熱闘と千羽鶴と
神奈川にいると、しだいにはまってしまうものに
高校野球と崎陽軒のシウマイ弁当があります。
今、全国で夏の甲子園に出場する学校が決まりつつありますが、
神奈川では北神奈川、南神奈川のベスト16が決まってきたあたり。
連日熱戦が各球場でおこなわれています。
私学の強豪校だけではなく、公立やいろんなチームが力をつけていて、とても見ごたえがあります。
結果的にはコールドで終わった試合でも途中まで優勝候補相手にリードしている学校もあったりして、侮れません。
初戦突破を目標に掲げるチームも甲子園確実といわれているチームもそれぞれ魅力があります。
さて、全国的な風習なのか、ローカルなのかわかりませんが、
神奈川の高校野球で好きなものの一つが、千羽鶴。
初めて知ったのは、テレビ神奈川で試合中継をみていた時でした。
カメラがベンチの様子を映していたところ、
奥にカラフルな「必勝」とかいろんな絵や言葉が描かれているのれんのようなものが吊るされていたのです。
それが膨大な数の折鶴を繋いで作られたタペストリー(のれん)だと知ったのはしばらく経ってから。
きちんと確かめたわけではないのですが、
神奈川では毎夏、折鶴タペストリー(正式の名称わからず)を必勝をかけて、
応援者(おそらくマネージャーや父母会中心)が作り、野球部に贈呈されるようです。
そしてベンチに飾られ、試合のお守りとなるのです。
負けたチームは自分たちの千羽鶴を、勝者チームに手渡すとききました。
「敗れた自分たちの思いを引き継いでくれ、俺たちの想いも甲子園まで連れて行ってくれ」と託されるのですね。
甲子園に出場が決まった学校は、手元にあるすべてのタペストリーを甲子園に持っていくことはできないので、
各校のタペストリーから一羽ずつカットして持っていく、ということもあるそうです。
折り紙で作られるタペストリーのアート性にも目を奪われますし、
いろんな人が夢を託している、敗者から勝者へという夢の引継ぎを含め、
とても素敵な慣わしだと思っていました。
ところが、どうやら、今年は、この敗者から勝者への引継ぎはとりやめになってしまったそうです。残念。
ただ、勝者へ渡すことが禁じられただけで、折鶴タペストリー自体は健在のはず。
試合後、球場の外で選手達がでてくるのを待っていると、
部員たちが大切そうに注意深く運んでいる折鶴タペストリーをみることができます。
モザイク画、クロスステッチの刺繍のように美しく絵模様が描かれた、
手が込んだタペストリーを間近で。
きっと部室から球場へ丁寧に運んできて、ベンチでの守り神となり、
また運びで持って帰り、次の試合に備えられるのでしょう。
今年も、神奈川の高校野球の夏の大会を総括したグラフ誌が2008年版として発売されるでしょう。
全校紹介、選手名などのデータとともに、
各校の2008年の折鶴タペストリー一覧もカラーページで掲載してくれたらいいな、なんて思います。
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