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2008年1月20日 (日)

雪は自然が作り出すアート---土井利位(その1)

今朝、近所の公園にでかけたら、大きな池なのに凍っていてびっくりしました。
小さな石を投げると3秒ぐらい氷上にとどまって、
凍っているところが少し割れてゆらゆらと沈んでいったので、
氷状態になっているのは表面の2~3ミリという感じかしら。
池のふちは氷は張っておらず、かもはそのへりばかりを泳いでいました。

このところの寒気のいすわりのせいでしょう。
今晩遅くから雪が降るという予報も出ています。
雪。雪国の方や雪が仕事や生活に支障をきたす方は迷惑だったり侮れない存在なのかもしれませんが、
雪がめずらしいエリアに住んでいる私には、待ち遠しい存在の一つ。

雪の結晶のフォルムもすごく大好きです。
雪の結晶。
コンディションいい状態(空中であまり解けず)で降った雪の丸いかたまりを
顕微鏡やルーぺで拡大すると雪の結晶の形にみえるんだとずっと思いこんでいました。
雪が、肉眼でもみえる結晶の形のまま降っていることを知ったのは大人になって冬にロシアを訪ねた時。
降ってきた雪を赤い手袋で受け止めたら、繊細な六角形の針が広がる結晶の形になっていた時の驚き。
赤い手袋に結晶の刺繍をあしらうように次々と舞い降りる六花。
こんな愛らしい繊細な形、手先の器用な職人でさえ創り出せない造形を「自然」が作り出す。そのことに感動しました。
雪の結晶。虹、星の光、オーロラと同じく、人の手をはるかに超えた存在が作り出す自然界のアート。

さて、雪の結晶というとどなたが思い浮かびますか。
中谷宇吉郎氏、ベントレーがすぐ出てきた方はかなりの雪の結晶通。
土井利位(どいとしつら)のお名前が出た方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

土井利位(どいとしつら)は江戸時代の古河藩藩主。
雪の結晶に見せられ、蘭鏡という観察器具で結晶を観察。その姿をスケッチしました。
20年もの月日をかけて紙に筆で描きためられた結晶たちは、『雪華図説』『続雪華図説』にまとめられ刊行されました。

私は、雪の結晶に魅せられ、丹念にその姿を筆に納め続けた土井利位の情熱と姿勢にとても惹かれています。
この「雪の結晶」のカテゴリでもう少し土井利位のことを追っていきますが、
古河市にある古河歴史博物館では今、「冬のテーマ展 雪の殿さま 土井利位」が開催中。

利位に興味を持たれた方のためにまずインフォメーションを。

会期は平成20年1月5日(土)~2月24日(日)。
今期のテーマ展はうかがっていないのですが、
かつて土井利位展にうかがった時、
利位がいかに雪の結晶に魅せられていたか情熱を持っていたかに触れられました。
貴重な雪の結晶柄の美しい着物や印籠etc.も唾ごくりものでした。
雪の結晶に心がときめく、という方はぜひ訪ねてみてください。

古河歴史博物館 茨城県古河市中央町3-10-56
電車ですと、JR宇都宮線古河駅から徒歩15分。
(渋谷から意外に近いです。湘南新宿ラインだと古河まで乗り換えなしそのままで59分)

詳細、アクセス、開館時間、休館日等は古河歴史博物館HPをご覧ください。

【雪の結晶と土井利位】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら

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雪の結晶」カテゴリの記事

コメント

銀杏から再びおじゃまいたします。
私も昨年、札幌で初めての冬を迎え、雪の結晶を見ました。夜たまたま外に出ましたら、いつもよりキラキラした雪が。コートに舞い降りた雪は結晶そのもの。慌てて懐中電灯を取りに...夢中で見ました。雪の結晶は思ったより大きく、こんなにはっきり見えるとは知りませんでした。数日前、紀伊國屋書店でベントレーが写した結晶の写真集や結晶に魅せられたお殿さまの切り紙集を見つけました。その殿さまはきっと土井利位ですね。解けてしまうまでの束の間、筆を走らせた古の殿さまに親近感がわきます。続き楽しみにしております。

nonさん。今年もよろしくお願いします。
コートに雪の結晶が舞い降りたのですね!
私も肉眼で見えるほど結晶が大きいことにびっくりしました。直径5ミリはありますよね。
まさにnonさんがみつけられた紋切り型の殿様です。私も時をこえて、利位さんとときめきを共有できるような感覚を感じています。
コメントのnonさんのお名前をクリックして、nonさんのブログを拝見させていただきました。1月19日の冬将軍の牡丹、美しさと迫力に圧倒されました。
ロシアに行った時、窓ガラスの向うがこんな風になる霜模様が存在することを知って綺麗だなって思ったのですが、nonさんのこの窓の模様、見事ですね!

emiさん
ロシアは札幌よりもっともっと寒そうですね。ロシアの冬将軍の描く花はひまわりでしょうか?古河歴史博物館のホームページ拝見しました。雪の結晶模様の着物や袴、印籠や硯箱、とても洗練されていておしゃれでした。ジャパニーズ・ルイビトン? 雪の結晶に魅せられたお殿さまがますます身近に感じられました。「雪華図説」博物館に頼もうと思います。

nonさん。ご存知かもしれませんが、ロシアでは氷点下の厳寒の寒さを「ジェッド・マロース」といいます。マロースが厳寒のことで、「厳寒じいさん」という意味です。札幌も厳寒だと思うのですが、日本で「冬将軍」なのに、さらに過酷なロシアが「爺さん」呼ばわりするのが面白いなあと思うのです。
早速古河歴史博物館のHPご覧いただけてうれしいです。おっしゃる通り、ほーんとに雪の結晶の印籠はヴィトンみたいなんです。この図録、私が持っているものと同じであれば計50ページ。美しくてお値打ちです。

emiさん
「厳寒じいさん」とは愉快ですね。そういえばモスクワに行った友人が-6℃は冬じゃないと言われたと...やっぱりロシアには「爺さん」呼ばわりがぴったりかもです。50ページの「雪華図説」が届くといいです。楽しみ。きょうはそちらも雪ですね。受験生にエールを。

nonさん。そうなんです。今日こちらもやっと初雪でした(^o^)丿
モスクワにいったお友達が-6度は冬じゃないと言われたとのこと。充分すぎるぐらい冬なのに、すごいですね~。
図録には利位が描いた雪の結晶の一覧もあります。ぜひお手元に届いたら楽しんでいただけますように。
nonさんからも受験生にエール、ありがとうございます~

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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