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2007年12月13日 (木)

グランプリシリーズいろいろ

フィギュアスケートグランプリシリーズいろいろです

地上波では女子のフリー以外はダイジェストだったり、
私が録画ミスしていたりなどできちんとみられていないものもありますが観られた範囲で3戦目以降を。

<村主章枝>
参戦した2戦とも、ジャンプミスがあったりスピードが落ちたところもありましたが、
ジャンブが決まったものはとても綺麗。
そしてなにより、この楽曲「オブリビオン」が彼女にぴったり。
競技のプログラムとしてではなくEXでいいからもっともっとみてみたいです。
村主やセバスチェンをみていると、新しい採点になってから、ベテランは大変と思います。
このあいだまで、ビールマンスピンができることが技になる時代だったのに、
今は誰もがこなす必須スピンぐらいになってしまい、
ストレートラインステップも上体を使いめいっぱい踊らきゃいけなくて
どこにもやすみどころがない時代になってしまいましたね。
体力と柔軟性が必要で若い選手の方が有利。
となると、真央やキムユナですらそんなに長く競技は続けられないんじゃないかと不安になります。

<キム・ヨナ>
ショートの「こうもり」。選曲がいいですね。華やかな雰囲気を演出していて。
プログラムはじまってすぐ、表情豊かに自分の世界にひきこむところが見事。
軽快な音楽とともに腰に手をあて、少しコケティッシュな雰囲気をみせ、場内の手拍子がはじまるところ。
あそこでみせるやわらいだ表情も印象的。エレメント以外でも何気ない手の動きすべてが音楽的できれい。
先シーズンは憂いとはかなさが、憂いのイメージがあった分、東洋的ではない「こうもり」の曲調が効いています。
浅田真央とキム・ヨナは先シーズンはこういう魅力を見せたから、
今シーズンはこんな新境地を披露と、プログラムが楽曲、
コスチューム含め、トータルでよく練られていると思います。
去年も真央とヨナのショートが対照的でした。
暖色系、ふんわりとしたよろこびの真央とせつなくはげしい世界を黒と赤の衣装で滑るヨナと。
今期は見事に正反対。、寒色系のコスチュームで激しくせつせつとした曲で滑る真央と、華やかかろやかなヨナと。
去年と入れ替わったことも、二人がショートではもともとの雰囲気(真央=陽、ヨナ=陰)とは逆を演じているのが興味深いです。
そこがさらに「ガラスの仮面」を思い出してしまうのです。
「二人の王女」で、お嬢様育ちの姫川亜弓が虐げられた環境で生き、氷のような心を持つ娘を、
マヤが生まれついての王女、と一見逆の雰囲気の役を演じ、自分のあらたな引き出しを増やすという。

さて、ヨナのフリー「ミスサイゴン」。鳥肌が立ちました。
滑り出しで脚を広げ、くるりくるりと綺麗な軌跡を描くところの姿勢も上体までぴんとそらした姿勢がしなやかで美しい。
両手を胸元にあてるアジア的な挨拶を思わせる振り付けがあったり、
スピンのバリエーションでも、片腕をくの字に挙げてインドの神様のレリーフにもあるようなアジア的なポジションがあったり。
随所にこまやかなオリエンタルな味付けがされていてセンスいいプログラムですね。

<浅田真央>
スケートフランスではショートで、トリプルが1回転になったところもありましたが、
スケートそのものに磨きがかかっていますね。
本当に鳥みたいです。
去年まではふんわり飛ぶ、というイメージだった真央が強く羽ばたいて、もがくプログラムがいいです。
コスチュームで踊る本番よりも、スパッツのような練習ウエアで滑る時の方が、
こんなに激しい動きをしているんだ、手をはばたいて、
上体をそらしてアクロバティックな動きをしているんだって実感します。
スローでリプレイされたスパイラルの美しいこと。
バレエのポジションを体にしみこませているのがよくわかります。
スパイラルでポジションを替える2番目のポーズ(
足をすーと後ろに高くのばして、片手を添えるような)のポジションがすごく美しいと思います。
ショートでトップにたちながらもキスアンドから降りたところで、涙をこらえきれないところにもじーんときます。
けれど、インタビューではそれを押し殺そうとして、甘えをみせないところにも真央のインテリジェンスを感じます。

フリーも、ショートのような曲調。ふんわりとかお客さんが乗りやすいという曲ではなくて、
フィギュアスケートの王道の曲調で勝負しているのがいいですね。
ただ、ショートとフリーでみせているものががらっと違うというわけではないので、
キムヨナより少し不利な気もします。
フリーの最初から最後まで指先に表情があって、一番の見所はやはりストレートラインステップでしょうか。
ピアノの細かなメロディーにあわせて、スピーディーにこまやかに滑るところは見事。
安藤のカルメンのように、わかりやすいキャラクターを演じるプログラムではなくて、
「音」とどこまでシンクロして滑れるかという技巧に挑戦したプログラムといえるのでしょう。

浅田真央とキムヨナはジャンプの失敗があっても他で点を稼げる。
また、ジャンプの失敗があって、たとえ競技としては1位になれないとしても、
見た満足感では群を抜いて印象に残るスケーター。若くしてそんな力を持つ天才スケーターですね。


5戦目のスケートロシア。
テレビに写るモスクワの風景にときめきました。葱坊主の建物が白い雪をかぶっているという冬の町の様子に。

キーラ・コルビ。ジャンプが不安定なものの、氷の上で上品な華がありますね。
まるでディズニーのプリンセスが滑るアイスショーをみているみたい。

中野友加里のフリー。トリプルアクセルを決めたのが見事。
挑戦するところもすごいけれど、これだけ練習したんだからという自信が後押ししたのでしょう。
グランプリファイナル出場もうれしいです。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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