春は三段階でやってくる
春本番。
私のエリアではソメイヨシノは散りましたが、八重桜が見頃。
そして梨の白い花も。
梨は格子状に張ったところに枝を這わせて育成されているので
花が白い天井のように格子を覆う様子が綺麗です。
菜の花も、新緑も目にまぶしいです。
ロシアの作家ミハエル・プリシーヴィンは、春は三段階でやってくると語りました。
まず最初が「ひかりの春」。
これは私たちも実感できますよね。
12月の冬至をすぎて太陽は少し高度が上がり、日差しが強くなり、そして日が長くなってくることから。
ロシアのような高緯度の北国では、冬=「寒い」だけではなくて、「暗い」。
太陽が出る時間が遅く出たと思ったらすぐ日没。
そんな環境の人にとって、冬至は太陽の復活の日。
そんなわけで冬至をすぎて、まず「光」から春を感じるのですね。
次はなんの春でしょう。
日本でも雪深いところに住んでいる方は推測できるかも。
冬、雪が根雪となり、池や川さえも凍る北国。
「ひかりの春」の日差しが、大地をあたためます。
気温も高くなり、川に張った氷が解けて流れだします。
森を覆っていた雪が解けていきます、というわけで「水の春」。
春の川というと、日本では童謡「春の小川」のイメージ。
さらさら、水面は春の日差しでキラキラ、のどか。
ですが、北国では春の川=一気に氷や雪が解けて流れ出すことによる「氾濫」なのですね。
ロシア語では「春の出水」という単語すらあります。
ラフマニノフにバレエでも使われる「春の水」という小曲があります。
うねるようなダイナミックな曲でどうして、これが春の水、
と思うのですが、雪解け氷解けの氾濫の水のほとばしり、と思えば納得できます。
さて、「ひかりの春」「水の春」ときて最後はなんの春でしょう。
それは「緑おりなす草の春」と「森の春」。
雪が解けた大地に草が生え、森の木々の新芽が芽吹きがはじまるのです。
日本でも北国では3段階の春を感じられるのかもしれません。
冬が過酷だった分のご褒美。美しい春を満喫してください。
私のエリアは「ひかりの春」「緑の春」の2段階。
里山も新緑がモリモリしています。
レモン色に黄緑を混ぜたような色から、黄緑に少し赤をまぜたような色から、
水彩絵の具だったら何と何を混ぜたら作り出せる色かなあなんて思いながら、眺めています。
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emiさん
お久しぶりです。
>春は三段階でやってくる
とても実感できます。特に「ひかりの春」を。
光が部屋にさしこんでくるだけで、うれしいのです。お日様の輝きがこんなにも人の気持ちを暖めてくれるものだと北国に来て初めて知りました。
今日は、札幌20℃と東京より温かだったようです。
こちらの桜開花予想は4月25日で、平年より10日程早いそうです。emiさんが書かれていたように、桜と梅がほとんど同時に咲くのです。これからの北海道は、雪に覆われ眠っていた大地が目覚め、百花繚乱の季節です。
投稿: non | 2008年4月19日 (土) 22:33
nonさん。やはり北国だと「ひかりの春」を実感されるのですね。桜がもうまもなく開花なのですね。百花繚乱の季節楽しみですね。
nonさんの書かれている文章、とても北海道の自然が目に浮かんできました。
投稿: emi | 2008年4月19日 (土) 23:48
emiさんは、もう新緑を目にしていられるの
ですね! こちらはソメイヨシノが散り始めた
ところです。
東北は、春の訪れがゆっくりなので、
ブログをしながら、心が軽くなっていく
速度が、皆さんより遅いなと時差を
感じていました。
3つの春、まだしばらく堪能できそうです♪
ところで「ロイド老淑女」読みました☆
小説の中でのお話だろうけれど、よく大きな
病気もせず生きてこられたなと思いました。
食事を切りつめる場面では、やはり涙が。
モンゴメリーの文才を改めて感じました。
掛川恭子さんの訳も、とても良かったです。
挿し絵は、山本容子さんでした。
My泣き小説、私は持っていません。
名付けてなかっただけで、読むと涙が
出てしまう本はありますが。
泣きたくなった時、本を読むこと
初めて知りました!
さすがemiさん、素敵です。
投稿: おんぽたんぽ | 2008年4月20日 (日) 07:44
おんぽたんぽさんのところではソメイヨシノがちょうど花吹雪の頃なのですね。風に吹かれる様子、風情がありますよね。
ロイド老淑女、いいお話ですよね。
おんぽたんぽさんも読むと泣けるお話があるのですね。
ちなみに私の他の泣き本は「100万回生きた猫」(佐野洋子)とわんちゃんがでてくる絵本「いつでも会える」(菊田まりこ)と、漫画「家族の食卓」(紫門ふみ)です。
投稿: emi | 2008年4月20日 (日) 19:50