冬のプチダイヤモンド
ホームズ彗星の話題などもあり、最近、帰り道にいつもよりも夜空を見上げているという方も多いことでしょう。
早くも、冬の代表的な星座オリオン座が夜中の空に凛と輝く季節になりました。
「冬のダイヤモンド」と呼ばれる星の並びをご存知ですか。
オリオン座のベテルギウスを中心とする6つの一等星
(オリオン座のリゲル、おおいぬ座のシリウス、
こいぬ座のプロキオン、
ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、
おうし座のアルデバラン)
を結ぶと六角形ができあがります。
この六角形が「冬のダイヤモンド」。
様々な色の宝石のような一等星を結んでできる美しい形はこの名にぴったりですが、
実は今、この冬のダイヤモンドの内側にもう一つ六角形に結べる星の並びがあるのです。
それは「冬のプチダイヤモンド」(私が勝手に命名)。
火星が今ふたご座にいるからこその形です。
ポルックスのかわりに火星、ぎょしゃ座のカペラのかわりに
ぎょしゃ座の五角形の一番オリオン座寄りの星βを結びます。
つまり、ベテルギウスをとりまくように、
リゲル、シリウス、プロキオン、火星、β、アルデバランをつなぐと・・・。
すると、より正六角形に近い美しい並びをなぞることができるのです。
冬のダイヤモンドはスケールが大きすぎて、
空を仰いでその六角形の形を視野におさめるのがむずかしいのですが、
このプチダイヤモンドですと瞳の中で姿全体を捉えることができます。うれし。
夜が冷えてきますが、駅前でタクシーを待っている時、飲んだ帰り道、
などなど夜空を見上げた時、ぜひこのプチダイヤモンドを探してみてください。
図を作れないので、言葉で若干補足。
みつけかた。
1)三ツ星を目印に東南の空に(今の時期零時前後は)オリオン座をみつけたら、
三ツ星を囲む4つの明るい星の中の左上の赤い星をまず目に入れましょう。
これがベテルギウス。この星が六角形のほぼ真ん中になります。
2)オリオン座のリゲル(三ツ星を囲む4つの明るい星の中の右下の星)を目に入れて、
そこから時計周りに星を探してみましょう。
3)まず、シリウス。全天で一番明るい星ですが零時ぐらいですと
低い位置なので東南に高い建物があるとみつけづらいかも。
4)プロキオン
5)火星。赤くて明るくて瞬かないのでわかりやすいです。ポルックスのかわりとなります。
6)β。ぎょしゃ座の主な星は五角形を作っていますがその一番オリオン座寄りの星。
(補足/この星はぎょしゃ座の中ではγにあたり、ぎょしゃ座のβはカペラ(α)の隣にいます。
この星はおうし座ではβ、ぎょしゃ座ではγでした。
一つの星が二つの星座に重複しないように整理され、今はおうし座βとなっています。
ですので星の本ではγ=βTauと記されていたりします。
TauはTaurus、牡牛座のことですね。2007.11.11)
7)アルデバラン。牡牛座の目に当たる赤い星です。
(2015.2.1追記)
ステラナビゲータ10でこの日の星空を再現してみました。
プチダイヤモンドが綺麗な六角形になっている様子を思い出せてうれしくなりました。
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