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2008年1月25日 (金)

雪の殿様---土井利位(その2)

23日は私の住むエリアでやっと初雪となりました。
早朝はあられ。朝は雪。お昼前はぼたん雪からみぞれ。そして雨にとかわりました。
傘からコートの腕を伸ばしてみたのですが、結晶の形の雪は見られず。

雪の被害に遭われた方も、雪なんてこりごりという方もいらっしゃると思うのですが、土井利位のことをもう少しご紹介します。

土井利位。どいとしつら(1789~1848)。古河藩主。

古河歴史博物館が出された図録「雪の華-『雪華図説』と雪の文様の世界」にこう書かれています。

江戸も末の天保年間、古河藩主土井大炊頭(おおいのかみ)利位(としつら)の『雪華図説(せっかずせつ)』は、日本で初めて著された雪の結晶の観察図鑑として誕生しました。顕微鏡を用いたこの観察記録は、江戸時代における自然科学の成果のひとつとして高く評価されています。
やがて、雪の結晶-「雪華」は、文様としても江戸の世に生きる人々にもてはやされ、「大炊模様」として流行するまでになったと言われています。


土井利位の素晴らしさは、20年もの間、雪の結晶を丹念に観察してスケッチしたという自然科学者の域ともいえる活動、描いた雪の結晶が文様として広まることになり、結果的にグラフィックデザイナーのような「仕事」を果たしたという2つの側面があるといえるようです。

確かに利位による雪の結晶。タッチがすごくいいのです。現代のアートデザイナーがクリスマスのポスターやギフト用に描きました、と言われてもそうなんだと思ってしまうくらい。

私が一番惹かれているものは、サイエンスとアート。自然の中に存在する美。
まさに雪の結晶はサイエンスでありアート。
利位が写実したその姿が、広まっていくのは「雪の結晶」だからこそ。もし植物の気孔とかだったら、どんなに絵心がある人のスケッチでも文様やアートにはならないでしょうから。

利位が自然が雪華を創り出すという不思議さとその美しさに惹かれてやまないこと。男性であり、政治家(藩主)という立場なのに。それがうれしいのです。

利位の政治的業績では、天保8年(1873)における「大塩平八郎の乱」鎮定がつとに著名であるが、慢性的な赤字のつづく幕府財政の建て直しなどにも見るべきものがあることはあまり知られていない。とりわけ、「天保の改革」の水野忠邦失脚後は、首席老中となり、幕府財政再建に大きく貢献している。
という人物です。

そんな殿様に特に親しみを感じてしまう一つが、古河藩士に宛てられたという書状です。達筆な文字をしたためた書状のあちこちに雪の結晶がちりばめられているのです。押印などの方法で。
それって私たち女性が、友達に雪の結晶のデザインの便箋に手紙文を書いたり、メッセージカードの余白に雪の結晶のスタンプを押して楽しむのと同じ感覚ですよね(^o^)丿

雪の結晶を写真ではなくて筆で形にする。

利位が顕微鏡&写真撮影という手段を持っていたらどんな写真集を残せたのだろうと思うと同時に、その手段を持たなくてよかったなあとも思うのです。肉筆という「味」とそれにまなざしを向ける「いとおしさ」を私たちは享受することができるのですから。

とりとめなくなってしまいましたが、利位シリーズ、もう少し続きます。古河歴史博物館による図録や、利位に関する文献、古河の町で発見する雪の結晶マーク、などを追っていく予定です。

記事中、青い部分は図録「雪の華-『雪華図説』と雪の文様の世界」(古河歴史博物館)からの引用です。

【雪の結晶と土井利位】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら

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コメント

雪の結晶、綺麗だよね。
雪といえば、何年か前、中谷 宇吉郎の雪の研究の展覧会が銀座であって、良かったなぁ。中谷さんのお孫さんだかが音楽家で、ピアノの演奏付きで、五感が綺麗なものに囲まれたって感じだった。またやらないかなぁ。

ポポ手さん。ほーんと綺麗ですよね。
銀座でご覧になったのですね。私も代官山で中谷宇吉郎の展覧会をみたことがあります。中谷宇吉郎、娘さんは霧をつくりだすアーティストでお孫さんが音楽家なんてすごくハイカラですね。

emiさん
50ページの雪華図説届きましたー。雪華の施された物たちのなんと美しいこと。深雪観音という雪の観音様もいらっしゃるのですね。こちらはもう暫く雪の季節続きますので、図説ゆっくり楽しみます。教えてくださりありがとうございました。そうそう北海道銀行のマークも雪の結晶でした。

nonさん。早速図録が届いたのですね。美しさ分かちあえてうれしいです。nonさんの「雪華が施されたもの」という表現も素敵ですね。雪華図説の中で描かれている雪華の一覧が掲載されているのもうれしいですよね。印籠、刀のツバ、すずり箱etc.世界に誇れる逸品ですよね。
北海道銀行も雪マークなんですね。東京の市ヶ谷に雪印の雪の結晶マークの看板があって、いつも綺麗だなと思っていました。
北海道は雪の結晶デザイン、あちこちにありそうですね。
寒いでしょうけれどもうしばらく雪の季節、nonさんの感性でお楽しみくださいませ。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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