British Red Paper Insists---Denials Voiced」
・・・・・・・・・・
さて、1961年4月当時の海外の日刊紙各紙を追っている最中ですが、
インドの新聞THE HINDUがなかなか面白いのでご紹介します。
今まで、私が閲覧してきたのはアメリカではニューヨークタイムズ他、
イギリスはデイリーワーカー、タイムズ他。フランスはルモンド。
ドイツの新聞。中国は人民日報。韓国も2紙ほど。
その中で、予想外にガガーリンや宇宙開発についての記事が充実しているのがこのTHE HINDUなんです。
(言語が英語なのもうれしい)
THE HINDUという単語の間に描かれている絵(ロゴといいましょうか)もかっこいいですね。
象と向かい合っているのは下半身はライオン、上半身は女性にみえます。
インドの神話の女神でしょうか。
THE HINDU。4月13日の新聞でガガーリンの人類初の宇宙飛行を伝えながら、
やはりデイリーワーカーが報じた、金曜日の宇宙飛行についての件について触れています。
そして、アメリカのCBSで報道されたことが詳しく紹介されています。
それは「U.S.RADIO REPORT」という見出しの記事。
記者がニューヨークから4月11日に送ったもの。
少し訳してみます。ざっくりと(厳密に訳せていないかも)。
CBSのラジオとテレビは今晩のニュースで、モスクワの特派員Marvin Kalb氏からの、
ソビエト連邦は人類を宇宙に上げ帰還させたというレポートを伝えた。
Kalb氏はこの情報は非公式の筋からによるものであるとし、
そしてその宇宙飛行士は、有名な航空機設計家の息子、セルゲイ・イリューシンだろうと付け加えた。
(このくだりの原文 and added tha the spece man might be Mr. Sergei Ilushin, son of the famous aircraft designer.)
ワシントンのロイター通信社は、Kalbの言葉を引用し、
セルゲイ・イリューシンの身体の状態は悪く、
現在存命であるかどうかはわかっていないと語っている。
CBSによれば、イリューシンは地球を3周したとのことである。
ガガーリンの人類初の有人宇宙飛行。
当時の新聞は図書館などで確かめられても、
ラジオやテレビがどんな言葉で報道したかについてはなかなか掴むことができません。
インドの新聞がこんなに詳しくアメリカの放送の内容を伝えたことも意外でしたが、
当時しっかりと、セルゲイ・イリューシンの名が報じられていたことにもびっくりでした。
ただ、真偽のほどは結局はあいまいそのままに新聞でも情報の一つとして流されているようですが。
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