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2007年12月19日 (水)

グランプリファイナルその1---名演技いっぱい

トリノでのフィギュアスケート、グランプリファイナル。
保存版にしたい名演技いっぱいありましたね。

<ステファン・ランビエール>
絶好調ではなかったでしたよね。フリーのフラメンコ。
体の状態を考慮しているのか、密度濃い演技というより、
うまくめりはりをつけ、静かな動きで魅せる工夫もみられました。
それでも、静かな動きも決して「やすみ」になっておらず、
フラメンコの音楽とぴったりあった見栄えのある振付なのが巧いです。
スピンは以前このプログラムを見た時の方が、「これでもか」という激しさがありました。

<高橋大輔>
ショートプログラムが見事。
ヒップホップだから革新的ということはあまり感じません。
今までアイスダンスなどでもヒップホップの音楽で滑る選手はいたし。
けれど、ヒップホップをただ「使う」だけではなく、
振付までそのテイストに徹底し、完成度と密度濃いプログラム。
それをトップレベルのスケーターがEXではなくて滑るというのはなかなかなかったと思います。
そこが一番評価されているのでは。
だからこそ、フリーは音楽と振付や衣装が高橋の持ち味とくいちがっているような。
弾けたショートに比べ、窮屈そうにみえました。
攻めつづけているプログラムなのに、印象に残るセンスある体の動きのシーンが少なかった気がします。
それでも1位と思っていたので、僅差の2位は残念。

<女子シングルのショート>
競技なのでジャンプ他のミスでついた順位は妥当。
けれど、演技の印象が特に残ったのはキム・ヨナ、浅田真央、コストナー。

<真央>
ジャンプの後に手を羽ばたくところ、片足を膝の位置ぐらいまであげて、鳥のようなポーズで滑る流れ。
スパイラルで二番目の、片脚を高く上に伸ばし(180度開脚ぐらいに)
その脚に片手を添えるポーズの美しさetc.いいですね。

<コストナー>
スパイラルで足をYの字にあげる時も、
そのポジションにいたるまでの体の動きが他の選手と微妙に違っていて、
その動きも美しかった。音とシンクロしたコストナーならではの小粋さが伝わるステップも魅力的。

<女子フリー>

<浅田真央>
前日のジャンプのミスもあれば、不安も緊張も人一倍と思えるのによくぞここまでの演技ができましたね。
大会に出場続ける中で、ミスがあった場合、
逃げずに次に必ずそれを克服して強くなっているところが本当にすごいと思います。
それもまわりには、言い訳したり、がんばりましたとかあまりみせずに、さらりと克服するところが。
クリーンではないとはいえ、トリプルアクセルに挑戦したことも決めたことも、後半の3+3も素晴らしい。
アグレッシブに攻めたプログラム。
そして最後のステップ、あれだけの運動量をこなした最後にこのスタミナと凄まじさ。
演技が終わった直後も、感動でしたね。
テレビ朝日のグランプリシリーズの今回の実況は、
NHKと同じくらいいいなと思っているのですが、
滑り終えた直後の浅田真央の映像を
「いやあ。信じられない。そんな表情。浅田真央」という言葉で語ったのは名一言。
みている誰もが、まったく同じ気持ちで、神がかり的なものすごいものをみたという気持ちだったと思うのです。
それを代弁するかのような。「いやあ」の声が震えているところにも、
現場で浅田真央の演技を目の当たりにした実況陣の感動が伝わってきます。
そのあと、こみあげてくるものをこらえきれない浅田真央も美しかった。
アスリートとしての品格を感じさせます。
フリーでは堂々1位。総合では2位ではあるけれど、
表彰台のまんなかよりも、選手自身が、
「信じられない、こんなスケートができるなんて」という境地の演技が体現できたこと。
そしてそんな演技を私たちが観られることが最大の宝物ではないでしょうか。

<中野友加里>
グランプリファイナルに選ばれた6人ではなく、
選ばれなかったスケーターのラインナップ(村主、安藤、ヒューズ、シズニーetc.)を考えると、
いかに中野がこの2年ぐらいで力をつけてきたかがわかります。
この6人に選ばれたこと自体、大変な快挙。
フリーでのトリプルアクセル、技術だけではなくて度胸のすごさを感じます。
ジャンプは依然、巻き足気味なのがもったいないところですが動きがとてもシャープで
まだまだこれからもさまざまなエレメントを磨いていくことでしょう。

<コストナー>
地元開催がプレッシャーになるタイプかなと思うのですが、ジャンプも決まりましたね。
一回転になったジャンプもありましたが、その後次のジャンプで立て直す精神的な強さも。
開始2分頃のスピンが終わってからのダブルアクセルまでのスローパートは本当に美しいですね。
ステップのこまやかさ、リズミカルさも素敵。
コンテンポラリーなダンスを思わせるような、コストナーのプログラム、大好きです。

<キャロライン・ジャン>
中盤のスピンのあとのスローパートが素敵。
14歳なのにどの一瞬を切り取ってもポジションがきれい。
パールスピンもビールマンスピンも。最後のスピンの片足を前からえいやとあげるポーズも
そこにいたるまでの動きがどの選手よりも一番美しく見えます。

<キム・ヨナ>
ジャンプのミスがありましたが、それを吹き消すくらいすべてが完成されていて美しかったです。
ジャンプも飛ぶ前にスピードが落ちることもなく、飛距離もあり、そのあとの流れもきれい。
と3つが揃っています。
ステップもオリエンタルな曲調にあわせた独創性がいいですよね。

この日の浅田真央とキム・ヨナの演技を会場で見られた人はすごくラッキー。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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