雪の結晶を観察した人たち(その9)---マルチネット
ブランクができてしまった「雪の結晶」カテゴリー。
雪が解ける季節までにと思いながら、すっかり夏。
ただ、かえって暑い時期に雪の結晶に目を向けるのも
涼しい気分になっていいかしら、なんて。
さて、年代順に雪の結晶を観察した人を私なりに追っていますが、マルチネットを抜かしていました。
年代前後して、マルチネットのご紹介です。
7´) 1778 マルチネット(Martinet)、『Katechismus der Natuur』の中で雪の結晶を描く。
人物/オランダの教育者
掲載文献/『Katechismus der Natuur』
詳細/国立国会図書館による書籍説明によりますと
「天体、大気、地上、海洋、動物、昆虫、植物などについて問(V)と答(A)の対話形式で書かれた教科書」
とされています。12片の雪の結晶図が描かれています。
土井利位が雪の結晶を顕微鏡観察する上で参考にしたのが『Katechismus der Natuur』といわれており、
マルチネットが描いた雪華12片を自身の「雪華図説」にも引用しています。
<雪の結晶スケッチ世界3大巨匠の一人>と私が思っている土井利位に影響力を与えたマルチネットですが、
ヨーロッパ諸国ではあまり知られていないのかもしれません。
世界の雪の結晶観察の歴史は、ヘルマンが1893年に出版した『scheekrystalle』の中でよくまとめていますが、
この中にはオランダのマルチネット、そして日本の土井利位
(こちらは時代背景からいってしょうがないのかも)は紹介されていません(ドイツ語の原書に私が目を通したところ)。
ネット閲覧/国立国会図書館のデジタル貴重書で、マルチネットの『Katechismus der Natuur』を
見開き2ページみられます。
こちらのページ(ttp://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/catalog/c090.html)です(2008.7.14現在)。
雪の結晶12片が閲覧できます。
転載文献/
『雪華図説』土井利位。雪の結晶12片転載。
『雪華図説考』小林偵作、『雪華図説新考』小林偵作、などの書物でも
マルチネットによる雪の結晶図12片転載。
文献実物/
土井利位のお膝元、茨城県古河市にある古河歴史博物館
(毎年土井利位にちなんだ雪の結晶展を開催)に
マルチネットの『Katechismus der Natuur』は所蔵されているようです。
※2012.8.26の記事で『格致問答』をネットで閲覧できるところ他をアップしました。
【雪の結晶を観察した人たちシリーズ】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら
« お星さまと金銀すなご | トップページ | 暑い夏にはジュニパーの香り »
「 雪の結晶」カテゴリの記事
- 雪の次の日。生まれて初めて見た光景。降り注ぐ雪しぶき。(2022.01.15)
- こたべのパッケージに雪の結晶発見!(2020.01.26)
- 2020年1月18日の雪で結晶は撮れるか(2020.01.23)
- 榛原(はいばら)の御朱印帳を手に入れました。土井利位侯の雪華がいっぱい(2020.01.12)
- 雪輪はもっとも好きな雪の文様の図案のひとつ(2019.12.29)
コメント