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2008年3月15日 (土)

劇団四季の「赤毛のアン」に涙うるうる

久しぶりに舞台を見に行きました。劇団四季のミュージカル「赤毛のアン」です。

中学校時代からの友達と見に行きました。
「赤毛のアン」は私が一番大好きな物語。小学生の頃、初めて文庫本に挑戦したのがこの『赤毛のアン』でした。

それまで子供向けのダイジェスト版童話で接していたので、挿絵のない文庫本のぶあつい『赤毛のアン』を読みおえた時、大人になったような気がしました。

さて、劇団四季の「赤毛のアン」。いろんな場面にくすくすって笑わされたり、そして泣かされました~。

アンを演じる吉沢梨絵さんがとにかくすばらしい。赤毛のおさげをした頭のほわんとした形。つんとした鼻。スカートの裾からにょきっと伸びた足。笑顔。グラマラスではなくて、きゃしゃな10代の女の子の雰囲気。本の中のアンのイメージそのものなんです。

そして、マリラとマシューも、アンをみつめるまなざし、さしのべる手、すべてがもうマリラとマシューそのもの。
ダイアナも本当にダイアナ。

『赤毛のアン』は文庫で10巻全部読破していますが、折々読み返すたびに発見があります。読み返すたびに鉛筆で心に響いたフレーズに線を引いているのですが、毎回違うくだりに、線を引いています。

最初に読んだ小中学生の頃は、プリンスエドワード島の自然や、出てくる食べ物、パッチワーク手芸などに憧れ、「腹心の友」という言葉にどきどきし、私にとってダイアナはあの子かな、とかギルバード・ブライスっぽい人は誰だろうって中学校時代の男の子を見てあてはめてみたりしていました。

20代ぐらいに読み返した時は、アンが世界中に愛される主人公でありながら、まったく完璧じゃない人間(赤毛とそばかすという容姿にコンプレックスを持っていて、自分のことを「にんじん」とからかったギルバードを許さないという根に持つ性格、負けず嫌いでかんしゃくもち)の設定であったこと、なおかつ、それなのに類まれなる魅力的な少女であることにあらためて斬新さ、親近感を感じ、励まされました。

ある時とても印象に残った言葉は、確か終わりの方でアンが奨学金を勝ち取ってギルバードと和解する頃のセリフだったと思います。
「一番いいのは勝つことだけど、その次にいいのは一生懸命がんばって負けることね」というような。

読み返すたびに新たな発見がある楽しさ。昔自分が線を引いた場所をみて、その時この言葉が響いていたのかって、当時の自分に会える楽しさがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、最近、少なくともこの4年ぐらいは『赤毛のアン』を手にとっていませんでした。そして予習せずに、ミュージカルを観にいったわけですが、新たな二つの視点に気づかされました。

一つはマシューとマリラ。二人は独身のまま60歳近くまで生きてきた兄妹。子育ての経験もないのに、孤児院からアンを引き取って育てるのですよね。
そして、父性と母性が芽生え、いろんな喜びと騒動を持ち込んでくるアンのおかげで生き生きとした日常を送るのですね。人付き合いや目立つことが苦手なマシューがアンに袖が膨らんだ服を着させてあげたいからと、街の雑貨屋さんまで出かけるところ。愛する者のためなら苦手なことも取り組める、大切な人ができると強くなるんだと伝わってきます。
最近、がんばる10代を見て、血がつながっていなくたって子供たちがいとおしいって私自身が感じていたので、老人になってからアンという娘を得た二人にいろんなことを投影してしまってうるうる。

もう一つはアンのおいたち。アンは孤児院にひきとられるまで&孤児院での生活をきちんと語りたがりません。自分で勝手に想像しているおいたちを語るのです。文庫本の『赤毛のアン』でこのくだりを読んだ時、あまり深刻に受け止めず流していました。ただ、アンがいかに想像力豊かか、そしてその豊かさが生まれた土壌を紹介するエピソードにすぎないと。

ところが、現代、子供時代のつらい経験がどんなに心の傷になるのかということがテレビや雑誌などでも言われてきている今だからこそ、身につまされます。ミュージカルの舞台で、アンが現実を語らず、頭の中で描いた理想のお父さん、お母さん、幼少時代を語るところに。
アンはグリーンゲイブルズに来るまで、大変深刻な環境だったんだと涙(ToT)になりながら、吉沢梨絵さん扮するアンが披露するジプシーダンス、笑っちゃいました。
アンとジプシーの妖艶さがミスマッチで最高なんです。(^o^)丿

アンがアイスクリームを食べたことないっていうくだりも、アンの境遇が他の子と違うことをさらりと伝えていて、せつなくなりましたが、はじめてアイスクリームを食べるシーンの楽しいこと。
アイスクリームをスプーンの上に載せて競争するスプーンレースの場面。アンやダイアナや子供達の踊り、すっごく生き生きしていて、楽しそうで私までハッピーな気分になりました。

お気に入りの椅子に腰掛けるマシューの膝元でアンが座って甘えるシーンにもじんときました。
『赤毛のアン』ってもちろん10代は一番同世代として楽しめるでしょうけれど、大人になるにつれ、必要な物語かも。というのは、マシューやマリラの目線で物語を発見しなおせるというだけではなく。大人になるにつれ祖父や父という存在を失ってしまうから。

マシューの足元で甘えるアンに、こんな風に私を甘えさせてくれた祖父はもういないと思うと同時に、アンになったつもりでマシューのやさしさを味わっていました。
・・・・・・・

舞台でグリーンゲイブルスの家もドールハウスみたいでかわいかったー。
そして、しっかりアイスクリームが食べたくなって、おいしいバニラを買って、家で食べました(^o^)丿
・・・・・・・
赤毛のアンでは、版画家山本容子さんの絵も大好き。ポストカードサイズの絵を額に入れて飾っています。
赤毛のアンシリーズ(新潮文庫)では、4巻目『アンの友達』もお気に入り。
『アンの友達』はアンを取り巻く人々が一篇一篇完結で取り上げられた短編集。アン自身もほとんどか、全然登場しないはずです。
この中に「ロイド老淑女」という短編があるのですが、これが泣かせます。あたたかい気持ちにさせます。
泣きたくなった時に聴く「泣き音楽」のように、泣きたくなった時に読む「泣き小説」があるとするとマイ泣き小説がこの「ロイド老淑女」。
かなり頻繁に本棚から手に取ってる一冊です。

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コメント

私は、「赤毛のアン」のメルマガに、
登録してました。

ロイド老淑女、読んでみたいですね。
全巻読破したことないので、そちらにも
挑戦してみます♪

女優の松坂慶子さんも、脳科学者の
茂木 健一郎さんも、赤毛のアンの
大ファンだそうです。

確か4月から、NHKの英語を学ぶ
番組で、赤毛のアンが教材で
松坂さんが生徒さん役?になり、
出演される筈。

そちらも、楽しみにしています☆

楽しい空想は、春の健康法だそうです。
下記のHPより↓
http://plaza.rakuten.co.jp/shizen000/diary/20080314/

私もアンを、見習いたいと思います。^^

おんぽたんぽさんもお好きでいらしたのですね。
気候的にも春の芽吹きとか花の咲き溢れる様子がプリンスエドワード島に近いのかしらなんて。
ロイド老淑女は、お話も素敵ですし、構成もよくできていると思います。季節折々の森の風景の描写も素敵です。オーヘンリーの短編が有名なように、老若男女誰にでも読まれるべき価値のある一篇と思うのですが、アンシリーズであるためにかえって、ひそやかな存在になってしまうのが残念なくらい。
茂木さんまで赤毛のアンのファンなんてびっくり。
英語の赤毛のアン番組はじまるのですね。
「腹心の友」の表現とか楽しみです。

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