スターホールの星を見納め
東京・町田駅前、東急の屋上にあるプラネタリウム「東急まちだスターホール」が3月31日をもって、
惜しまれつつ閉館。ということで、見納めをしたかったのですが、やっと昨日、うかがうことができました。
メインプログラム「スターホールの星空にさようなら」。
昨日の解説員の担当は福永則子さん。
スターホールは解説員の方々の生解説が本当にすばらしいのですが、昨日の福永さんもよかったでした。
そして、音楽もよかった~。
始まる前からも場内に流れていた音楽で、「高橋全(あきら)さんの音楽だ!」と思い、
プログラム中にも全さんの名盤『ダンス・オブ・シルエット』の楽曲が流れてきてうれしくなったのですが、
それ以外のシーン、日の入り(日没)、画像が出る場面、日の出(夜明け)の音楽もすっごくいいんです。
誰の曲なんだろーって思っいたら、最後にテロップで「高橋全」とお名前が。
高橋全さんがスターホールのために創られた楽曲でした!
日の入りのシーンでは町田の風景がドームに広がるのですが、
町田の雑踏の音も全さんが収録して取り入れているそうです。
町田にお住まい、勤務などで町田駅前を日常的に通っていらっしゃる方は、
信号の音他で、あ、町田の駅前の音だってわかるそうです。
福永さんのいろんな星にまつわるお話、
スターホールを愛してくださった皆様への思いが伝わるお話もさることながら、
そのやわらかな語り口が一層、なめらかで、高橋全さんの音楽の呼吸とぴったりで鳥肌が立ちました。
プラネタリウムの空間で流れる音(声も含む)って、一定のスピードのなめらかさがものすごく大切だと思うのです。
星がゆっくりと一定のスピードで動き、空が少しずつ一定のスピードで暗くなったり、
また一定のスピードで徐々に明るくなっていく、という空間だから。
アグレッシブに緩急がありすぎ、めりはりバンバン、テンポがころころかわるとかは不向き。
徐々に徐々に盛り上がっていくとかゆっくりゆっくりフェイドアウトなど、星の呼吸にいかに合っているかが大事。
全さんの音楽も福永さんの語りもアロマテラピーのオイルマッサージの達人の施術を受けている感覚でした。
ドーム全体にひろがるやわらかさを持ちながら、ふんわりしているだけじゃなくて、
一定の心地よい「圧」でずっとずっとなめらかに肌の奥に拡がっていく感覚。
私が狙って座ったのは、大好きな西側(正面に向かって右手)のへりの席。
画像がドームに投影されるところがあるので、画像が正面に見えるセンター寄り、
それから全体が見渡せる後方の席が通常「観やすい」席なのかなと思います。
でも、なぜ西側のへりかといいますと・・・・。
星は東から西へ動いていきます。
そしてドームの西の下(地平線)まで巡ってきた星たちはどうなるかといいますと、
そのあとドームの下の奥の壁面にも実は映っているんです。
壁面の角度のせいでしょうか、ドームの地平線までゆっくり降りてきた星たちは、
このあと流れ星みたいに「すー」って壁を伝っていくんですよ。いくつもいくつも。
まるで、舞台に登場している群舞のバレリーナたちが、舞台の袖まできちんと踊ってきて、
そのあと、客席からはもう見えないと思って、さーって足早に去っていくみたいに(*^。^*)
マニアックな愉しみなのですが、星のスー、スーがすごく好きで、
西側のへりがマイベストポジションでした。それももう観られなくなるのかと思うと、残念。
スターホールの皆様とは一緒に形にして発表させていただいた番組もあります。
なによりもチームワークとお一人お一人の星に対する思いが伝わってくるあたたかさが素敵なプラネタリウムでした。
ぜひぜひ新しい形で復活してほしいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高橋全さんの『ダンスオブシルエット』は持っているのですが、
受付で今回のスターホール用書き下ろし3曲を加えた2枚組盤が販売されていたので購入しました。
永田美絵さんの語りもスターホールの空間でもう一度聴いてみたいのですが、
31日までにもう一度うかがうのはむずかしくて残念~。
星やプラネタリウムINDEXはこちら
« 朝崎郁恵と高橋全による島唄---幼子になってあやされる | トップページ | おとめ座野球 »
「 星見るシアワセ」カテゴリの記事
- 2020年7月2日の火球は見られませんでしたが、1996年のつくば隕石は(2020.07.02)
- 夕空に星が一つ一つ。まるで魔法のよう。(2020.02.01)
- 月の満ち欠け日記 2019年6月3日~7月2日(2019.06.09)
- 写真集を思い出す夕焼けと夏の暑さ、でも夜中は冬(2017.09.13)
- 星のささやき---その23.1800年代初頭、ゲデンシュトロムの体験(2016.02.13)
コメント