おとめ座野球
春の選抜高校野球が始まりました。さて、選抜出場を逃した野球部はどうしているのでしょうか。
練習試合や春の大会のための地区予選のシーズンなのですね。
冬は他校との練習試合はなく、走りこみなどのトレーニングにも重点を置き、体もがっしりとつくりあげるそうです。
そして、3月になると再び練習試合が解禁。
他県から遠征がきたり、遠征にいったり、試合がおこなわれているのです。
惜しくも選抜を逃した強豪高同士の練習試合は、
テレビでおこなわれている選抜の試合と同じくらい好カード好試合だったりすることも。
そんないい試合が、さりげなーく、下手するとそこの学校の生徒も気づかないくらいさりげなーく、
学校のグラウンドでおこなわれているようです。
幸せの青い鳥は近くにいるように、甲子園に行かずとも身近で素晴らしい試合が繰り広げられているのを観戦できるのです。
現在私がいるところも高校野球熱が高い地域の一つ。
そこの学校や選手に特に縁のない大人が、
プロ野球を観戦するようにひいきのチームをみつけたりして高校野球に燃えています。
冬を越えて、高校球児がどう成長したのか確かめたり、
春、夏に向けてどんなチームが作られていくのか予測したり。
そんな観点でこの3、4月の練習試合を楽しむファンも少なくないとか。
というわけで、まさに『野球シーズン到来』ということで、星空ダイヤモンドに続き、野球にからめた星のお話を。
春の空に輝く星座に、ほんの少し野球に関係する星座があるんです
(といっても、星の本にはそんなことは書いていないと思うのですが)。
それはおとめ座。
おとめ座は農業の女神デーメーテールの星座。
麦の穂を手にした女神の姿で描かれていますが、その穂先に輝くのが一等星のスピカ。
青みがかった白い清楚な輝きで日本では「真珠星」という呼び方もある美しい星です。
おとめ座という名前といい、女神の星座といい、スピカというラブリーな響きの名前の星といい、
春のおぼろがかった空でスピカが瞬く様子といい、すべてが女性的。なのになぜ、野球・・・。
それは、このスピカ(spica)。ラテン語で穂先、針のように尖ったものという意味があるからなんです。
と申し上げると、ぴん!とくる方もいらっしゃるでしょう。
そう、スパイク。スパイクシューズのスパイク。
ラテン語のspica=英語のspikeなんです。英語のspikeにも尖ったもの、穂という意味があります。
鋭く尖ったスピックも同じ語源といえるでしょう。
(ラベンターがお好きな方はspike=spicaをご存知かもしれません。香り高いスパイクラベンダーの学名がLavandula spicaなので)
ラブリーな響きのスピカが、スパイクシューズと同じ語源かと思うとごっつい印象になりませんか。
野球観戦をした夜、空を仰いでおとめ座を見ると、
女神が裸足で麦の穂を手にしているのではなくて、
スパイクシューズをはき、バットを持っているように見えてきてしまうんですよね。
(サッカーをやっている人は、スパイク履いて、バットのかわりにサッカーボールを持った女神を想像してみましょう)
ちなみに私が朝(4時40分頃)おとめ座を眺めていたのは昨年の12月上旬。
なのでおとめ座=冬の星座のイメージ。
一冬かけておとめ座は、空に登場する時間が明け方から夜中、そして宵空へと動いていくのです。
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