ガガーリン71 地球は青かったフランス語編
ガガーリンの言葉「地球は青かった」をフランスの新聞で追ってみました。
当時の新聞で追うのは、2つ目的があります。
1つには、一大ニュースとなった当時の人たちがどんな言葉で出来事を受け入れていたのかを知ること。
2つめは、日本でガガーリン=「地球は青かった」とされるこの言葉が
各国でどのくらい浸透しているのかを、記事の扱い方から感じ取ること。
さて、フランスの代表的な新聞といえば、ルモンド(Le Monde)。
1961年4月10日頃からのルモンドをみていくと・・・。
信じられないくらいあっさりしています。ガガーリンの顔写真一枚ありません。
新聞の紙面構成自体が、黒地に白ヌキ文字が躍るとか、センセーショナルなビジュアルの見せ方をせず、文字だけきっちりと並んでいるのです。
ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行が取り上げられているのが4月13日の新聞。
以降、ガガーリンに関する記事はいくつかありますが、
「地球は青かった」につながる言葉はみつかりませんでした。
ガガーリンがイズベスチヤとプラウダの記者にインタビューで語ったことが
4月14日の紙面で紹介されていますが、その中にもなし。
そこで、次の新聞をみることにしました。
フランスの共産党系の新聞「L'Humanite(ユマニテ)」です。
このブログのガガーリンシリーズをご覧になっていらっしゃる方は「あそこに出てた」と気づかれるかもしれません。
ガガーリン65でピカソがガガーリンにイスパイアされて描いた作品を取り上げましたが、この絵が掲載されているのがこのユマニテです。
期待しながら新聞を追っていくと。大量大漁大豊作!!!
ガガーリンの報道は4月13日から始まりますが、写真、記事の掲載が豊富です。
早速、ガガーリンがイズベスチヤとプラウダの記者に語った
「空はとてもとても暗かった。一方、地球は青みがかっていた」の言葉がどう訳されているかみてみましょう。
4月13日11面にありました。
L'envoyé spécial des 《Izvestia》
〝J'ai vu atterrir le premier cosmonaute〝
の見出し( イズベスチヤ特派員「私は初の宇宙飛行士の着陸を見た」
というような意味でしょうか)の記事の最初にこう出てきます。
《La ciel eat très, très sombre, et La Terre bleuâtre. 》
ciel =空、très=とても、sombre=暗い、La Terre=地球、bleuâtre=青みがかった
イズベスチヤの記者がガガーリンの言葉として伝えている
「空はとてもとても暗かった。一方、地球は青みがかっていた」がそのまま訳されているようですね。
地球は~というところだけを取り出すと
フランス語で「地球は青かった」は「La Terre bleuâtre. 」と言えるでしょう。
カタカナで発音を記してみると「ラテール・ブルアトル」となるでしょうか。
(フランス語の勉強を続けている友人のsachiyoさんに教えていただきました)
<次にこの言葉の取り扱いの大きさについて>
この言葉の扱いは見出しにはなっていません。
記事自体が4月13日のユマニテでガガーリン特集が6紙面ほどある中での6紙面目。
つまり一面トップではないのです。
そのため、見出しに「地球は薄青」などという言葉が踊った日本の新聞各紙に比べ、
インパクトある言葉とは読者には認識されていないのではと思います。
※ルモンドで「地球は青かった」につながる言葉はみつけられなかったわけですが、
日本の図書館に所蔵されていないガガーリンの特集号外があったかもしれませんし、
私の見落としもあるかもしれません
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