今期の浅田真央のEX---崇高な芸術の領域へ
スケートカナダのEXでの浅田真央の演技をみました。
気になっていたのです。
コバルト色のコスチュームで長い髪をおろしたまま滑っている様子がテレビで映し出された時、
はて、いつの映像だろうと。
グランプリシリーズ。少なくとも地上波ではEXを放送していないと思うのですが、なぜ放送してくれないのか残念。
こちらでみました。http://www.youtube.com/watch?v=AYvxgAb1LbM
ロシアのテレビからのようで、ロシア語の解説がはいっています。
ロシア語勉強者はフィギュアとロシア語と2つを楽しめます。
そのプログラムは。もう、すばらしい、エクセレントの一言。
浅田真央はもうこんな高みまで到達していたのか、と思いました。
今期、バレエを身につけ、ロシアのタラソワコーチにも習いというのが大正解の選択で、
昨シーズンよりもはるかに大人っぽく、ふんわりさからしっとりとした力強さへ、
激しさを伝える表現力溢れる演技へかわっている。
ショートやフリーのプログラムに感じてきましたが、
もっともその成長を感じさせるのはEXのショパンの「別れの曲」かも。
ジャンプもきれいに決まっていますが、
ただ、音楽にあわせて滑るというところだけでも人をこれだけ魅了できるとは。
ベテランスケーターが引退してからジャンプ以外で魅せるスケートをする、というのに近いくらい、
<音楽にあわせて滑る>ことだけで感動をさせるのです。
ショパンの曲調とテンポとピアノという楽器の音色とこの女性ボーカルの声質が
浅田真央にぴったりというのも功を奏しているのでしょう
(ショートのバイオリンの曲は、真央の新境地という意味で絶対必要な曲ですが、
真央の演技や放つ波長より「キー」がちょっと高く、音質も細くてシャープかなと)。
今期のフリープログラム「ミスサイゴン」でのキムヨナもそうですが、
真央もEXの曲の出だしからバレエのパントマイムのように体全体を使って「表現」があります。
プログラム全体から「心」が伝わってきます。
ピアノのアップテンポのところでは軽やかに跳び舞い、
女性ボーカルの声が高らかに伸びるところでは、美しいスパイラルやすーと滑ってゆくなめらかな動き。
すべてが曲調とぴったり。
両腕を腰のあたりで「うしろで」にして滑るところとかも素敵。
真央が今期、バレエを習って表現力を身につけたというのが一番感じられるこのEX。
完全に芸術の崇高な領域になっていました。
映像は
・真央がリンクにあがって、演技がスタートするまで(身体をならしたり名前がコール
されたり )を1分以上。
・「別れの曲」の演技。
・アンコールでショートプログラムの抜粋演技。
・再度のアンコールで、音楽なしでビールマンスピンを披露
の4つが途切れることなく9分以上たっぷりと納められています。
このEXをみると、なんという天才少女が地上にあらわれたものか。
浅田真央とキムヨナは世界の至宝だと、北島マヤ、姫川亜弓にさらに重ねたくなってきます。
(追記 2007.12.18)
別れの曲。レスリー・ガレット(Lesley Garrett)の「So Deep Is The Night」のようですね。
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