古河には雪の結晶があちこちに---土井利位(その4)
土井利位を知ったのは、茨城県古河市が私の本籍のため。
私自身は暮らしたことはないのですが、江戸時代に先祖が利位をはじめとする殿様に仕えていました。
お墓が古河にあるので法事の度に訪ねます。
その時に古河には雪の結晶に魅せられた殿様がいることを知ったのでした。
私の先祖の職務は「作事方(さくじがた)」。今でいうと営繕のような部署でしょうか。
古河藩の中に、「雪の結晶サポート班」とか、「雪華図説刊行委員会」みたいなものが発足されていて、
そこに所属していたならよかったのに、なんて思うのですが(^_^;)
それでも、お殿様が長年研究していることは末端まで伝わっているでしょうし、
「作事方」の私の先祖もその雪の結晶のスケッチを生で見せてもらったことがあるかもしれません。
見せてもらったら、「すっげーでござる。美しいでござる」とはもちろん言わないでしょうが、
すごく感動したはず。
その感動体験の遺伝子が私にまで受け継がれていたらいいな、なんて。
でも、それは私だけではありません。私たちみんながそう。
ご先祖さまが雪や星や夕焼けや海の青さや虹を見たときの感動体験がきっと遺伝子にインプットされて
脈々と受け継がれているのだと思います。
(2022.2.14追記)
先祖の秋田重致が天保5年に御書物方をしていたことがわかりました。
書物に携わる部署なら雪華図説がさらに身近だったんだろうとうれしくなりました~
※御書物方(ごしょもつがた)とは、
資料の調査や出納、目録の改訂のほか、蔵書の虫干し、保存状態の調査、書庫の資料状態の点検など、
貴重な書籍や文書・絵図を守る仕事のようです)
さて、古河の町には雪の結晶がモチーフとしてあちこちにみられます。
舗装されている道路の上に雪の結晶が。
学校のフェンスの一部も。
学校の校章も雪の結晶をモチーフにしたものが少なくないようです。
【おすすめの古河銘菓2つをご紹介】
一つは古河駅西口から徒歩3分ほどの和菓子やさん「おが和」の「雪華圖説」。
なんという種別の和菓子なのかわかりません。落雁は堅くて乾いていて噛むとほろっとなりますよね。
もっとやわらかくしっとりしています。
推測ですが、白雪糕(はくせっこう)と呼ばれるものかもしれません(間違っていたらごめんなさい)。
普通の落雁よりはやわらかい白い生地の間に上品な甘さの餡がはさまっています。
その白い表面には利位が描いた雪華の模様が型どられています。
白い生地が新雪のようにきらきらまぶしくて、とっても情緒を感じる逸品。
お店の人はお早めにお召し上がりくださいとおっしゃいます。
2~3日以内に。それは日持ちしない、というよりも湿気を吸って、
白い生地が堅くしまってしまうからのようです。
ただ、私は少し日にちが経って、生地がひきしまってからの触感も実は好きなのでゆっくり食べています。
お彼岸などの時は近くの大聖院に訪ねる方々がお土産に買われることも多いので、
なるべく早い時間に訪ねることをおすすめします。
おすすめのもう一つは「桂月堂」の「雪華(ゆきはな)」。
お店は古河駅西口から徒歩約8分。
雪華文様が描かれた落雁です。デザインは6種類ぐらいあるようです。
一つ一つ個別包装されているので、どんな雪華の柄が現われるかは封を開けてからのお楽しみ。
上品な甘さとほろっとしたくちどけがおいしいです。
うす茶色い雪華を机の上に置くと、まるでテラコッタでできた雪の結晶の置き物みたい。
おが和/古河市本町2-4-49
電話 0280-32-0667 9:00~19:30 月休
桂月堂/古河市本町2-7-32
電話 0280-31-2510 8:30~18:30 水休
(いずれも営業時間等は変更もあるかもしれません。ぜひご確認ください)
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emiさん
昨夜はそちらも雪が降ったと聞きました。今札幌は雪まつりで賑わっています。今年の雪像は雪質もよく気温も低かったので大変によい仕上がりだそうです。おととい久しぶりに結晶を見ることができました。幸運なことに、頂物の私のコートは舞い降りる雪華をうまく受けとめてくれるのです。そういえば雪も星も「降る」と言います。儚きものと永遠なるものを司る天からのプレゼントかもしれませんね。
よねさん、emiさんが会いに来てくれて、どんなにうれしかったことかと思います。みごとに猫の一文を果たされ旅立たれたよねさんのご冥福をお祈り申し上げます。
投稿: non | 2008年2月10日 (日) 18:13
nonさん。そうなんです。こちらも雪になりました。
やはり北海道は雪・雪・雪なのですね。
nonさんのコートに雪華が舞い降りる様子を想像してみました。結晶がきちんと見られるなんて素晴らしいです。
『儚きものと永遠なるものを司る天からのプレゼント』素敵な言葉ですね。
永遠---星 雪華---儚さ
けれど、星も朝の光の中に消え入って・・・
だから私たちは惹かれるのかもしれませんね
一瞬の輝きだけど心に残る美しさに
よねちゃんにも温かい想いをくださってありがとうございます。
投稿: emi | 2008年2月10日 (日) 18:28
emiさんは、古河のお殿さまとご縁があったのですね。私の先祖も雪華模様のお召し物のお殿さまに出遇っていたら、きっと「すっげーでござる。美しいでござる。某もほしいでござるー」と言っていたにちがいありません。
お殿さまの愛した雪華が今でも町のそこここで見られるのは、きっと古河のお殿さまが家臣や庶民にもよいお殿さまだったからでしょうね。
あ〜お菓子も美しくおいしそう。札幌では見たことありません。
投稿: non | 2008年2月11日 (月) 21:09
nonさん。「某もほしいでござるー」。いいですねー。私も絶対そう言ってそう。
古河のお殿様がよいお殿様だったんでしょうねと言っていただけて、なんだかとてもうれしいです。
北海道こそ雪の結晶のメッカですが、雪の結晶モチーフのお菓子はありませんか?
おが和の雪華図説と桂月堂の雪華。ほんとうにどちらもクオリティ高いと思います。
クリスマスの季節になると洋菓子中心に雪の結晶の菓子をみつけられますが、通年のものってなかなかないですよね。
nonさんにお届けしたいです。
投稿: emi | 2008年2月11日 (月) 21:31
emiさんの御先祖様は、古河のお殿様と関係があったんですね! ロマンティックなお殿様でいいなぁ。しかも古河にはそのお殿様のロマンが色んな形で受け継がれているのね。
お菓子も綺麗だし、何より学校のフェンスが雪の結晶って素敵です。
投稿: ポポ手 | 2008年2月13日 (水) 21:30
ポポ手さん。そうなんです。利位さんに仕えていたのは祖父の祖父ぐらい? 祖父の祖父の父ぐらいでしょうか。
お菓子、本当においしいですよ。あと、古河といえば、鮒の甘露煮も有名です。
歴史博物館で売ってる雪の結晶グッズもなかなかいいものがあるんですよ。
私はそこでみつけたストラップを愛猫(たま)の写真キーホルダーと一緒に携帯につけています。
投稿: emi | 2008年2月13日 (水) 22:05
emiさん
本日札幌は朝から吹雪いておりましす。というわけで「雪華図説」後半読み進めておりましたら年譜の中に、老中を辞して帰国すると領内を巡り孝行者や困っている村人への救済金を決めたとの件、発見!想像だけでなく、やっぱりお殿さまは善き殿でした。
雪華のお菓子、お言葉に甘えて「某も食べてみたいでござるー」です。私も「雪華のよきもの」(すっかり侍言葉?)を見つけ、お届けできたらなと思っておりました。追ってご連絡させていただきまーす。札幌はこれから数日、雪華日和になりそうです。
投稿: non | 2008年2月13日 (水) 22:43
nonさん。教えてくださってありがとうございます。古河歴史博物館の図録の年譜の後半、なんとくなく読み流していました。村人にとって誇れる殿ですね。雪殿は、良き殿でした~。
おが和さんの雪華図説は日持ちを考えるとむずかしいのかもしれませんが桂月堂さんの落雁雪華なら物理的にお取り寄せ可能な商品かしらと思うのですが。雪にちなんで北海道各都市と古河が姉妹都市になって、古河物産展を札幌市内でやってくださったいいなって思います。
「雪華日和」いい言葉ですね。たいへん厳しい寒さのことと思いますが、それを憂鬱に思わず、雪華日和という発想をされるところが素敵です。
ぜひ雪華ご覧になれたら教えてくださいませ。
投稿: emi | 2008年2月14日 (木) 22:43
emiさんはやはり大好きな御殿様と関係が
ある方だったのですね。
なんかとても素晴らしいですね。
きっと雪華を見て感激した方たちの一人だったのではないでしょうか。
古河は暖かくなりましたらまた絶対に行きたいです。今度は電車でね。
その時はお菓子も買いたいです。
「某も食べてみたいでござる。」です。
ストラップは私も買いました。携帯につけていますよ。携帯も雪華で飾りました。
投稿: ジジ | 2012年2月 8日 (水) 19:32
ジジさん。このページも訪ねてくださってありがとうございます。
土井利位侯は江戸にいることが多くて古河に戻ってくることがあまりなかったそうで、どこまで私の先祖が接触を持てたのかわからないのですが、きっと、(間接的であてっても)わが殿の功績を見て感動したんだろうなって思います。
ジジさんのご先祖様も雪華図をご覧になっていらっしゃることはありませんか?
携帯を雪華で飾られたとのこと、素敵ですね。見るたびうれしい気持ちになりますよね!
投稿: emi | 2012年2月 9日 (木) 08:53