ツルノリヒロ＆花実ライブ---音のさすらい＆めぐり合い

１１月３０日は吉祥寺のスターパインズカフェでのツルノリヒロ＆花実ライブにいってきました。

１１月にツルノリヒロさんがアルバム「光のように、波のように」、
花実さんが初アルバム「月の娘」をリリースされ、
その曲を中心としたライブがおこなわれたのでした。

一部では「ポケットにライカ」や、イバラードシリーズなど、
花実さんのオリジナル曲を堪能。
じんわりとしあわせな気持ちにさせてくれます。
「still water」「空の水」が聴けなかったけど、「僕らの風景」も聴けてよかった。
透明なのにきりりんとした強さもあって、
手をきゅっと握って、新しい風景へ連れて行ってくれるような、
前向きな気持ちにさせてくれる「僕らの風景」。

二部はツルノリヒロさんのインドをテーマにしたドキュメントタリーのサウンドトラック「光のように　波のように」の楽曲中心。
ツルさんは天性の旅人なんだなと思いました。
ヴァイオリンという楽器でいろんな楽器や声の人と出会い、
一箇所にとどまらずに風のように流れてゆく。
二胡、ウードあり、オーボエ、アイリッシュの笛あり。
いろんな国で生まれた楽器が奏でる世界。

思いがけず、大好きな「rape blossom feild」も演奏されてうれしかったです。
二胡とヴァイオリンの組み合わせもこの楽曲のなめらかさ、艶やかさを引き立てていました。

ニューアルバム以外の曲からは「太古の太陽」も。
私の魂の還るところともいえる１曲。
「太陽」とタイトルにありながら、私がいつもこの曲に浮かぶのは、
漆黒の闇の中で孤独にひたすらに進んでゆく星の光。
今回のライブ版「太古の太陽」。
ヴァイオリンからはじまって、
オーロラのようにふんわり花実さんの歌声がヴァイオリンの音を包むように流れるところ、
いろんな楽器がヴァイオリンの仲間になるように一緒に奏でていくところに
さすらい、めぐりあい、あらたなはじまり、みたいなものを感じてしまいました。
せつない曲なのに、ライブの度々、いろんな心象風景が広がって感じられる曲です。

圧巻はアルバム最後の曲「光のように、波のように」。詞：花実。曲：ツルノリヒロ。
花実さんの声がひゅるんひゅるんしています。
アルバム「月の娘」の世界とはまた違った雰囲気。
決して曲調がアラビアチックというわけではないのですが、
日干し煉瓦とか赤い大地が浮かんでくるような悠久な世界を感じさせる曲。

ひゅるんひゅるん、飛翔する声が気持ちよくってこの週末はずっとこの曲をリピ。

ところで、二胡他で参加されている芳晴さんとツルさんとの出会いが、15年以上にさかのぼるお話、興味深かったです。
芳晴さんが下北沢の路上で演奏されているところに通りかかったツルさん。
再度立ち寄った時にもう一度、演奏をきいて気に入って、飲んでいる場所に誘ったのだとか。
音を通じて音楽家と音楽家が出会い、あらたな風景を目指してゆく。
そんな音のさすらい＆めぐりあいを愉しんだライブでした。

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