全日本女子フリーの緊迫感
フィギュアスケート女子シングルのフリー。
テレビで想像する以上の緊迫感と感動に現地観戦された方々は包まれたのでしょうね。
<浅田舞>
調子悪そうでしたね。
今期のフリーの「アンジェパッセ」が素敵だったので昨シーズンのプログラムだったのが残念。
ステップとかとても映えるものを持ってますし、来年、また素敵な世界をみせてほしいです。
<太田由希奈>
「アランフェス」。
高いダブルアクセルのあとその余韻を残す「ため」が巧いですね。
サーキュラーステップのところで、フラメンコダンサーが長いスカートの裾を持って踊っているようにみえる振付やイーグルも綺麗。
ただ、やはりフリーはジャンプの時間に演技時間を取られてしまうので、
太田らしいスケーティング部分の「魅せる濃度」が薄まってしまうのがはがゆいところです。
<浅田真央>
トリプルアクセルがシングルアクセルになりましたが、そのあとのたて直しは見事。
ジャンプの質。それ以外のすべてのステップetc.が一番濃い。
このフリーの4分間すら、3秒以上立ち止まるところなく、絶えず滑っていて、凄みを感じます。
後半のトリプルフリップ+トリプルループ。
ダブルアクセル+ダブループ+ダブルループは渾身のすばらしさ。
ループは着地した足でそのまま飛び上がるから、
脚に疲れがきていたらたちまちに失敗につながってしまうわけですよね。
最終滑走の安藤のスコアが出て、優勝が決まった時、
浅田真央の様子が映りましたが、飛び上がってはしゃぐでもなく、
にこやかにコーチと抱き合うところが、17歳にして既に王者の風格。
そのあとのコメントも微笑みをたたえ、かつ涼やかな表情で決して浮かれることなし。
こんなところからも浅田真央の精神性の「大人」ぶりに感心します。
<村主章枝>
オブリビオンの音楽の高まりとあわせてスパイラルになるところがぞくっとくるくらい好き。
そのあとのトリプルサルコウも。
競技プログラムではなくてジャンプをあまり入れない構成でこのプログラムを見てみたいです。
<中野友加里>
村主と3位争い。世界選手権の出場位置を競っている中野。
トリオプルアクセルをやめて、安全策もできたでしょうに果敢に挑むところがすごいですね。
中野と村主にはアスリートとしてのタフな精神を感じます。
後半でトリプルフリップのあと着地と同時ぐらいに片手を腰、
もう片手を広げるいうのはスペインの踊り子っぽくてよかったでした。
最後のドーナツスピンの速さと美しさに圧巻。
持てる力を全部出し切ったというようなはりつめたものがほどけたような涙も素敵でした。
<鈴木明子>
このフリーの「タイタニック」。まだまだみてみたいプログラムです。
鈴木明子とフィンランドのレピストは共通した醸し出されるやわらかな気品を感じます。
出だしの振付も好き。この選曲もあるのかもしれませんが、
この全日本で一番「温かさ、祈り」を感じさせたプログラムかも。
終わったあとのコメントも自分の今の力と課題とこれからの目標をきちんと語りながら、
まわりの選手(年下が多い)の試合に挑む気迫をリスペクトしている様子が伝わってきて、これからも応援したくなりました。
<安藤美姫>
めりはりが上手いプログラム。動きがシャープ。重圧の中でこれだけの演技ができる精神力は立派。
いくつかのジャンプを飛ぶ前の姿勢が、
腕がぶらんと見えるところがもう少し美しくみえるようになるとさらに印象が変わるのかなと思います。
演技後、会心の出来という表情なのがよかったですね。
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