雪の結晶とある国民的キャラクターの関係
江戸時代、古河藩の殿様土井利位(どいとしつら)は
雪の結晶を観察して180余りの結晶スケッチを『雪華図説』『続雪華図説』として刊行しました。
利位による雪華や、アメリカのベントレーによる2000余りの結晶写真を
眺めるたびに、雪の結晶の形はいろんなパターンがあるなあって、
自然が作り出す御業(みわざ)に感動します。
雪の結晶は中谷宇吉郎博士他によって代表的な形に名前が付けられ
分類されているのですが、なかなか覚え切れません。
そのため、ごく自然に、自分自身が目に留まる形を勝手に名前をつけて
覚えていったりしています。その一つが、この形。
by ベントレー
ある国民的キャラクターを思い出しませんか。
そう、サザエさん! 陽気なサザーエさん、のあの髪型にそっくり。
真ん中が六角形なので、「六角サザエさん」と私はひそかに呼んでいます。
この六角サザエさん。代表的な形の一つのようです。
土井利位もしっかり描いているのです。
by 土井利位
もちろん江戸時代にさざえさんはないので、
利位はこの形をみて「サザエさん」と呼んだことはないわけですが。
私が、土井利位と並んで雪の結晶スケッチの世界三大巨匠と思っている
スコレスビーも1820年に出版した本の中で
六角サザエさんを描いているんですよね。
by スコレスビー
互いに別の時空間にいた3人が雪の結晶に惹かれ、
同じ形を遺しているってことがなんだかうれしいのです。
彼らも、たくさんの雪の結晶をスケッチや写真に納める作業上、分類のため命名をしていたものがあるはず。
何に見立てて、どんな名前をつけて識別していたのかなって知りたくなってしまうのです。
画像は著作権フリー(パブリックドメイン)となっているものを貼っています。
一番上のベントレーによる写真と一番下のスコレスビーによるスケッチはNOAA PHOTO LIBRARYより。
真ん中の土井利位による雪華はThe New York Public Library Digital Galleryより。
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コメント
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emiさん
「六角サザエさん」と一度目にしたらサザエさんの髪型を思い出さずにはいられません。私も「六角サザエさん」と呼ぶことになりそうです。土井のお殿さまも、きっと名前を付けていたことでしょうね。「亀甲雪華の図」とか「孔雀羽雪華の図」とか、想像してしまいます。ここのところ札幌は最高気温6〜7℃と暖かく、雪もだいぶ解けて春近しです。
投稿: non | 2008年3月14日 (金) 20:49
nonさん。美しい雪の結晶にサザエさんを結びつけてしまって申し訳ありません。(^o^)ぜひぜひ、札幌で六角サザエさんをみつけてくださいませ。
土井のお殿様、絶対便宜上名前をつけていたはずなんですよね。nonさんがおっしゃった。「亀甲雪華の図」とか「孔雀羽雪華の図」。ありえそうです!
札幌も雪解けでもうすぐ芽吹きの季節なのですね。きっと一気に春がきて美しいことでしょう。
投稿: emi | 2008年3月17日 (月) 19:52