グラウンドに浮かぶ虹
縁あって応援しているチームがあります。
何人かの選手の「素」の場面に出会い、そのひたむきさを応援したくなったから。
そのチームが負けてしまいました。
順調に勝って来年の春、あこがれの全国大会に出られるところまで行くのではないかと思っていたのに。
彼等に待っているものは、長い秋と長い冬。次の目標は来年夏のリベンジ。
その試合が始まるのは来年の3月頃というみちのりです。
勝ち進んでいるチームは全国大会出場の夢を10月か11月まで追っていられる。
そして選ばれたところは来年春まで、全国制覇の夢を持ち続けていられる中で、
この半年間、次の夢に思いをきりかえなければいけない彼等。
翌日の今日。どんな気持ちでいるのか。
私は部外者だけど、応援をしている素敵な方々と有難くも交流させていただき、
彼等の練習を見にいかせていただきました。
今日練習があるのかわからないとうかがっていましたが、彼等は練習していました。炎天下で。
自主練だったのでぴりぴりした雰囲気ではなかったようです。
仲間と練習に打ち込む彼等をみていると、本当にそのスポーツが好きなんだなと思いました。
大好きなスポーツに打ち込んで、死に物狂いで練習して、
それなのに目指していた目標に届かなくて、
そのスポーツに裏切られた気持ちになったりしないのでしょうか。
モチベーションが下がらないのでしょうか。
落ち込んでも、そのスポーツが好きだから、練習をやっている方が気がまぎれるのかしら。
「好きなもの」に出逢ってしまったがために、過酷な鍛錬の日々を送ることになり、挫折も経験する。
けれど「好きなもの」で悔しい思いをさせられても、
その「好きなもの」に打ち込むことで悔しさをまぎらわせたり、救われたりする。
ふと、浜崎あゆみの歌「M」のサビを思い出しました。
愛すべきものがあって、そのために深い傷を味わうけれど、
結局癒してくれるのもその愛すべきものというような詞。
練習が終わって、グラウンドを整備する彼等。水を撒くと傾きかけた西陽の中、虹が浮かび上がりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どのくらい落ちこんでいるのか内面はわかりませんが、想像以上に彼等は強かった。たくましかった。
応援されている方々は何度も勝ちも負けも経験していらっしゃるから、
こんな時はどう声をかけたらいいというのをすごく心得ていらっしゃるようでした。
これからも、応援したい。晴れの舞台を目指す、地道な道を見守っていきたいと思いました。
でも、応援したいというのは違っているのかも。あんなにたくましい彼等におこがましい。
勇気づけられたい、というのが正しいな、きっと。
彼等になぐさめはいらないって今日わかったし。
逆に教えてほしいくらいです。
一つの夢がかなわなくて、挫折を経験しても、「ネクスト」ってどうやったら切り替えられるのか。
どうしてそんなに打ちこめるのか。
これからも努力が報われないんじゃないかとむなしい気持ちに襲われないのか。
はるかに年下だけど、本気で尋ねたい。挫折の克服の仕方、気持ちの立て直し方。
人生も試合も勝ちにこしたことはないけれど、
「負け」た時こそ、人としての「生き様」がでるものですね。
そして、そこにこそ、他の人が、勇気をもらったり、
胸打たれたりするものかもしれません。
水が撒かれたあとのグラウンド。
きっと彼等の聖地。
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