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2007年11月12日 (月)

秋の四辺形---星空ダイヤモンド。宇宙間にかっとばせ

「春のダイヤモンド」、「冬のダイヤモンド」と親しまれている星の並びがあります。

春は。
しし座のデネボラ、
りょうけん座のコル・カロリ、
うしかい座のアルクトゥールス、
おとめ座のスピカの4つの星を結びます。
すると、トランプのダイヤのようなひし形になるので「春のダイヤモンド」と呼ばれているのです。

冬は。
オリオン座のリゲル、
おおいぬ座のシリウス、
こいぬ座のプロキオン、
ふたご座のポルックス、
ぎょしゃ座のカペラ、
おうし座のアルデバランの6つの一等星。
こちらは六角形になる姿をダイヤモンドとたとえています。

では、秋にはダイヤモンドはないのでしょうか。
・・・・・・・・・
秋の宵空。
明るい星が少ない季節ですが、秋といえば「秋の四辺形」。
空の高いところで4つの星が四辺形を作っています。
この4つの星がさまざまな秋の星座をみつける目印とされています。
秋の四辺形。
アメリカでは野球の1塁ベース、2塁ベース、3塁ベース、本塁ベースにたとえることもあるという話をききました。
さすが、野球の本場アメリカ。

野球では、塁と塁をつないでできる四角形をダイヤモンドといいますよね。
ということは、「秋の四辺形」イコール「秋のダイヤモンド」って呼んでもいいんじゃないかしら。
(勝手に命名)

今の時期、19時頃の西の空はこんな感じ。
夏の大三角が立っています。


                ・(デネブ/白鳥座)



・               ・(ベガ/琴座)
(アルタイル/わし座) 
      
         <西>

20071112_1900natsunodaisankaku_2

↑この画像もステラナビゲータで再現したものです。



次に南に向かって立って、空の高いところを見上げるとこんな感じ。
これが「秋の四辺形」。別名「ぺガススの四辺形」。
実際には夏の大三角よりも小さく見えます。
一辺がデネブとベガを結んだ線の半分ぐらいカナ。



   ・            ・
現在は           β(ベガスス座)
アンドロメダ座のα 



 ・               ・ 
γ(ベガスス座)     α(ベガスス座)  



        <南>

これを、野球のダイヤモンドに見立てると


   ・            ・
 1塁            本塁




 ・               ・ 
2塁             3塁

この中で私がいつも最初に目に留まるのが1塁の星。
なのに、なぜ1塁が本塁にならないのか。それは


 ファウルボール
                             (アンパイヤ)
             ・            ・
         1塁            本塁   (右バッター)


                   (ピッチャーズマウンド
                     私は肉眼でなかなか見えず)

         ・               ・ 
         2塁             3塁

                            
 
ホームランボール             (これは3塁側ブルペンの
 この先にいくつかあり           ピッチャーか)

というように、βを本塁にみたてるといろんな星の配置がぴったりなんです。
カシオペア座のWの字がかろうじて見えるぐらいの住宅街の夜空で上に挙げた星は肉眼で見えます。
ピッチャーズマウンドにあたる星はなかなかみられないけれど
星の本にはちょこんって描かれていたりします。

ところで、私は小さい頃、野球の「右中間」を「宇宙間」と思い込んでいました。
遠くに弧を描いて飛んでいくボールを、宇宙に飛んでいく様子にたとえて生まれた言葉だと。
もちろん10代のうちに、正しくは「右中間」だとわかったわけですが、
一度覚えたことってなかなか消えませんね。
大人になった今でも、「ウチュウカン」と実況を聞くと毎回、
条件反射で「宇宙間」という単語と、大気圏を抜け、満天の星の間に輝く白球が飛んでゆくーという場面が浮かびます。
わずか1秒ぐらいで、すぐ「いかん、右中間右中間」と頭の中で訂正が入るのですが。

「秋の四辺形」を野球のダイヤモンドと想像すると、
たくさんの星たちが、バッターが打って飛んでいった白球一つ一つにみえてきませんか。

実際の野球場では一つ一つの球はきちんと拾われて、こんな風にちりばめられたままということはないのでしょうけれどね。

日が暮れるのが早くなった季節。練習のあと、夜空を見上げながら、星空で繰り広げられている壮大な野球に思いを馳せてみてください。

(追記 2007.11.23)
秋の四辺形(ベガススの四辺形)は英語ではthe Grate Square of Pegasus。
これをbaseball Daiamondにみたてている記事を一つご紹介。
アメリカのサンディエゴユニオントリビューン紙のサイトです。
Sandiego.com。

2007年10月11日の記事(残念ながらリンク切れになりました)です。
4つの星をhome 1st 2nd 3rdと結び、All-star bassball afer darkとキャプションがついています。
確かに文字通りオールスターですね。

(2015.2.1追記)
ステラナビゲータ10でこの日の秋の四辺形を再現してみました。
20071112_1900akinoshihenkei


春、秋、冬の星空に
ダイヤモンドができました。

星やプラネタリウムINDEXはこちら

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コメント

「秋の四辺形」、昨日の夜みつけました!本当に四角なんですね~。
天体は学生時代どこかで勉強したはずだけど、実際夜空で見たのは初めてだったかも?!
なんだかすごくうれしかったです♪これからもいろんな星の見つけ方を教えてくださいね。

シーカンさん。早速空を眺めてみてくれたのですね。ありがとうございます。
明るくない星なので、目をならさないと見えづらいですが、綺麗な四角形ですよね。
(ちょっと2塁にあたる星が外野寄りですが)
これからもいろんな星遊び、ご紹介しますね。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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