セルゲイ・ボドロフの「モンゴル』観ました
セルゲイ・ボドロフ監督の映画「モンゴル/MONGOL/МОНГОЛ」を観ました。
浅野忠信が若きチンギス・ハン、”テムジン”を演じた映画です。
興味があったのは、美術をブリヤート人アーティストのダシ・ナムダコフが担当しているから。
一言で言うならかっこいい映画でした。浅野忠信は不思議な目をしていますね。
クォーターときいたことがあります。
色素が薄く茶色っぽい瞳といっても、西洋人っぽいという目でもなく、
90才ぐらいのご高齢のおじいちゃまやおばあちゃまの色素が薄くなった瞳のような、木像の仏の目のような雰囲気。
人間を超えた目のよう。テムジンの先祖は狼といわれているそうですが、それを納得させる人間離れした目。
決して南国系のような濃い瞳ではないのに、静かな熱を感じさせるまなざしで、
浅野忠信はたけだけしさと慈悲、正反対の要素を持つテムジンそのもの。圧倒的な存在感を放っていました。
妻、ボルテを演じた女優。アリー・マイ・ラブのルーシー・リューみたいな目元。
テムジンの妻、モンゴ女性、母のたくましさを演じていました。
全編に渡って使われるモンゴル独特の発声歌唱、
ホーミーや、モンゴルの夏、短い秋、冬、短い春、壮大な景色の美しさも堪能できました。
そしてなにより素晴らしかったのは出てくるすべてのモンゴル人の顔立ちの味わい深さ
(日本人や中国人の俳優も参加していますが)、
衣装の色使い、装身具。刀。甲冑。セットの町のたたずまい、器やタペストリーetc.
フィルムに写るすべてのもの、色彩に心奪われました。
ブリヤート人のダシ・ナムダコフによる美術。
どこまで当時のモンゴル的なものとなっているのかわかりませんが、すべてが美しかったです。
髪型、コスチューム。メルキト族がかぶっているお面etc.スターウォーズの東洋的な雰囲気が好きな方や、
風の谷のナウシカ(とくに漫画編)の中世的な雰囲気が好きな方にもおすすめ。
欲をいえば、合戦シーンの血しぶきシーンを減らして、
そのかわり、テムジンをハーン(リーダー)として崇拝し、ついていく人が増えていった過程、
テムジンの帝王学などをもっと描いてほしかったでした。
ダシ・ナムダコフ一覧はこちら
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