全日本のEX---名プログラムぞくぞく
全日本のEX。一つの国だけでトップスケーターがこれだけ揃う今の日本のフィギュアスケートはすごいですね。
<佐々木彰生>
馬のかぶりものと、16歳でこれだけのショーアップ精神にびっくり。
<水津瑠美>
このEX。語り継がれるぐらいの名プログラムになりそう。
「ナディア」。
エキゾチックででも基本はシンプルなボーカルで、でも途中でダンサブルな構成になっていて、
フィギュアスケートのEXに最高に映える曲ですね。
このエキゾチックな雰囲気が水津瑠美にぴったり。
やわらかく、くねくねっとした手の動きや足の動き
(わざとガニ股のように高く足を踏み上げてステップするところとか)、
表情すべてがインドの踊りを想わせて、神の化身のよう。
わずかな時間のEXなのに別世界にひきこまれました。
(追記2007.12.31)
持っているアルバムの中にナディアがありました!
『Yallah! Yallah! 2』(ヤッラー!ヤッラー!2)。
インド、パキスタン、レバノン、エジプトなどのポップミュージックを集めたコンピレーションアルバム。
その16曲目が「Nadia(ナディア)」。
Nitin Sawhney(二ティン・ソーニー)の曲です。
ヤッラー!ヤッラー! 2
沖縄の音階もにた甘さが心地いい名曲ですね。
ライナーには
ヒンドゥのバジャン(聖歌)的な甘いメロディーをストイックなドラムベースと
アンビエント・サウンドで包み込んだこの曲は
後にあのジェフ・ベックにもカヴァーされている、
とか、
アムリタ(甘露)の如く心に染みわたる
と書かれていますが、まさにアムリタの歌声。
もとの収録アルバムは『Beyond the Skin』となっていますが、尺が若干違っています。
『Beyond the Skin』に収録されている
「Nadia」はNitin Sawhneyのオフィシャルサイトで30秒試聴できます。
こちらのページ。
「ナディア」についてはこちらにもご紹介。
<太田由希奈>
途中で両足でジャンプしてほんの少し開脚をしたところが気になりました。
本来だったら180度ぐらい開脚するバレエジャンプのようなこともできたはず。
やはりそれだけ怪我からまだ復調しきれていないとういことなのかしらと。
それでもやはり流麗。スパイラルで伸びた足の美しさ。
ただ左右に手を広げる時もやわらかい。
安藤美姫や中野友加里のスピード&シャープなスカートが「カタカナ」や「ゴシック体」だとすると、
太田由希奈のスケートは「ひらがな」。「毛筆」。
太田由希奈のたおやかなスケーティングで、ぜひ来年も魅了させてほしいです。
<鈴木明子>
音楽を体一杯で感じて、心から踊る動きにかえている。
そんな風にみえます。
リンクにたてるヨロコビがしずかに伝わってくるような心あらわれるEXでした。
<村主章枝>
また宝物にしたいようなEXを披露してくれましたね!うっとり。
「月の光」。窓辺で外を眺めているような最初のポーズから動き出していくところもミュージカルの一場面のようで素敵。
月光のように青い照明、スポットライト、ペパーミントの淡いコスチュームで、
腕をふわりとさせてくるくるくるとまわる村主の向うにオーケストラ。
すべてが夢心地夢うつつ。
月の光に誘われて重力のない世界で風になびいて踊る、
そんな夢幻のひとときを自分が体験したかのような気がしました。
<南里康晴>
カルメンの最初のステップ。すごく雰囲気がでていましたね。
<中野友加里>
サンサーンスのおなじみの「白鳥」のでだしに加わったギターのアルペジオみたいな導入部分も素敵でしたね。
今回のオーケストラ生演奏、月光と白鳥が一番気に入りました。
スピード感ある滑りで、コスチュームがなびいてほんとうに白鳥のよう。
青い照明がリンクを湖のように照らしだして。
最後のドーナツスピン(その速さと長い時間にもびっくり)から、
片腕が上にのびて白鳥の首みたいにみえるところは何度みても、
鳥肌もの。一度、生でみてみたいプログラムです。
<小塚崇彦>
新たな一面にびっくり。氷上での背泳ぎではヤグディンの若い頃のEXを思い出しました。
中野とのアンコールではおねえさんと可愛い弟みたいでほほえましかったです。
<安藤美姫>
EXのアンコール。20歳でこの雰囲気を出せることにびっくり。
ジャンプだけじゃなく音に対する表現力の幅のアピールとしては効果的なのでしょう。
フィギュアスケートをリンクで観戦するファン、日本では圧倒的に若い女性が多いと思うのですが、
欧米では大人の男女、年配の人もたくさんみかけます。
なので、「セクシー」がテーマになるのもいいのかなと思うのですが、
私自身の好みでいうと「セクシー」って表に出さないのに、匂いたつ、にじみでるのがいいなと。
ミスユニバースもそうですが、演技もメイクも含め、
モロゾフは外国人が好む「日本女性」路線を狙っているのかしら。
<高橋大輔>
白鳥の湖のストレートラインステップのフルオーケストラバージョン。
迫力があってゴージャスでしたね。
そのあとのヒップホップフルバージョン。
す、す、すごい。
よくあれだけ細かな動きが氷の上でぴっぴっと細かく刻むことができるのでしょうか。
蹴り上げた後、ツッと止まるとか。
陸上だと滑ると、こまかく止まるが両立できるダンスってないでしょうし
(ローラースケートは滑ることはできても止まることがスケートよりもさらに難しそう)、
スケートだからこそ、また技術がある選手だからこそできる表現を高橋大輔は発揮していますね。
「踊り」に携わるすべてのダンサーが嫉妬しそうなほどフィギュアスケートが
いろんな「踊り」を可能にする素晴らしさを存分にみせてくれました。
<浅田真央>
この激しくも美しいショートプログラムをフルオーケストラで。
競技ではなくて、舞台芸術となっていましたね。
ストレートラインステップのところで一瞬バランスを崩したところがありましたが、
EXであってもジャンプも軽々と。
別れの曲が最初からみられなかったのは惜しいですが、
片手を添える美しいスパイラルをいいカメラワークで映してくれました。
両腕を前に後ろに扇ぐようになびかせるとか、肩のあたりからの使い方も上手。
とても情感と可憐さが伝わってきます。
最後のうずくまる姿勢にもそれだけでじんと心に伝わってくるものが。
この別れの曲、世界選手権の時にさらにどんな風になっているのか楽しみです。
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